夫婦ともに40代、貯金は「1000万円」あります。妻は「子どもの大学費用を優先したい」と言いますが、老後資金も気になります。今ある貯金はどう分けて考えるべきでしょうか?
大切なのは、「教育費か老後資金か」の二択にするのではなく、今ある1000万円を目的別に整理することです。
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1000万円すべてを大学費用にするのは慎重に考える
子どもの大学費用を優先したいと考えても、現在の貯金をすべて教育費として確保するのは慎重に考えましょう。
病気やけが、家電の故障、住宅や車の修理など、生活では予定外の支出が発生します。そのため、教育費とは別に、すぐ使える生活予備資金も残しておく必要があります。
たとえば、貯金1000万円のうち、まず生活予備資金を確保し、残りを「数年後に必要な教育費」と「長期間使う予定のない老後資金」に分ける方法があります。
必要な生活予備資金は、毎月の生活費や働き方によって異なります。仮に生活費が月30万円で6ヶ月分を確保するなら180万円です。
1000万円-180万円=820万円
この場合、残った820万円を教育費と老後資金に分けて考えられます。金額を機械的に3等分するのではなく、「いつ、いくら必要なのか」を先に確認することがポイントです。
大学費用は進学先によって大きく変わる
教育費を確保するには、まず大学進学にいくらかかりそうか見積もりましょう。
文部科学省によると、令和7年度の私立大学における初年度学生納付金等の平均は150万7647円です。この金額には授業料や入学料、施設設備費、実験実習料などが含まれています。
初年度だけでもまとまったお金が必要になるため、子どもの大学進学が数年後なら、その時期までに使う予定の資金は分けて管理しておくと安心です。
また、大学費用は授業料だけではありません。自宅から通えない場合は家賃や生活費、引っ越し費用などが必要になることもあります。
「国公立を希望しているから大丈夫」と考えていても、受験結果によって進学先が変わる可能性があります。複数の進路を想定して準備しておくと、直前になって資金が足りなくなるリスクを減らせます。
なお、一定の要件を満たす家庭では、高等教育の修学支援新制度を利用できる可能性があります。令和7年度からは、扶養する子どもが3人以上の多子世帯の学生について、所得制限なく一定額まで授業料・入学金の減免対象となっています。
利用できる制度も確認したうえで、家庭で準備すべき教育費を考えましょう。
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老後資金は「教育費が終わってから」ではなく今から準備する
教育費を優先するあまり、老後資金をまったく準備しないのも注意が必要です。
40代であれば、65歳まで20年前後ある人もいます。老後まで時間があるからこそ、少額ずつでも長期間かけて準備できます。
老後に必要な金額は家庭によって大きく異なります。総務省の「家計調査」によると、2025年の65歳以上の夫婦のみの無職世帯では、1ヶ月の実収入は平均25万4395円、消費支出は平均26万3979円でした。税金や社会保険料などを差し引いた可処分所得は22万1544円で、消費支出との差は月4万2435円となっています。
ただし、これらはあくまで平均値です。平均額がそのまま自分たちに必要な老後資金になるわけではありません。
持ち家か賃貸か、住宅ローンがいつ終わるか、退職金があるか、将来どの程度の年金を受け取れるかによって必要額は変わります。
まず「ねんきん定期便」でこれまでの加入実績を確認し、「ねんきんネット」などで将来の年金見込額を試算したうえで、退職後の生活費を想定して不足額を考えるとよいでしょう。
教育費として数年以内に使うお金と、老後まで長期間使わないお金では、適した管理方法も異なります。教育費は必要な時期に不足しないことを重視し、老後資金は利用までの期間を踏まえて準備していくことが大切です。
貯金1000万円は「生活予備資金・教育費・老後資金」に分けて考えよう
40代夫婦で貯金が1000万円ある場合、「大学費用に○万円、老後に○万円」と最初から固定する必要はありません。
まず生活予備資金を確保します。次に、子どもの年齢や希望する進路から、大学進学までに必要な金額を見積もりましょう。残った資金と今後の毎月の貯蓄から、老後資金を準備していきます。
特に教育費には「大学入学」という比較的明確な期限があります。一方、老後資金は40代から長い時間をかけて準備できるのが強みです。
ただし、老後資金をすべて後回しにすると、教育費の負担が終わってから短期間で大きな金額を用意しなければならなくなります。
今ある1000万円を目的別に整理し、今後の収入から教育費と老後資金の両方へ少しずつ積み立てていけば、一方だけを犠牲にせず準備を進めやすくなるでしょう。
出典
文部科学省 私立大学等の令和7年度入学者に係る学生納付金等調査結果について
総務省 家計調査報告 2025年(令和7年)平均結果の概要
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
