夫が「貯金が1000万円あるなら、生命保険はもういらないんじゃない?」と言っています。子どもがいる家庭でも、十分な貯蓄があれば死亡保障は減らしてよいのでしょうか?
ただし、子どもがいる家庭では、貯金額だけで生命保険が必要かどうかを判断するのはおすすめできません。今後必要になる生活費や教育費、公的保障などを確認したうえで考える必要があります。
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貯金1000万円があっても生命保険が不要とは限らない
死亡保障を考える際に重要なのは、「現在いくら持っているか」だけではなく、家族に今後いくら必要になるかです。
たとえば、夫婦と小学生の子ども1人の家庭で、主に夫の収入で生活しているとします。この場合、夫が亡くなると、残された妻と子どもの生活費や教育費を長期間にわたって準備しなければならない可能性があります。
貯金が1000万円あっても、そこから毎年200万円ずつ生活費などを補えば、単純計算では5年でなくなります。さらに大学進学などでまとまった教育費が必要になれば、減るペースは速くなるでしょう。
金融庁の「基礎から学べる金融ガイド」でも、必要な保障額について、もしものときに必要な額から、現在の資産や将来の収入を差し引いて考える方法が示されています。
つまり、「1000万円あるから保険はいらない」ではなく、将来の支出と収入を比べて不足する金額を確認することが重要です。
夫が亡くなった場合は遺族年金を受け取れる可能性がある
万一の際に頼れるのは、生命保険と貯金だけではありません。条件を満たせば、公的な遺族年金を受け取れる可能性があります。
日本年金機構によると、遺族基礎年金は、一定の要件を満たす「子のある配偶者」や「子」が対象です。令和8年度の場合、昭和31年4月2日以後生まれの子のある配偶者が受け取る基本額は年84万7300円で、さらに子の人数に応じた加算があります。
たとえば、対象となる子どもが1人なら、年額は基本額84万7300円に子の加算額24万3800円を加えた109万1100円です。会社員など厚生年金に加入していた人が亡くなった場合には、条件を満たせば遺族厚生年金も受給できます。
ただし、受給できる年金や金額は、家族構成や亡くなった人の加入状況などで変わります。そのため、生命保険の保障額を減らす前に、万一の場合に受け取れる公的保障を確認しましょう。
子どもの成長に合わせて死亡保障を減らす方法もある
死亡保障は、一度決めた金額をずっと維持しなければならないものではありません。
一般的には、子どもが小さい時期ほど、将来必要となる生活費や教育費が多く残っています。一方、子どもが成長して独立までの期間が短くなれば、必要となるお金は少なくなります。
たとえば、子どもが3歳の家庭と20歳の家庭では、親に万一のことがあった場合に今後必要となる教育費や生活費は大きく異なるでしょう。
さらに、貯金が増えれば、その分を万一に備える資金として利用できます。住宅ローンを組んでいて団体信用生命保険に加入している場合は、死亡時に住宅ローン残高がなくなるケースもあります。
このように、貯蓄、公的保障、配偶者の収入、住宅ローンなどを確認すると、以前ほど大きな死亡保障が必要ではなくなっている可能性があります。保険料の負担が大きい場合は、死亡保障を減額する、不要な特約を外すなどの見直しも選択肢になるでしょう。
貯金額だけで判断せず「万一の不足額」から死亡保障を決めよう
貯金が1000万円あれば、万一に備える大きな力になります。そのため、貯蓄が少なかった頃と同じ死亡保障を続ける必要がない家庭もあるでしょう。
ただし、子どもがいる家庭では、1000万円という金額だけを理由に生命保険をすべて解約するのは慎重に考える必要があります。
まず、夫が亡くなった後の生活費や教育費などを見積もります。そこから、貯金、遺族年金、配偶者の収入などで賄える金額を差し引きましょう。それでも不足する金額が、生命保険で備える金額を考える一つの目安になります。
子どもの成長や貯蓄の増加によって必要保障額は変わります。現在の家計に合わせて定期的に見直せば、家族への備えを確保しながら保険料を抑えられる可能性があります。
出典
金融庁 基礎から学べる金融ガイド
日本年金機構 遺族年金の年金額(令和8年度)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
