FPに「団信あるなら生命保険は半分解約して大丈夫」と言われ後悔…実は団信は「死亡・高度障害」しかカバーしない!? 保険料“月2万円”は払い続けるべきでしたか? 注意点を解説

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FPに「団信あるなら生命保険は半分解約して大丈夫」と言われ後悔…実は団信は「死亡・高度障害」しかカバーしない!? 保険料“月2万円”は払い続けるべきでしたか? 注意点を解説
住宅ローンを契約するときに加入する団体信用生命保険(団信)は、契約者に万一のことがあった場合にローン残債が弁済される仕組みです。ファイナンシャル・プランナーから「団信が付いているから生命保険は減額できる」と言われ、保険料の削減に踏み切ろうとする人もいるのではないでしょうか。
 
ただし、団信がカバーするのは原則として「死亡」と「所定の高度障害状態」のみで、病気やけがで働けなくなった場合は対象外です。本記事では、団信と生命保険の重複部分の見直し方と、安易に削ってはいけない保障を解説します。
上野梓

FP2級、日商簿記3級、アロマテラピー検定2級、夫婦カウンセラー、上級心理カウンセラー、整理収納アドバイザー

団信は「死亡・高度障害」しかカバーしない

一般的な団信は、住宅ローン契約者が死亡または所定の高度障害状態になった場合に、保険会社から金融機関へローン残債が支払われ、その後の返済が免除される保険です。残された家族は住居費の負担なくその家に住み続けられます。
 
注意したいのは、「高度障害状態」の条件が非常に厳しいことです。独立行政法人住宅金融支援機構の機構団信では、両眼の視力を全く永久に失った状態、終身常に介護を要する状態など、合計8項目が定められています。
 
「常に介護を要するもの」とは、食事・排せつ・着替え・歩行・入浴のいずれもが自分ではできず、常に他人の介護を要する状態です。
 
つまり、がんで長期療養している、うつ病で休職している、脳梗塞で半身まひになったが片手は動かせる、といったケースは原則として一般団信の対象外です。特約付き団信(がん団信、3大疾病団信など)を別途付けていない限り、ローン返済は続きます。
 

世帯主の死亡保険金は「平均1258万円」。3000万円の団信があれば重複は確かに大きい

公益財団法人生命保険文化センターの「2024(令和6)年度 生命保険に関する全国実態調査<速報版>」によると、2人以上世帯における世帯普通死亡保険金額は平均1936万円、世帯主の加入金額は平均1258万円となっています。世帯年間払込保険料は平均35万3000円(月額約2万9000円)です。
 
仮に毎月2万円(年間24万円)の生命保険料を払っていて、死亡保障が1500万円付いているとします。3000万円の住宅ローンに団信が付帯していれば、世帯主の死亡時には住宅ローン残債がゼロになるため、生活費・教育費の用意としての死亡保障は「住居費を除いた分」で考え直せます。
 
同調査では、世帯主に万一のことがあった場合に必要と考える生活資金(総額)の平均は6283万円ですが、これには住居費も含まれます。団信でローンが消える分、必要保障額から差し引ける部分があるのは事実で、その範囲で死亡保障の減額を検討する余地はあるでしょう。
 

削っていいのは死亡保障の「重複部分」だけ

ただし、ここで気を付けたいのが「団信がカバーしないリスク」です。具体的には次の3つです。
 
1つ目は就業不能リスクです。病気やけがで長期間働けなくなった場合、団信の高度障害には該当しないことが多く、ローン返済は続きます。会社員は健康保険から傷病手当金が最長1年6ヶ月支給されますが、収入の3分の2程度にとどまり、それ以降の保障は途切れます。
 
2つ目は医療費リスクです。団信は入院・手術費用を補償しません。医療保険・がん保険を死亡保障と一緒に解約してしまうと、治療費の自己負担で家計が圧迫されます。
 
3つ目はローン完済後の保障空白です。団信はローン完済とともに終了します。完済時に60代後半であっても、配偶者の生活費や葬儀費用、相続対策のための死亡保障は別途必要です。
 

家族構成別の判断ポイント

夫婦と未就学児がいる世帯では、教育費・生活費の負担が長期にわたるため、死亡保障を大幅に削るのは慎重に判断したいところです。
 
前記の調査では、末子が保育園児・幼稚園児の世帯で世帯主と配偶者を合わせた死亡保険金額が最も高い水準です。死亡保障の減額より、就業不能保険や収入保障保険の追加を優先的に検討するほうが安心でしょう。
 
夫婦のみの共働きで子どもがいない世帯では、死亡保障の必要額は相対的に低めで、団信の効果も大きく、減額余地は比較的広がります。単身世帯ではそもそも大きな死亡保障は不要で、葬儀費用相当を残し、医療保険・就業不能保険を中心に組み直すのが現実的です。
 

まとめ

団信は強力な保障ですが、対象は「死亡」と「厳格な要件を満たす高度障害」のみです。生命保険の死亡保障部分は減額できるケースがある一方、医療保障・就業不能保障・ローン完済後の死亡保障は別の話として残す判断が大切です。
 
「半分解約」とひとくくりにせず、保障の中身を「死亡保障」「医療保障」「就業不能保障」「貯蓄性」に分けて、団信と重複しているのはどこかを確認してから手を付けましょう。
 

出典

公益財団法人生命保険文化センター 2024(令和6)年度 生命保険に関する全国実態調査<速報版>
 
執筆者 : 上野梓
FP2級、日商簿記3級、アロマテラピー検定2級、夫婦カウンセラー、上級心理カウンセラー、整理収納アドバイザー

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