2017.10.06暮らし

子どもの教育。ない袖は振らない

Text : 柴沼 直美

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子どもが生まれたばかりのときは、話すこともできませんが、当然無限の可能性を持っています。そこで親の期待は一気にふくらみますが、感情が暴走してしまうとあとで収集がつかなくなります。

 

生まれる前は「全部公立で通す」という親に限って

 
以前にもお伝えしましたが、もし子どもを、幼稚園から大学まですべて公立(大学の場合は文系・自宅通学)で通す場合の教育費は平成22年度の文部科学省の調査によれば800万円をやや下回る程度と試算されています。しかしここから、中高を私立にとか、大学を理系にという風に進路を変えていくとそれに伴い教育費もどんどん上振れていきます。

ですが、一般的に言われている教育費よりも、大きく家計を圧迫する要因になりがちなのがお稽古事と塾という一般の統計値からは読み取れないデータです。

たいてい出産日を控えているご夫妻のお話を伺うと、「余分な教育費はかけない」とおっしゃっていますが、お子様が生まれ来た時にたまたまサッカー熱が盛り上がってきたとか、幼稚園のときにヒップホップが流行ったとなると、とたんに「うちの子はモノになる!」というのでお稽古をはじめます。このような時点で子どもに確認しても意味はありません。

「やるの?」「やる!」「どうして?」「みんな、やっているから」と言われて親も長期的な「教育費」の枠組みが瞬間的に消え失せてしまいます。

 

発表会で10万円、塾の冬期講習で10万円

 
場当たり的にお稽古を始めて、将来を左右するようなレベルにまで到達するかもしれませんが、それまでには多大な投資を覚悟しなければならないことを認識してください。

例えばクラッシクバレェの発表会では軽く10万円はかかるでしょう。衣装代なども馬鹿にはなりません。その挙句、小学3年4年頃になると周りでは中学受験をさせるかという話題が上ってきます。

文部科学省のデータでは私立中学に通わせたら、学費が3年間で383万円というふうに掲載されていますが、それ以前にかかる塾代、模擬試験や冬期講習・夏期講習代、最近では志望校の試験問題に焦点をあてた特別授業なども提供していて、そのようなオプションコースを選べば、入学までに100万円は軽く超えてしまうというところまではカバーしていません。

 

親が教育ローンで子どもが奨学金でずっと返済・返還生活?!

 
親は教育ローンを締結して最大15年で返済し、子どもは返還不要な給付型奨学金が活用できればいいですが、貸与型奨学金ということになれば、親子ともども返済&返還生活がはじまることになります。

教育は選択肢が多く、親の子への無限の期待がありますが、「ない袖はふれない」という線を引く理性的判断力が求められます。

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柴沼 直美

Text:柴沼 直美(しばぬま なおみ)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者
日本証券アナリスト協会検定会員、MBA(ファイナンス)、
キャリアコンサルタント、キャリプリ&マネー代表

大学を卒業後、日本生命保険に入社。保険営業に従事したのち渡米。米国アリゾナ州、Thunderbird School of Global ManagementにてMBAを修得。帰国後外資系証券会社、投資顧問会社にてアナリスト、日本株ファンドマネジャーを経験。出産・母親の介護を機に退職。三人の子育ての中で、仕事と主婦業の両立を図るべく独立。キャリアカウンセラー、CFPの資格を活かしつつ、それぞれのライフステージでのお金との付き合い方を、セミナーや個別相談により紹介。子どもの教育費・留学費から介護に至るまで経験を交えた実行可能な幅広いストライクゾーンで対応。
http://www.caripri.com