住宅ローンの団信を詳しく解説! 団信の特徴や種類、メリット・デメリットを紹介 | ファイナンシャルフィールド

更新日: 2021.11.11 その他

住宅ローンの団信を詳しく解説! 団信の特徴や種類、メリット・デメリットを紹介

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部 / 監修 : 新井智美

住宅ローンの団信を詳しく解説! 団信の特徴や種類、メリット・デメリットを紹介
住宅ローン利用を予定していて、団信について詳しく知りたいと考える方は多いのではないでしょうか。団信は住宅ローンに付帯する生命保険のようなもので、ローン契約者に万が一のことが起きた場合にローン残債が0円になります。
 
また、保険金を受け取った際には死亡保険金や満期保険金のように税金の課税対象にもなりません。
 
ここでは、住宅ローン団信の特徴や種類、メリット・デメリットなどについて詳しく解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

日々の生活における、お金にまつわる消費者の疑問や不安に対する解決策や知識、金融業界の最新トレンドを、解りやすく毎日配信しております。お金に関するコンシェルジュを目指し、快適で、より良い生活のアイディアを提供します。

新井智美

監修:新井智美

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
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住宅ローンの団信とは

団信とは団体信用生命保険のことで、契約者に万が一のことが発生した場合に保険会社がローン残債相当の保険金を金融機関に支払い、住宅ローンを返済する保険のことです。特約なしの通常の団信であれば、契約者が死亡もしくは高度障害状態になった場合に、保険金が支払われます。
 
一般的に、民間の住宅ローンは団信加入が必須であるケースがほとんどです。
 

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団信と一般的な生命保険との違い

団信と一般的な生命保険では、保険料の支払い方法や性別・年齢別の保険料、受取人や保障期間、生命保険料控除などに違いがあります。
 
通常の生命保険は保障内容や性別・年齢によって保険料が変わり、終身か定期を選択して保険料を支払います。保険金の受取人は親や子どもなど契約者が指定をした人で、年間支払保険料に応じて所得控除(生命保険料控除)の適用を受けることが可能です。
 
団信は性別や年齢などで保険料が変わることはなく、保障期間は返済開始から返済終了までが基本となっています。また、保障内容が手厚くなるほど上乗せ金利は高くなります。保険金の受取人は、一般的な生命保険と違い金融機関になります。
 
以下に、保険料の支払い方法や受取人など、団信と一般的な生命保険との違いについて紹介していきます。
 

保険料の支払い方法

通常の生命保険などは、保障内容によって保険料が変わり、月払いや半年払い、年払い、一時払いなどで保険料を払い込みます。
 
団信の保険料(特約料)は、住宅ローン金利に上乗せされるのが一般的です。金融機関や団信の内容にもよりますが、住宅ローン金利+0.2〜0.3%となります。
 
通常の生命保険同様、保障内容が手厚くなるほど保険料負担は増加します。そのため、特約なしの団信よりも、3大疾病保障特約や8大疾病保障特約付き団信の方が、金利負担は高くなる傾向にあります。
 

性別・年齢別の保険料

生命保険は、性別や年齢によって保険料が異なるのが一般的です。同じ保障内容の場合は、年齢が上がるほどリスクが高くなるため、保険料負担は大きくなります。50〜60代の保険料が20〜30代の保険料の倍以上になることも珍しくありません。
 
一方、団信は性別や年齢によって保険料負担が変わることはありません。20代で住宅ローンを組む場合も、50代で利用する場合も住宅ローンの上乗せ金利は同じです。
 

保険金の受取人

通常の生命保険の受取人は、契約者が指定した人になります。配偶者や子ども、親など2親等以内の血縁者から指定するのが一般的です。契約者に万が一のことがあれば、契約者によって指定された人が保険金を受け取れます。
 
団信の場合、保険金を受け取るのは金融機関です。契約者に万が一のことがあれば、引受保険会社が保険金受取人である住宅ローンの金融機関に支払い、金融機関はその保険金をローンの返済に充当します。
 

保障期間

一般的な生命保険の保障期間は、契約者が亡くなるまでの「終身」や10年・20年・30年など期間を定めた「定期」があり、契約者は自分で保障期間を選択することが可能です。終身保険を選べば、保険料払込期間が満了を迎えたあとも保障期間は続きます。
 
団信の保障期間は、住宅ローン返済期間と同じです。ローン返済開始とともに保障期間が始まり、返済期間終了と同時に保障期間も終わるのが基本です。ただし、返済期間終了前でも、各団信の所定の年齢に達した場合には保障期間が終わります。
 

生命保険料控除

通常、生命保険料を支払うと一定金額の所得控除を受けられます。例えば、年間の支払保険料等が2万円超4万円以下の場合「支払保険料等×1/2+1万円」の控除となります。※新契約の場合
 
年間支払保険料等が8万円を超える場合、一律4万円の控除です。団信の場合は、保険契約者が金融機関となるため生命保険料控除の対象にはなりません。
 

団信の主な種類

団信には、契約者が死亡または高度障害状態に陥った場合にローン残債が0円になる一般団信だけでなく、3大疾病や8大疾病もカバーする保障が手厚い団信もあります。また、がんと診断されたら保険金が支払われる、がん保障特約付き団信もあります。そして、団信の保障内容が手厚くなるほど、住宅ローンの上乗せ金利が高くなるのが一般的です。
 
ここでは、団信の主な種類について見ていきましょう。
 

一般団信

一般団信とは、住宅ローンを利用する際に加入する通常の団信のことです。特約なし団信では、契約者が死亡もしくは高度障害状態になった場合や余命6ヶ月以内と判断された場合に、保険金で残りのローンが支払われます。
 

3大疾病保障特約付き団信

3大疾病保障特約付き団信は、特約なし団信の保障範囲に加えて、3大疾病(がん、急性心筋梗塞、脳卒中)もカバーする団信のことです。住宅ローン契約者が、がんや急性心筋梗塞、脳卒中と医師から診断された場合は、保険金が支払われ住宅ローン残債は0円になります。
 

8大疾病保障特約付き団信

がん、急性心筋梗塞、脳卒中の3大疾病に加え、高血圧症、糖尿病、慢性腎不全、肝硬変、慢性膵炎(すいえん)の5つの重度慢性疾患もカバーする団信です。5つの重度慢性疾患になり、入院治療で就業不能状態が続いた場合にも保障を受けられます。
 

がん保障特約付き団信

がん保障特約付き団信は、がんと診断された場合に住宅ローン残高が0円になる団信のことです。初期のがんでも保険金が支払われ、病気が完治した場合も住宅ローン残債は0円のままです。金融機関によってはがんと診断された場合に残債の50%保険金が支払われる「がん50%保障団信」などもあります。
 

団信のメリット

団信は、ローン契約者に万が一のことが起きた場合に残債が0円になるのがメリットです。残された家族には、その後の住宅ローン返済の負担がない住まいを確保できます。また、死亡保険金や満期保険金を受け取った時のように、所得税などの税金を負担する必要がありません。
 
ここでは、住宅ローン団信の2つのメリットについて見ていきましょう。
 

万が一の際にローン残債が0円になる

住宅ローン団信のメリットは、ローン契約者が死亡や高度障害など、万が一の状態に陥った場合にローン残債が0円になることです。特約なし団信なら死亡または高度障害、特約付きなら3大疾病や8大疾病になると、保険金でローンが支払われます。
 
家族にローンを引き継がないでよいため、残された家族も安心です。
 

所得税の納税がない

生命保険に入っていて、死亡保険金や解約返戻金、満期保険金などを受け取る場合、課税対象になる可能性があります。課税対象となれば、お金を受け取った人は所得税などを納税する必要があります。
 
しかし、団信の場合は課税対象外となるため、残された家族が納税する必要はありません。
 

住宅ローン団信のデメリット

住宅ローン団信は、保険金の受取人が契約者ではないため生命保険料控除の対象外となります。そのため、団信を所得税の節税には活用できません。また、契約者の健康状態によっては団信に加入できないこともあります。このように、メリットだけでなく、デメリットも把握しておくことが大切です。
 
以下に住宅ローン団信のデメリットを紹介します。
 

生命保険料控除の対象外

一般的な生命保険は、年間支払保険料に応じて生命保険料控除を受けられます。しかし、団信の場合は保険金の受取人がローン契約者ではありませんので、控除を受けることはできません。
 

健康状態によっては加入できない

団信は生命保険の一種であり、誰でも加入できるわけではありません。団信に加入するには、申込書兼告知書を提出して保険会社の加入承諾を得る必要があります。審査のハードルは高くないといわれますが、既往歴や持病によっては承諾を得られない可能性があります。
 
健康状態によっては団信に加入できないことも理解しておきましょう。
 

団信の内容も考慮して住宅ローン選びをしよう!

金融機関によって団信の内容が異なることも多いため、住宅ローンを選ぶ際は団信も比較することが大切です。万が一の際の保障内容と金利上乗せのコストを考慮して、自分に合った住宅ローン・団信を選ぶようにしましょう。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:新井智美
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