2016.11.10資産運用

NISA、利用始めたが非課税になるメリットが出ない!

Text : 柴沼 直美

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NISA(少額投資非課税制度)は2014年からスタートし、2016年からは20歳未満を対象としたジュニアニーサも加わりました。NISAとは、年間120万円(ジュニアニーサであれば80万円)までの投資元本からの投資収益および売却益に対して非課税となる制度です。金融庁の調査では1,000万口座を突破し、一見順調に普及しているように見えます。一方で、口座は開設したものの活用していないケース、非課税のメリットが受けられないという声なども耳にします。

NISA 口座数・稼働率の推移

「NISAは損も得もなかったことにする」という基本をおさえよう

ここで、NISAの基本的なしくみを確認しておきましょう。まとめてしまえば、「得してもなかったことにしてくれる(=非課税)代わりに、損をしてもなかったことになる(別の収益を控除することはない)」ということです。100万円で株式を購入して、120万円で売却して20万円の売却益が発生した場合には、たしかに、20%(厳密には20.315%)の税金はかからず、NISAを活用しなければ課税されていた4万円が納税しなくてよいことになりますが、80万円に下がったところで売却して20万円の売却損が発生してもその損失をどこかほかの利益から控除して、利益を少なくすることはできません。

損失が発生するタイミングでは、あえて売却しない

このことからNISAのメリットを享受するためには、儲かったとき(収益がプラスの時に)売却し、マイナスになりそうなときには、あえて売却しないようにすることです。例えば「半年後に絶対に換金しなければならない」といった時間軸の短い投資スタンスをとってしまうと、半年後に損失が出た場合であっても換金しなければなりません。そうするとNISAのメリットが使えないことになります。言い換えれば、余裕をもった投資スタンスが大切になります。

短期間で売買するような投資スタンスはNISAには不向き

またNISAでは、年の途中で収益が出たからといって売却をして非課税のメリットを使っても、年間120万円(ジュニアNISAなら80万円)の枠の再利用はできません。つまり120万円で株式や投資信託を購入して、それが130万円になったから売却すれば、その時点では10万円の収益が非課税になるというメリットを享受することができますが、残高が0円になったからもう一度120万円の投資をしようとしもできないことをあらかじめ認識しておきましょう。つまり、売り時が重要になるということ。このような注意点を確認したうえでNISA制度を活用すれば、毎年元本120万円分の配当金・分配金・売却益に対して、本来なら納入しなければならない20%分の税金が非課税になるというメリットを享受して、お金を育てていくことができます。

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柴沼 直美

Text:柴沼 直美(しばぬま なおみ)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者
日本証券アナリスト協会検定会員、MBA(ファイナンス)、
キャリアコンサルタント、キャリプリ&マネー代表

大学を卒業後、日本生命保険に入社。保険営業に従事したのち渡米。米国アリゾナ州、Thunderbird School of Global ManagementにてMBAを修得。帰国後外資系証券会社、投資顧問会社にてアナリスト、日本株ファンドマネジャーを経験。出産・母親の介護を機に退職。三人の子育ての中で、仕事と主婦業の両立を図るべく独立。キャリアカウンセラー、CFPの資格を活かしつつ、それぞれのライフステージでのお金との付き合い方を、セミナーや個別相談により紹介。子どもの教育費・留学費から介護に至るまで経験を交えた実行可能な幅広いストライクゾーンで対応。
http://www.caripri.com