2017.12.08暮らし

「世界幸福度ランキング」日本は51位、上位は北欧。お金があるから幸せとは限らない!

Text : 小泉 大輔

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国連の「持続可能な開発ソリューション・ネットワーク(SDSN)」が発表する「世界幸福度ランキング(ワールドハピネスレポート)」。2016年はデンマークが1位、日本は53位でした。

2017年は155ヵ国を対象にして、1位ノルウェー、2位デンマーク、3位アイスランド、以下、スイス、フィンランド、オランダ・・・と続く結果となりました。日本は51位。先進7ヵ国(G7)では最低とのことです。

日本の順位とは対照的に、毎年上位を北欧の国々が占めています。なぜ北欧の人々は幸福度が高いのでしょうか。私が、仕事柄、北欧に行く機会が多くあり、その経験から、秘密に迫ってみたいと思います。

北欧の人は貯金をしない!?

北欧の人の幸福度が高い理由として、一般的には社会福祉が充実していることが挙げられます。北欧諸国では医療費や出産費が無料、さらに幼稚園クラスから大学までの教育費も無料の国が多くあります。ただし、消費税率をはじめとする税金は高く、国民の負担率も日本よりも格段に重くなっています。

また、ほとんどの人が貯金をしていません。なぜかというと、国が助けてくれるという信頼があり、将来に対する不安がないからです。こればかりは福祉制度が日本とは全く違うので、あまり参考になりませんね。
 

財政破綻を経験したアイスランド、なぜ幸福度が高い?

アイスランドは2008年の12月に財政破綻が起こりました。現在は観光業や漁業がけん引して復活を遂げつつありますが、国家が破綻するとどのようなことが起きるのでしょうか。
 
最も困ることは「預金封鎖」です。銀行からお金を引き出せないという状況に陥ります。また、クレジットカードも使えなくなるようです。物価は高騰し、住宅ローンも3倍になるなど、国民にとって辛い状況が続きました。
 
そんなアイスランドですが、注目すべきは国民の幸福度が高い点です。2017年の世界幸福度ランキングでも、155ヵ国中3位にランクインしています。アイスランドの人と接していると、「自国よりも、大変な国はたくさんある、自分達は、まだ、ましじゃないかと」楽観的な考えを持っていることを感じます。
 

行列に並んでもイライラしない北欧の人々

しかし、北欧の人々の幸福度には、他にも要因があります。
私が北欧の人々に対して感じることは、「幸せに対する考え方が違う」ということです。
 
例えば、朝の出勤前にスターバックスなどのカフェに並ぶ際、日本では店員もお客さんもせかせかと急いでいる印象があります。列の後ろの方の人は「早くしてくれよ」とイライラしていることもあるでしょう。北欧の人は同じ状況でも、みんなのんびりしています。バリスタは目の前の人のことだけを考え、それに対して列に並ぶ人もイライラしたりしません。
 
これはなぜかというと、北欧の人は「期待をしすぎない」からです。日本人は相手に対して求めすぎる傾向があります。それが日本のサービスの良さ、おもてなしの文化にも繋がっていますが、その反面不満が生まれやすいというデメリットもあります。期待通りのサービスを受けられなかった場合、クレームをつけるという行動にもなるのです。
 
北欧の人は相手に期待をしない分、ちょっとのことで感謝する心の余裕があります。日本人からすると北欧のサービス業は対応があまりよくないと感じるかもしれません。しかし、これはフォーカスする部分が違うからです。北欧の人たちは、時間に追われることなく今この瞬間を大事に生活しています。
 

日本人の幸福度が低いのは「自信」を無くしているから

北欧諸国は共通して、自ら不幸にならないような考え方をしていることが伺えます。そして、自国や自分たちに対して自信があります。日本人は幸せなのに自信を無くしているのかもしれません。江戸時代、日本人は今よりも幸せだったといいます。そこにはface to faceのコミュニケーションがあり、リサイクル、物々交換など自然に優しい社会がありました。
 
日本は、世界的に見ても、治安が良く、豊かで、サービスのきめ細かい国です。北欧から心のゆとりを学ぶことに加えて、日本の美しさや良い部分に自信を持ち、幸せの感度を取り戻すことが大事なのではないでしょうか。
 
Text:小泉 大輔 (株式会社オーナーズブレイン 代表取締役 / 公認会計士・税理士)

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小泉 大輔

Text:小泉 大輔(こいずみ だいすけ)

株式会社オーナーズブレイン 代表取締役 / 公認会計士・税理士 

1970年東京都生まれ。上智大学経済学部卒業後、公認会計士となり、朝日監査法人(現在:あずさ監査法人)で監査実務、及び、M&A,株式上場支援に携わる。
2003年に、独立し、(株)オーナーズブレインを立ち上げ、現在は代表取締役であるとともに、2社の上場会社の役員も兼任する。共著著書に『コーポレート・ガバナンス報告書 分析と実務』2007年4月(共著、中央経済社)』DVD『できるビジネスマンDVD+財務諸表チェックのキモ』 200年7月(創己塾出版)がある。
http://ownersbrain.com/