住宅ローンのボーナス払い割合は何割がいい?借入後の変更は可能? | ファイナンシャルフィールド

更新日: 2021.12.28 返済

住宅ローンのボーナス払い割合は何割がいい?借入後の変更は可能?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部 / 監修 : 新井智美

住宅ローンのボーナス払い割合は何割がいい?借入後の変更は可能?
住宅ローンを契約するときに決めなければならない条件のひとつが、ボーナス払いの割合をどうするかということです。ボーナス払いを上限いっぱい利用して月々の支払いを抑えるか、ボーナス払いを0%にして、毎月平坦な返済額で返済を続けるかは、多くの方が悩むところでしょう。
 
そこでここでは、住宅ローンにおけるボーナス払いの割合を考えるときに知っておきたいことをまとめました。ボーナス払いの割合とはなにか、割合が変わると返済額はどう変わるのか、ボーナス払いの割合を決めるときの注意点など基本的なことを紹介していますので、参考にしてください。
FINANCIAL FIELD編集部

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新井智美

監修:新井智美

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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住宅ローンのボーナス払い割合とは?

住宅ローンにおけるボーナス払いの割合とは、住宅ローンの借入総額に対してボーナス払いで返済される金額の割合をいいます。
 
例えば、3000万円の借入額で20%のボーナス払いを設定した場合、ボーナス払い分の金額は600万円です。借入額2400万円/月1回支払いの住宅ローンと、借入額600万円/半年に1回支払いの住宅ローンを並行して支払っている状態をイメージするとわかりやすいのではないでしょうか。
 

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住宅ローンのボーナス払い割合は何割まで?

ボーナス払いの割合は金融機関ごとに上限が定められており、上限を超えない範囲で設定することになります。上限は40~50%としている金融機関がほとんどです。ボーナス払いのみで100%返済するといった方法を選択することはできません。
 

ボーナス払いの割合によって総返済額はどう変わる?

ボーナス払いを併用して返済する場合、ボーナス払いの割合が高いほど、ボーナス月以外の返済額は小さくなります。一方で、元金が減るペースが遅くなる分利息が増え、総支払額は増加します。
 
ボーナス払い割合0%(ボーナス払いなし)、ボーナス払い割合20%、ボーナス払い割合40%の場合について、具体的な数字をみていきましょう。
 
《条件》
借入額:4000万円
返済期間:35年
金利:1.5%(固定金利)
返済方式:元利均等
 
●ボーナス払い割合0%の場合
月々の返済額:約12.3万円
ボーナス月加算額:0円
総返済額:約5144万円(うち利息分1144万円)
 
●ボーナス払い割合20%の場合
月々の返済額:約9.8万円
ボーナス月加算額:14.8万円
総返済額:約5147万円(うち利息分1147万円)
 
●ボーナス払い割合40%の場合
月々の返済額:約7.4万円
ボーナス月加算額:29.5万円
総返済額:約5149万円(うち利息分1149万円)
 
以上の計算結果からも、ボーナス払いを設定すると、割合に応じて月々の返済額と総返済額が変化していることがわかるでしょう。また、ボーナス払いの割合が高くなるほどボーナス月加算額はまとまった金額になるため、負担可能な範囲で割合を設定する必要があります。
 
【関連記事】auじぶん銀行の住宅ローンのメリット・デメリット解説
 

借入後にボーナス払い割合は変更できる?

多くの金融機関で、ボーナス割合の変更を申し込むことができます。すでに設定しているボーナス払いの割合を増減するだけでなく、ボーナス払いなし(0%)、ボーナス払いなしからボーナス払いありなどの変更をすることもできます。変更できる内容は金融機関によって異なるため、借入先金融機関に詳細を確認しましょう。
 
ボーナス払い割合の変更にあたって、再度金融機関および保証会社の審査が必要となる場合があります。この場合、審査を通過できなければ割合の変更は認められません。また、ボーナス払い割合の変更手続きでは、金融機関所定の手数料や収入印紙代がかかる場合があります。申し込む際には、費用についても確認しましょう。
 

割合を変更できないときの選択肢「借り換え」

ボーナス払いの割合0%(ボーナス払いなし)への変更は、申請が通らないことが多いようです。ボーナス払いが負担になっているのにもかかわらず変更が認められないという場合には、ほかの金融機関で借り換えるという方法があります。
 
借り換えをすると、ボーナス払いの割合を含め、新たな条件で住宅ローンを借りることができます。
 
ただし、借り換えにも審査があり、ローンの延滞がある場合は審査に通ることが難しくなります。借り換えを利用する際は、ボーナス払いが難しくなって返済が滞ってしまう前に申し込むことが大切です。
 
【関連記事】auじぶん銀行の住宅ローンに借り換えするメリット・借り換え手順を解説
 

住宅ローンのボーナス払い割合を決める際の注意点

契約をしたときには問題ないようにみえても、支払いをはじめるとボーナス払いが負担に感じられるというケースは少なくありませんボーナス払いの選択を後悔しないよう、ボーナス払い割合を選択する際には、次の3つの注意点を押さえましょう。
 

caution-icon 注意点

1.ボーナス月の加算額が家計の収支に合っているかを考える
 
2.ボーナスが変動しても負担できるかどうかを考える
 
3.ライフステージが変化した際に負担が大きすぎないかを考える

 
以下でそれぞれみていきましょう。
 

ボーナス月の加算額が家計の収支に合っているかを考える

ボーナス払いの割合を高く設定するほど、ボーナス月の加算額は大きくなります。ボーナスの使い道が住宅ローンだけの場合は、ボーナスの見込み額の範囲内であれば、ある程度大きな加算額になってもさほど問題はないでしょう。
 
しかし、多くの家庭では、家電製品などの買い換え費用や冠婚葬祭費など、固定費以外のまとまった出費に備えたり、教育資金に充てたりと、住宅ローン以外の用途にもボーナスを使う場合が多いでしょう。
 
ボーナス払いの割合を高く設定しすぎると、住宅ローンに割く金額が大きくなりすぎてしまい、収支のつじつまが合わなくなってしまう可能性があります。ほかの用途に充てる余裕を考えて割合を決めましょう。
 

ボーナスが変動しても負担できるかどうかを考える

ボーナス払いには、月々の返済額を抑えることができるというメリットがある一方で、「ボーナスの変動によって負担が大きくなる可能性がある」という、無視できないデメリットもあります。
 
ボーナスは支払いを確約されているものではなく、経済の状況や会社の業績、転職などの事情に左右されます。支給額の減少や無支給の可能性があるものだということを頭において、ボーナスが変動しても負担できる割合を検討するべきです。
 
株式会社MFSの調査では、新型コロナウイルスによる経済への影響を受けてボーナス払いについて専門家や金融機関への相談、借り換えの検討を行った人が、全体の約20%、もっとも多い30代では半数近くにのぼっています。
 
自社は安定している、と思っていても、突発的に業績が悪化することもあるため、十分な注意が必要です。
 

ライフステージが変化した際に負担が大きすぎないかを考える

ボーナス払いの割合を決めるときには、契約した時点だけでなく、将来の生活設計も考慮に入れなければなりません。
 
子どもの教育費や医療費など、ライフステージの移行とともに変化する費用はたくさんあります。将来増える支出も含めて、ボーナスをどれだけ住宅ローンに割けるかシミュレーションすることが大切です。
 
また、住宅ローンの返済期間が定年退職後も続く場合は、ボーナスの支給自体が途絶えてしまいます。現役自体にどれだけ貯蓄できるか、退職金で完済できる見込みがあるかどうかといったことを想定して割合を決めておかなければ、ボーナス払いが難しくなる可能性が高いといえます。
 

返済に無理が出ないボーナス払いの割合をよく検討しましょう

ボーナス払い割合の上限は金融機関ごとに決まっており、多くは40~50%です。この範囲で、無理なく返済を続けていける割合を設定しなければなりません。申し込めば割合を変更することもできますが、再度審査に通る必要があることを覚えておきましょう。
 
ボーナス払いの割合を決めるときには、現在の家計で支払えるかどうかはもちろん、ボーナスの支給状況が変わった場合や将来支出が増えた場合にも支払っていけるかどうかをよく検討することが大切なポイントです。さまざまな状況を想定してシミュレーションし、無理のない適切なボーナス払い割合を設定しましょう。
 
出典 PR TIMES 株式会社MFS 「新型コロナウイルスによる、住宅ローンボーナス返済への影響」に関するアンケート調査」
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
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