2018.10.17 相続

相続税の控除額はもう増やせないの?いやいや出来ますよ!賢く節税する方法はこの3つ。

平成27年に相続税の基礎控除額が変更となり、相続税の課税件数は一気に増加しました。
 
相続税の基礎控除は相続税法で算出法が決まっており、増やすことはできないと思っていませんか。ここでは、相続税の控除額を増やす「安全確実な節税対策方法」をいくつかご紹介します。
 

その1 《法定相続人を増やす(養子縁組)》

相続税の基礎控除額=3000万円+600万円×法定相続人の数
 
上記の計算式から分かるように、法定相続人が多いと控除額が大きくなります。高齢の方が子どもを増やすというのは、現実的ではありませんが、養子を迎えることで法定相続人を増やすことができます。孫を養子にする「孫養子」が代表例です。
 
ただし、何人でも増やせるわけではなく、実子がいる場合は1人、実子がいない場合は2人まで、基礎控除を計算する場合の法定相続人の数に加えることができます。
 
養子1人で600万円、養子2人で1200万円相続税の控除額が増えることになります。
 
「節税のために養子とすることは有効なのか」が争点となった裁判においては、最高裁判決は「節税目的の養子縁組でも直ちに無効とはいえない」との初判断を示しました。(平成29年1月31日)
最高裁の判例で有効と判断されましたので、今後節税対策の養子は増えるものと見込まれます。
 

その2《生命保険を活用》

生命保険の死亡保険金は、受取人固有の財産となり相続財産ではありませんが、相続税法上は「みなし相続財産」として相続税の課税対象になります。
 
そして、相続人が受け取った生命保険金に対し「500万円×法定相続人の数」が非課税となります。現金から保険金に形を変えることで、非課税枠が増えるのです。
 
一時払い終身保険などに加入することで、節税効果が期待できます。さらに、死亡保険金は契約者が受取人を指定しますので、相続手続きも不要で受け取りが簡単です。
 
例えば、不動産を相続した相続人が、他の相続人に代償金を支払う場合の資金にすることもできますから、非常に使い勝手のよい「安全確実な節税対策方法」です。
 

その3《死亡退職金・弔慰金》

死亡退職金も生命保険と同様「みなし相続財産」として「500万円×法定相続人の数」の非課税枠があります。
 
また、死亡退職金と別に弔慰金についても「普通給与(役員の場合は報酬月額)の6カ月分(業務上の死亡では36カ月分)」」の非課税枠があります。
 
ですから、死亡退職金だけでなく弔慰金を設定する(2つの名目に分ける)ことで、相続税の控除額を増やすことができます。さらに、死亡退職金と弔慰金を分けて支給することで、会社側の経理上も損金算入額が大きくなり税務上有利です。
 
例)法定相続人:3人 最終報酬月額:100万円 経営者の業務上の死亡
  会社から遺族に7000万円支給する場合
 
 退職金にかかる控除額=500万円×3人=1500万円
 弔慰金にかかる控除額=100万円×36カ月=3600万円
 
 ・死亡退職金と弔慰金を別支給する場合 
  7000万円-(1500万円+3600万円)=1900万円(1900万円に相続税課税となる)
 
 ・弔慰金部分も死亡退職金として支給する場合
  7000万円-1500万円=5500万円(5500万円に相続税課税となる)
 
特に会社の役員の方などは、死亡退職金と弔慰金を分けることで大きな節税効果があります。ただし、死亡退職金と弔慰金を別支給するためには、支給規定が必要ですので、従業員退職金規定・役員退職金規定などに弔慰金の支給規定を定める必要があります。
 
以上のような手法で相続税の控除額を増やすことが可能です。利用できる制度はうまく活用して節税しましょう。
 
また、節税対策を設計する際は、当然相続後の財産をどのように分配するかの検討もしますので、トラブルのない円満な相続につながるはずです。
 
Text:宿輪 德幸(しゅくわ のりゆき)
AFP認定者、行政書士

宿輪 德幸

Text:宿輪 德幸(しゅくわ のりゆき)

AFP認定者、行政書士

宅地建物取引士試験合格者、損害保険代理店特級資格、自動車整備士3級
相続専門の行政書士、FP事務所です。書類の作成だけでなく、FPの知識を生かしトータルなアドバイスをご提供。特に資産活用、相続トラブル予防のため積極的に「民事信託(家族信託)」を取り扱い、長崎県では先駆的存在となっている。
また、離れて住む親御さんの認知症対策、相続対策をご心配の方のために、Web会議室を設置。
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