2022年上半期、食費はどのくらい増えた? 下半期はどうなる?
配信日: 2022.10.31 更新日: 2024.10.10
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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2022年上半期の食費はいくら?
総務省統計局「家計調査報告(二人以上の世帯)」によれば、2022年上半期の食料品目における消費金額は以下の通りです。
2022年1月:7万5974円
2022年2月:7万1655円
2022年3月:7万9982円
2022年4月:7万7014円
2022年5月:8万2066円
2022年6月:7万8160円
この統計によれば、5月にやや数字の飛躍はみられますが、金額的にはほぼ横ばいか少し上昇傾向という結果となっています。ただ、総務省が10月21日に公表した「2020年基準 消費者物価指数」によると、2022年上半期の食料品関連の物価は上昇傾向にあります。
2020年の食料品物価を100とした場合、2022年上半期の食料品物価はおおむね102~104を記録しており、食料品関連の物価上昇率は顕著です。それにもかかわらず、家計に占める食費の金額がこの半年でそこまで変わっていないのはなぜなのでしょうか。
食料品の価格と円安
食料自給率が低い日本は、食料品の多くを外国からの輸入品に頼っている現状があります。そのため、食料品の価格は円相場の影響を受けやすいといえます。
2022年は円相場が大きく円安に振れましたが、2022年の1月・2月の段階では、まだそこまで極端な円安ではありませんでした。大幅な円安に振れたのは2022年の4月・5月頃であったため、上半期全体としては、円安の影響は限定的な範囲にとどまったとみることができます。
実際、同じ「家計収支報告(二人以上の世帯)」の7月・8月における食料品消費金額をみると、7月は8万2750円、8万5949円とかなりの上昇傾向がみられます。
上半期においては価格を据え置きする食料品も多くありましたが、下半期にかけてはそうした据え置きが限界を迎え、値上げに踏み切る企業も増えてくる状況が考えられます。そのため、2022年の下半期は食料品関連の消費金額がさらに増えているものと予想されます。ちなみに、2022年9~11月値上げの主な品目は以下のとおりです。
<2022年9月に値上げした主な品目>
缶詰、マーガリン・チーズ、カレールウ・レトルト製品・パスタソース、コーヒー、輸入ワイン、チョコレート・スナック菓子など菓子類、アイスクリーム
<2022年10月に値上げした主な品目>
ハム・ソーセージ、調味料、チーズ、清涼飲料水、コーヒー、ビールなど酒類、スナック菓子など菓子類
<2022年11月に値上げ予定の主な品目>
即席みそ汁、焼き肉のたれ、ジャム、牛乳・ヨーグルト、日本酒など酒類、スナック菓子など菓子類
また、大手外食チェーン店の多くが2022年9~11月からの値上げを発表しています。
新型コロナウイルスの影響が食費にも関係している
食費に関する消費行動としては、2020年以来続くコロナの影響を指摘する声も少なくありません。総務省の家計調査では「新型コロナウイルス感染症により消費行動に大きな影響がみられた主な品目など」を公表しています。それによれば、食料品の消費分野では、新型コロナウイルス感染症の影響がない2019年と比較して、食事代や飲酒代が大きく減少しています。
これに対して、冷凍調理食品に関連する消費の上昇幅は、2022年の上半期を通じて顕著です。すなわち、コロナ禍の巣ごもり消費によって、外食が減った代わりに自宅で調理して食事をする機会が増えたことが示されています。こうした影響も2022年上半期の食費動向に関係していると考えられます。
2022年上半期はそこまで食費は増えていない。今後の動向に注目!
2022年の上半期は、そこまで食費が増えたとはいえません。しかし、今後は円安の影響や新型コロナウイルスの感染状況次第では、家計支出に占める食費の金額は大幅に増えることも予想されます。
特に円安の影響は食料品価格に反映されやすく、実際に2022年の7月や8月の食費はすでに増え始めています。また、新型コロナウイルスが落ち着けば、外食や飲酒が増えて食費自体は増大するかもしれません。食費以外の支出も含めて、今後の動向が注目されます。
出典
総務省統計局 家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 月次報告
総務省2020年基準 消費者物価指数 全国 2022年(令和4年)9月分(2022年10月21日公表)
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部