更新日: 2023.03.20 年収

【2023年4月~】中小企業の残業代が引き上げ! 変更点や企業・従業員に与える影響を解説

【2023年4月~】中小企業の残業代が引き上げ! 変更点や企業・従業員に与える影響を解説
2023年4月から、中小企業の残業代に対する割増賃金率が引き上げられます。では、具体的にどのように割増率が変わるのでしょうか。
 
本記事では、中小企業の残業代に対する割増賃金率の改定内容を解説します。改定が企業や従業員に与える影響についても紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

2023年3月末までの割増賃金率

2023年3月末までは、時間外労働に対する割増賃金率が大企業と中小企業で、図表1のとおり異なります。
 
図表1 2023年3月末までの時間外労働に対する割増賃金率
 

1ヶ月の時間外労働
(1日8時間・1週40時間を超える労働)
60時間以下 60時間超
大企業 25% 50%
中小企業 25% 25%

 
厚生労働省、中小企業庁 「中小企業の事業主の皆さまへ 2023年4月1日から月60時間を超える時間外労働の割増賃金率が引き上げられます」を基に筆者作成
 
大企業では月60時間を超える時間外労働をすると50%の割増賃金がもらえるのに対して、中小企業は25%しか割増賃金をもらえません。そのため、基本給が同じ会社員が月60時間を超える時間外労働をすると、大企業か中小企業かでもらえる給与に差が出ていました。
 
ただでさえ、大企業のほうが中小企業よりも給与水準が高い傾向にあるため、残業時間に対する割増賃金率にも差があっては、賃金格差はますます広がってしまいます。
 

公式サイトで申し込み

【PR】みずほ銀行カードローン

mizuho

おすすめポイント

・<金利年2.0%~14.0%
・ご利用限度額は10万円から最大800万円
・さらに入会金・年会費は無料!24時間、WEB申込受付中!

融資上限額 金利 審査時間
最大800万円 年2.0%~14.0%※1 最短当日
融資まで 来店 収入証明書
最短当日 - ※2
※1 住宅ローンのご利用で、本カードローンの金利を年0.5%引き下げます。引き下げ適用後の金利は年1.5%~13.5%です。 ※2 ご希望のご利用限度額が50万円以下の場合は不要です。 ※2 学生は20歳以上で安定収入がある方に限る

2023年4月からの割増賃金率

2023年4月からは、大企業と中小企業による割増賃金率の差はなくなります。改定後の時間外労働に対する割増賃金率は以下のとおりです。
 
図表2 2023年4月からの時間外労働に対する割増賃金率
 

1ヶ月の時間外労働
(1日8時間・1週40時間を超える労働)
60時間以下 60時間超
大企業 25% 50%
中小企業 25% 50%(改定前は25%)

 
厚生労働省、中小企業庁「中小企業の事業主の皆さまへ 2023年4月1日から月60時間を超える時間外労働の割増賃金率が引き上げられます」を基に筆者作成
 
2023年4月以降、基本給が同じ社員であれば大企業でも中小企業でも残業に対する割増賃金は同じです。
 

改定が企業や従業員に与える影響

2023年4月の時間外労働に対する割増賃金の改定は、従業員や企業にどのような影響を与えるのでしょうか。
 
中小企業勤務で月60時間以上の時間外労働をする人は割増賃金率が増えるため、単純に考えると給与が増えます。しかし、給与を支払うのは国ではなく企業です。企業は事業で出た利益を源泉に従業員に給与を支払います。残業代に対する制度が変わっても、いきなり事業の利益が増えるわけではありません。
 
企業としては、今まで以上の残業代支払いを避けるためにできるだけ従業員に残業をさせたくないのが本音でしょう。すると、従業員に対してどうにか残業時間を減らすように指示が入り、従業員は時間内でのさらなるハードワークを強いられるかもしれません。
 
もちろん、企業によって考え方はそれぞれですが、残業代の割増賃金率が上がるからといって、必ずしも単純に給与が上がるだけではないことに注意が必要です。
 

無理のない働き方をしよう

今回の改定で月60時間以上の残業代に対する割増率が改定となりましたが、そもそも1ヶ月に通常認められる時間外労働は45時間までです。
 
月60時間超の時間外労働が多い職場は、労働環境が悪いといえます。収入も大切ですが、それ以上に健康も大切です。
 
現在は転職を支援するサービスも増えています。長時間労働が慢性化していて不満を抱えている人は、転職も検討してみてもいいかもしれません。
 

出典

厚生労働省、中小企業庁 中小企業の事業主の皆さまへ 2023年4月1日から月60時間を超える時間外労働の割増賃金率が引き上げられます

厚生労働省、都道府県労働局、労働基準監督署 時間外労働の上限規制 わかりやすい解説

 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部