2018.09.26 家計

2018年「103万円以下」から「150万円以下」に変更されたが、パート主婦を悩ます厚生年金加入要件がまた変わる?

2018年8月下旬、厚生労働省が、パートで働く場合の厚生年金の加入要件について月収8.8万円から6.8万円に引き下げることを検討していると報道されました。
 
税金面では、2018年1月から配偶者控除を受けられる年収が「103万円以下」から「150万円以下」に変更になったばかり。社会保障面では「130万円の壁」、「106万円の壁」がありますが、今回、社会保障に関して女性の働き方に影響する制度改正の動きが見えてきました。
 

厚生年金に加入できるのはどんな人?

夫がサラリーマンで妻がパートの場合、妻の年収が130万円以上になると、夫の扶養を外れて社会保険料(健康保険料や年金保険料)を自分で払う必要があります。これがいわゆる「130万円の壁」といわれるものです。
 
パート主婦の勤務先が厚生年金の適用される事業所でしたら、正社員と比較して、1週間の所定労働時間が4分の3以上、1月の労働日数が4分の3以上あったら厚生年金に加入できます。そうすると、社会保険料の半分は会社が払ってくれて、自分で残りの半分を負担するということになります。
 

「106万円の壁」とは?

さらに、2016年10月からは下記の全てに当てはまる場合、より短時間で働く人も厚生年金に加入できるようになりました。
 
・1週間の所定労働時間が20時間以上
・1年以上働くことが見込まれること
・賃金が月額88,000円以上であること
・従業員数が500人を超える企業で働いていること
※2017年4月からは500人以下の企業でも労使合意があれば加入可能に)
・学生でないこと
 
月額88,000円を年収にすると約106万円であることから、新たに「106万円の壁」ができたといわれました。今回、この月収の加入要件を68,000円に引き下げることが検討されているのです。月額68,000円を年収にすると約82万円になるので「82万円の壁」といわれることになるのでしょうか。
 

パート主婦はどちらを選択するのか

「106万円の壁」が検討された時には、社会保険料の負担が増える企業側からの反対が強かったようです。パート主婦も、働く時間を減らして社会保険料の自己負担を避ける動きになるのでは? といわれていましたが、実際には2018年3月時点で、厚生労働省の予想の25万人を超える約38万人が厚生年金に加入したのです。
 
厚生年金に加入すると手取り額が減ってしまうものの、将来の年金額が増えるというメリット等を考慮してのことと思われます。パートで働く方は、今後加入要件の金額は変わるのか、今回の改正は見送られるのか、行方を見守る必要がありそうです。
 
Text:福島佳奈美(ふくしま かなみ)
DCアドバイザー

福島佳奈美

Text:福島佳奈美(ふくしま かなみ)

DCアドバイザー

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、ふくしまライフプランニングオフィス代表
大学卒業後、情報システム会社で金融系SE(システムエンジニア)として勤務し、出産を機に退社。子育て中の2006年にファイナンシャルプランナー(CFP®)資格を取得する。その後、教育費や保険・家計見直しなどのセミナー講師、幅広いテーマでのマネーコラム執筆、個人相談などを中心に、活動を行っている。女性のためのライフプランニングを得意とする独立系FP。 http://kakeifp.com/

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