最終更新日:2019.01.08 公開日:2018.05.24
スペシャルインタビュー

シリコンバレースペシャルインタビュー

今後10年で 『車』『家』『店』が変わる! 人間の生活を大きく変えるテクノロジーの進化とは?

Interview Guest : 宮田 拓弥(Scrum Ventures 創業者兼ジェネラルパートナー)

Interview Guest

宮田 拓弥(Scrum Ventures 創業者兼ジェネラルパートナー)

宮田 拓弥(Scrum Ventures 創業者兼ジェネラルパートナー)(みやた たくや)

Scrum Ventures 創業者兼ジェネラルパートナー。サンフランシスコをベースに、米国のテックスタートアップへの投資を行うベンチャーキャピタルを経営。
 
これまでに、Mobility、Fintech、IoT、VR、コマース、ヘルスケアなど50社を超えるスタートアップに投資を実行している。
 
TechCrunchなど国内外のメディア、イベントでの寄稿、講演など多数。それ以前は、日本および米国でソフトウェア、モバイルなどのスタートアップを複数起業。
 
2009年ミクシィのアライアンス担当役員に就任し、その後 mixi America CEO を務める。早稲田大学大学院理工学研究科薄膜材料工学修了。
 

フィンテックとは、金融に関連する新しいテクノロジー。私たちの生活を変える、未来の力です。
 
今回はサンフランシスコ(シリコンバレー)を拠点とするベンチャーキャピタル「Scrum Ventures」の創業者兼ジェネラルパートナー、宮田拓弥さんにお話を伺いました。
 
宮田さんは、アメリカでの起業そして売却経験を持ち、その後mixi America CEO、2013年から現在の会社を経営されています。投資分野は、コマース、ヘルスケア、IoT、フィンテック、VRなど多岐にわたり、日本での講演も多数行われています。
 
フィンテックの最先端を走るシリコンバレーで、数々のスタートアップ投資を実行してきた宮田さんのお話から、フィンテックが私たちの生活をどのように変えていくか、見ていきたいと思います。
 

今後、人々の生活はどのように進化していくと予想されますか?

この10年間はスマートフォンによって、人々の生活が大きく変わりました。これから、私たちの生活を大きく変えていくと思われるものは、主に3つです。
 
1つが車。インターネットとつながる「コネクテッドカ―」と、ボタンを押すとAIで動く「自動運転車」の2つが台頭していきます。
 
また、シリコンバレーでは「Uber」が一般的になりました。Uberはアプリやウェブを利用した配車サービス。一般的なタクシーの配車に加えて、一般人が自家用車を使って他人を運ぶことも可能です。
 
Uberのメリットはタクシーよりも圧倒的に安いこと。また、運転手と顧客がお互いを評価する「相互評価」があるため、危険も少ないと言います。
 
車は所有するものからシェアするものに変わりつつあります。シリコンバレーに限れば、車を持たなくても十分暮らしていける環境です。
 
2つめは家です。家がインターネットとつながる「スマートハウス」。アメリカで一番のシェアを占めているスマートスピーカー(AIスピーカー)が「Amazon Echo」です。すでに5000万台ほどが販売されています。
 
例えば、もし「Amazon Echo」と冷蔵庫が一体となった場合、冷蔵庫を開けて牛乳がなかったら、冷蔵庫に「牛乳買っといて」と言えば、注文されて、Amazon から牛乳が届くようになるでしょう。
 
音声認識の精度が高くなったことで、いろいろなことができるようになりました。
 
3つめは店です。これまでの10年でEコマースが進化しました。
 
「Amazon GO」と言われるAmazonによる未来型の店舗がオープンしました。Amazon GOでは、監視カメラとAIの技術で客が買った商品を識別し、店を出ると自動で決済されるシステムが取り入れられています。
 
レジなし、人なしで、万引きも分かります。これからはこのような自動決済の無人店舗が増えるでしょう。
 
UberにしてもAmazon GOにしても、自動決済がキーになっています。フィンテックの中で決済システムは、注目の分野と言えるでしょう。2020年に向けて、AIによる決済が世の中にいろいろなサービスを生み出すのではないでしょうか。
 

シリコンバレーでは、現在どのようなフィンテックを活用したサービスが生まれているのでしょうか。日本でこれから浸透しそうなサービスはありますか?

個人間の送金サービス「Venmo(ベンモ)」が普及しています。アプリを介して割り勘ができる便利なサービスです。
 
シリコンバレーでは当たり前に利用されていますね。日本でもこのような割り勘アプリは普及の余地があるのではないでしょうか。
 

フィンテックを活用したサービスは今後、人々の生活をどのように変える可能性がありますか?

例えば、今の日本でローンを受けるときに、勤めている会社や収入をベースに融資が決まります。
 
これだけの情報で判断すると、「小さな会社で収入は少ないけど、まじめに返済する能力がある」という人が希望の審査に落ちてしまう可能性があります。
 
これからは、インターネット上の新しいサービスによって、その人の今までの行動履歴や、家計簿情報、銀行取引情報などのデータが貯まり、データによって審査がされるようになります。そうなれば、前述のような人に対しても、適切にローンを実行することができます。
 
これからは、個人個人に合った金融商品を、より適切に提案できる社会になると考えられます。
 

アメリカ・中国に比べて、日本のキャッシュレス化が進んでないのはなぜなのでしょうか。

日本では金融教育が十分でないことに原因があるのではないでしょうか。
 
フィンテックに関しても、日本は5年くらい遅れていると思われます。アメリカ、中国と同じように発展していってほしいと思います。
 

中国もフィンテックを活用したサービスが進んでいますが、シリコンバレーと中国のこの分野における違いは感じますか?

シリコンバレーと中国のフィンテックを活用したサービスには、データの質の違い、プライバシーポリシーの違いを感じます。
 
例えば、中国では国策で国民13億人の顔データを把握しようとしています。それによって顔認証での決済が可能です。一方、日本や欧米はプライバシーの規制でそのようなことはできないでしょう。
 
フィンテックを活用したサービスはデータの質やプライバシーポリシーの違いによって、全く別の形で発展していくのです。この分野の未来を見るなら、アメリカと中国の両方を見る必要があります。
 
また、フィンテックを活用したサービスはその国の生活や文化に根差しています。
 
例えば、アメリカの大学は日本と比べて5~6倍の学費がかかります。それによって、アメリカでは奨学金に苦しむ人が多く、いち早く借り換えローンサービスが発展しました。
 
日本でも、日本の文化に根差した独自のフィンテックを活用しサービスが生まれるかもしれません。
 

AI化などで今大きな変化が訪れていますが、一般ユーザーとしてこの変化にどう向き合うのがよいのでしょうか。

今のインターネットの無料サービスは、多くの場合、自分の個人情報を提供することで利用できます。
 
「情報を提供しなければ便利なサービスを受けられない、とはいえなんでもかんでも提供すると危ない」そのことを理解し、うまく情報を提供することで、ベネフィットを受けることができます。適切に情報を開示していくことが、これからの時代は大切です。
 
フリマアプリで急成長を遂げたサービスのように、個人間の売買が増えると情報開示が重要になります。配車サービスの「Uber」も、運転手と顧客の相互評価があり、評価の悪い人は退場させられます。
 
これからは、「大企業に勤めている=信用がある」という一辺倒な価値観だけではなく、個人の行動や情報がデータとして蓄積され、さまざまな場面で判断される時代がくるのかもしれません。
 
Text:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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シリコンバレースペシャルインタビュー

FINANCIAL FIELD編集部

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