住宅ローンの繰り上げ返済時に夫婦間で贈与税がかかるって本当? 計算例や回避方法を解説 | ファイナンシャルフィールド

更新日: 2021.11.11 返済

住宅ローンの繰り上げ返済時に夫婦間で贈与税がかかるって本当? 計算例や回避方法を解説

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部 / 監修 : 新井智美

住宅ローンの繰り上げ返済時に夫婦間で贈与税がかかるって本当? 計算例や回避方法を解説
住宅ローンの繰り上げ返済をすると、夫婦間での贈与とみなされる場合があります。贈与であると判断されれば、贈与税の納税義務が発生します。
 
住宅ローンの繰り上げ返済をする方の多くは、金銭的な負担の軽減を目的にしているはずです。贈与税がかかることになれば、負担軽減効果が薄くなるため注意しなければなりません。
 
そこでこの記事では、贈与税とはどのような税金か、また課税額の計算方法、繰り上げ返済で贈与税が発生するケースについてまとめました。あわせて贈与税を回避するための対策方法も解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
FINANCIAL FIELD編集部

日々の生活における、お金にまつわる消費者の疑問や不安に対する解決策や知識、金融業界の最新トレンドを、解りやすく毎日配信しております。お金に関するコンシェルジュを目指し、快適で、より良い生活のアイディアを提供します。

新井智美

監修:新井智美

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
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贈与税とは?

 
贈与税とは、個人間で財産を贈与した際に課税される税金です。財産を受け取った側に、納税の義務があります。
 
贈与税の課税方法は、一般的な「暦年課税」と、60歳以上の父母・祖父母からの贈与であることなどの要件に当てはまる場合に選択できる「相続時精算課税」の2つです。このうち、住宅ローンの繰り上げ返済で夫婦の間に発生する可能性があるのは、暦年課税による贈与税です。
 
●暦年課税とは
個人が1月1日~12月31日の1年間に贈与された財産の合計額から、基礎控除額110万円を除いた額に対して課税される方式です。1年間の贈与額が110万円以下の場合には、贈与税はかからず申告の必要もありません。
 
贈与税が発生した場合は、財産を受け取った人が翌年の2月1日~3月15日の間に申告・納税しなければなりません。税金は原則として金銭で一括して納めますが、「延納」の申告をすれば数年に分割して納めることもできます。
 

住宅ローンの繰り上げ返済で贈与税がかかるケースは?

 
住宅ローンを繰り上げ返済した際に、夫婦間で贈与があったとみなされる可能性が高いのは、例えば次のようなケースです。
 
●夫名義の不動産の住宅ローンを妻の資金で繰り上げ返済した場合
⇒繰り上げ返済で負担した妻の資金が、妻から夫への贈与であると判断される可能性があります。
 
●収入合算もしくはペアローンを利用しているケースで繰り上げ返済によって、夫婦のいずれかが持分割合(または夫婦の合計所得に占める所得の割合)を超える金額を返済した場合
⇒年間の返済額を持分割合(所得の比率)で案分した金額を超えた部分について、相手への贈与とみなされる可能性があります。
 
実は個人間の贈与であっても、家賃や食費など、扶養義務者から受け取った日常生活に必要な費用については、贈与税は非課税です。
 
しかし、住宅ローンは日常生活に通常必要な費用とはみなされません。そのため、物件に対する自分の権利の範囲を超えて購入費用を負担すると、贈与税の対象となるのです。
 
これは、住宅ローンが夫婦いずれかの単独名義の場合も、夫婦の連帯債務である場合でも同様です。
 

住宅ローンの繰り上げ返済で発生する贈与税に配偶者控除は使える?

 
贈与税の配偶者控除とは、婚姻期間が20年を超える夫婦の間で居住用不動産や居住用不動産の購入資金の贈与が行われた場合に、特例的に適用される控除です。適用となると、基礎控除110万円に加えて、最高2000万円まで控除されます。
 
夫婦いずれかがまとまった資金を得て住宅ローンの繰り上げ返済に充てる場合、そのままでは「居住用不動産の購入資金」とはみなされず、配偶者控除は適用されません。
 
ただし、不動産の持分を夫婦間で移動する場合は、居住用不動産の贈与にあたります。そのため、繰り上げ返済を含めた負担割合が持分割合を超えないようにあらかじめ持分を移動すれば、配偶者控除が適用されて贈与税を回避できる可能性があるでしょう。
 

住宅ローンの繰り上げ返済で発生する贈与税の計算例

 
贈与税の課税額は、次の計算式で算出します。
 
贈与税の課税額=(年間の贈与金額-基礎控除110万円)×贈与税率-課税価格に応じた控除額
 
夫婦間で財産を贈与する場合の、基礎控除後の課税価格ごとの贈与税率と控除額の例は、以下のとおりです。
 

●200万円以下:税率…10%/控除額…なし
●300万円以下:税率…15%/控除額…10万円
●400万円以下:税率…20%/控除額…25万円
●600万円以下:税率…30%/控除額…65万円
●1000万円以下:税率…40%/控除額…125万円
●1500万円以下:税率…45%/控除額…175万円
●3000万円以下:税率…50%/控除額…250万円
●3000万円超:税率…55%/控除額…400万円

 
以上をもとに、妻が夫に450万円贈与するかたちで一部繰り上げ返済をした場合の、贈与税の課税額を計算してみましょう。
 

(450万円-110万円)×20%-25万円=43万円

 
この場合は、夫が43万円の贈与税を納税しなければならないことになります。
 
また、夫名義の残高1500万円の住宅ローンを、夫婦で半分ずつ資金を出して全部繰り上げ返済した場合の贈与税額は、次のとおりです。
 

1500万円×1/2=750万円…妻から夫への贈与金額
(750万円-110万円)×40%-125万円=131万円

 
贈与額が大きいほど、発生する贈与税の金額は大きくなります。贈与税が発生する状況での繰り上げ返済は、贈与税の課税額と繰り上げ返済による効果を試算して、本当にメリットがあるかどうかを検討したうえで実行しましょう。
 

住宅ローンの繰り上げ返済で贈与税を回避する方法

 
繰り上げ返済は、住宅ローン返済の負担を軽減するための手段です。贈与税を負担しなければならないとなると、繰り上げ返済のメリットが小さくなってしまいます。何より、繰り上げ返済の効果を贈与税の負担が上回っては意味がありません。
 
そこでここからは、繰り上げ返済で夫婦間の贈与があったとみなされないための対策方法をみていきましょう。考えられる主な対策は、次の3つです。
 

●贈与額が年間110万円を超えないようにする
●住宅の名義人に貸し付けをしたかたちにする
●配偶者控除を利用して持分割合を変更する

 
以下で、詳しく解説します。
 

贈与にあたる部分が年間110万円を超えないように調整する

 
配偶者名義の住宅ローンの繰り上げ返済に資金を提供する場合や、持分割合を超える割合の返済をする場合は、贈与にあたる金額が110万円を超えないように調整するとよいでしょう。
 
贈与税の計算では110万円が基礎控除としてあらかじめ差し引かれます。そのため、贈与額が110万円以下の場合は課税価格が0となり、贈与税は発生しません。
 

名義人に貸し付けをしたかたちにする

 
繰り上げ返済のために負担した資金を、住宅の名義人である配偶者に貸し付けしたかたちにすることでも、贈与税を回避できます。貸し付けとして扱う場合には必ず、贈与ではないことの証拠として金銭消費貸借契約書を作成しましょう。金銭消費貸借契約書には、利息(または無利息)と返済期間を記載し、署名します。
 

配偶者控除を利用して持分割合を変更する

 
上でも触れましたが、婚姻期間が20年を超える夫婦の場合、贈与税の配偶者控除という特例を利用すると、2110万円までは贈与税非課税で居住用不動産の持分を贈与できます。
 
その際に繰り上げ返済を含めた住宅ローン負担額に応じて持分割合を変更すれば、繰り上げ返済に充てた資金が贈与とみなされるのを、回避できる可能性があります。
 

繰り上げ返済時には贈与税対策を忘れずに

 
住宅ローンの名義や対象物件の夫婦間の持分割合などの条件によっては、繰り上げ返済時に贈与税が発生する可能性があります。繰り上げ返済は住宅ローンの負担軽減のために行うものであるため、贈与税を負担しなければならなくなればメリットは小さくなります。
 
贈与税が発生する可能性がある場合は、税金を払ってでも繰り上げ返済をする価値があるかどうか、課税額と繰り上げ返済による効果を試算して、比較することが大切です。また、贈与税によって繰り上げ返済のメリットを損なわないために、非課税となる範囲に金額をとどめるなどの対策をとることを、検討するのもよいでしょう。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
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