最終更新日:2019.01.08 公開日:2017.07.15
資産運用

〈柴沼投資塾〉時事ネタ編⑥ 今、買うより利益確定?

最近、相場が膠着状態です。米国の金利の引き上げを決めるFOMC(米国連邦準備制度理事会)の利上げ決定かという不透明感は払拭され、フランスの大統領選挙は無事通過し、イタリアの選挙までは時間があり、ロシアゲートや、北朝鮮・イスラム国への軍事介入をほのめかすトランプ大統領の言動も沈静化しています。株価の行方を直接的に占う決算発表にはまだ時間がある。つまり相場を動かす材料が何もありません。こんな時ってどうすればいいんでしょうか?またこれ以上の上昇エネルギーも実感できない中、日米株式市場はじわりと史上最高値を更新してはいるものの、方向感が見えづらいですね。利益確定をしてとりあえず現金化のタイミングでしょうか?こんな声にお応えしたいと思います。
柴沼直美

執筆者:

Text:柴沼直美(しばぬま なおみ)

CFP(R)認定者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士
日本証券アナリスト協会検定会員、MBA(ファイナンス)
キャリアコンサルタント、キャリプリ&マネー代表
大学を卒業後、日本生命保険に入社。保険営業に従事したのち渡米。米国アリゾナ州、Thunderbird School of Global ManagementにてMBAを修得。帰国後外資系証券会社、投資顧問会社にてアナリスト、日本株ファンドマネジャーを経験。出産・母親の介護を機に退職。三人の子育ての中で、仕事と主婦業の両立を図るべく独立。キャリアカウンセラー、CFPの資格を活かしつつ、それぞれのライフステージでのお金との付き合い方を、セミナーや個別相談により紹介。子どもの教育費・留学費から介護に至るまで経験を交えた実行可能な幅広いストライクゾーンで対応。
http://www.caripri.com

詳細はこちら
柴沼直美

執筆者:

Text:柴沼直美(しばぬま なおみ)

CFP(R)認定者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士
日本証券アナリスト協会検定会員、MBA(ファイナンス)
キャリアコンサルタント、キャリプリ&マネー代表
大学を卒業後、日本生命保険に入社。保険営業に従事したのち渡米。米国アリゾナ州、Thunderbird School of Global ManagementにてMBAを修得。帰国後外資系証券会社、投資顧問会社にてアナリスト、日本株ファンドマネジャーを経験。出産・母親の介護を機に退職。三人の子育ての中で、仕事と主婦業の両立を図るべく独立。キャリアカウンセラー、CFPの資格を活かしつつ、それぞれのライフステージでのお金との付き合い方を、セミナーや個別相談により紹介。子どもの教育費・留学費から介護に至るまで経験を交えた実行可能な幅広いストライクゾーンで対応。
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方向感が出ない理由を冷静に考えよう

金融相場を短期的かつ直接的に動かす原動力は企業収益の行方です。長期的かつトレンドとして見守っていくべきなのは経済指標です。このうち前者については、スケジュールとして今は端境期なのですから長期的なトレンドを見極めてみましょう。前回もご紹介した通り、政治イベントもないし、米国での景気指標は確かにOKかもしれないけれど、小売売上高や住宅着工など、力強さに疑問符がつくようなものも散見されます。それ所以に、米国金融当局は積極的な利上げに踏み切れません。GDPで世界の4分の1を占める超大国米国の景気の方向性に確信が持てないため、投資家は「米国と比べた」相対的な距離感をほかの国の株式や債券に対してつかむことができずに立ち位置が確定できていないのです。

今の景気指標をまとめると、「力強い雇用統計」対「力不足な物価指標」になっています。これは需要が減少しているというよりも、供給過剰になっていることによるものと考えられます。その最たるものが原油相場。アラブ諸国の減産合意以上に米国のシェールオイルによる供給が増加しているために価格に下押し圧力がかかっています。

 

図_資産運用1

 

相場の動きから牽引役を探すと:いずれも一服

昨年11月のトランプ新大統領誕生をきっかけとした上げ相場での主役は、インフラ関連銘柄でした。キャタピラーの株価は2016年11月10日の93ドルから2017年4月24日まで103ドルまで上昇しました。年があけて、大統領の求心力の低下とともに公約の実効性に懐疑的な見方が広がると、投資家は新たなテーマを探します。先進国の主要テーマである「少子高齢化=人手不足=人工知能による労働力の代替」から、AI関連に主役が交代しました。グーグルの親会社であるアルファベットの株価は、4月13日の840ドルから6月5日の1,003ドルまで大幅上昇を演じました。4月を境に完全に主役が交代したように見えます。

その後凪の状態が続き、相場全体で主役を演じてきた銘柄たちも、ミッション・コンプリート(役割完遂)と言う感じで落ち着いています。銘柄に感情があるわけではありませんが、売り買いの目安となるPER(株価収益率:利益の何倍まで株に投資するか。この倍率が高いと、株価は将来の上昇が期待されて人気が集まっていることを示します)が通常は達成感到達と投資家が考える20倍を上回って買い上げられているため、ここで投資をしてもさらなる上昇は期待できない、すなわち収益は獲得できないと思って新たな買いがはいらないのです。

図_資産運用2_キャタピラーの株価

 

図_資産運用3_アルファベッドの株価

 

凪の時ほど、次の動きに備える

これらの理由から「今は利益確定のタイミングだから」といって膠着状態の金融資産を売却したクライアントに、筆者は逆に尋ねます、「ではその利益確定したお金は冷蔵庫にストックしておくのですか?」

膠着状態があるということは、その先には相場がどちらかの方向に向かうエネルギーが溜まっているということです。ものごとは、みんなが「そうだ!そうだ!景気がいい!」と言っているときは、往々にして過大評価されているために相場は第四コーナーを回っているものです。「よくわからない」といぶかしく思っているときに投資する人が一番大きく収益を獲得することができます。

ではどうするか?ですが、時間軸を長めにとる。すなわち「長期トレンド」が上を向いている資産に注目します。この方向感がわからないときこそ、長い目で見て収益があがりそうだと判断できるもの、たとえば個別株であればROEが10%以上の銘柄、投資信託であれば予想GDP成長率が過去3年平均値を上回っている国や地域のもの(新聞に掲載されるIMFの発表数値でわかります)に資金を移すタイミングです。そのようにして準備した資金は、政治的なイベントやある企業のスキャンダルが発覚したときなど、経済成長には直接影響を及ぼさない理由で一時的にショック状態に陥って下げたタイミングに、買いの好機として利用しましょう。

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