更新日: 2024.04.30 働き方

職場は「土日祝」が休日ですが、上司に「今年のゴールデンウィークは出勤してくれ」と言われました。休むと「有休扱い」になるそうですが、出勤拒否はできますか? もう予定を入れてしまいました…

職場は「土日祝」が休日ですが、上司に「今年のゴールデンウィークは出勤してくれ」と言われました。休むと「有休扱い」になるそうですが、出勤拒否はできますか? もう予定を入れてしまいました…
2024年のゴールデンウィークは長ければ10連休という人もいるでしょう。しかし、会社の都合で「ゴールデンウィークに出勤してほしい」と言われることもあるかもしれません。この場合は出勤を拒否することはできるのでしょうか?
 
また、「出勤できない場合は有給消化にする」などと言われている場合、会社が勝手に有給日を決めることができるのかも気になるところです。
 
そこで本記事では、「ゴールデンウィークに会社都合で出勤を命じられた場合に拒否することができるのか」について解説すると共に、出勤できない場合に勝手に有給消化をされることが拒否できるのかについても紹介していきます。
FINANCIAL FIELD編集部

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「所定休日」と「法定休日」とは?

休日は使用者(会社側)が労働者に必ず与えられるように法律で定められています。それによると、休日とは週に少なくとも1日以上、4週間に4日以上与えることが必要です。これが「法定休日」です。もし、使用者が法定休日に労働させる場合はあらかじめ「36協定(労働基準法第36条に基づく労使協定)」を締結していなければいけません。
 
また、1日8時間以上、週40時間以上の労働は認められていないので、法定休日とは別に休日を設けることで一週間の労働時間を短縮している企業が多いです。これが「所定休日」です。
 
土曜日と日曜日、ゴールデンウィークのような祝日を休日としている企業が多いですが、この場合は所定休日についての雇用契約や就業規則が定められていると考えられます。
 

休日出勤を命じられた場合は拒否できる?

会社に休日出勤を命じられた際でも、拒否できる場合があります。例えば、使用者が36協定を締結していない場合です。休日出勤は時間外労働となるので36協定の締結が必要となります。
 
また、36協定を締結していたとしても、協定の指針第2条に「時間外労働・休日労働は必要最小限におさえる」ように記載されています。事例のようにゴールデンウィークに出勤を命じることが必要最低限でない場合は出勤を拒否できると言えるでしょう。
 
さらに、雇用契約書や就業規則に休日出勤についての明記がない場合は、使用者は休日出勤を強制できません。事例では「土日祝日が休日」となっているので、ゴールデンウィークに出勤することは雇用契約書や就業規則に明記がない場合、出勤を命じることはできないと考えられます。そのため、ゴールデンウィークの出勤を拒否することも可能です。
 

ゴールデンウィークに休むことが有給扱いになることを拒否できるのか?

ゴールデンウィークに出勤することを拒否したとしても、それを有給消化に充てられることは認められるのでしょうか? そもそも有給休暇は労働者に与えられた権利なので、使用者が勝手に消化することは許されません。
 
そのため、この場合も有給休暇の消化を拒否することができます。もっとも、毎年5日間は有給休暇を取得することが義務付けられているので、労働者が5日間の有給休暇を消化できていない場合は「使用者による時季指定」によって使用者は有給休暇の取得を指定することが可能です。この場合も、使用者は労働者の意見を尊重する必要があります。
 

休日出勤について双方が納得できるように話し合いましょう

土日祝日が休日の企業で、雇用契約書や就業規則に休日出勤についての記載が明記されていない場合は、ゴールデンウィークに会社都合で出勤を命じることは認められません。この場合、労働者は出勤命令を拒否することができます。
 
また、ゴールデンウィークに休む場合に有給消化として対応されることも、基本的には認められないことになります。
 
休日は労働者に与えられる権利です。会社にも都合があると思いますが、まずは双方が納得できるように話し合いましょう。
 

出典

厚生労働省 山梨労働局 休日?・・・法定休日?
厚生労働省 36協定で定める時間外労働及び休日労働について留意すべき事項に関する指針
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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