最終更新日: 2020.09.07 公開日: 2018.08.24
暮らし

若者のお酒離れは本当?酒類の出荷は低下している?データで読み解くお酒の消費にまつわるアレコレ

テレビやインターネットでニュースを見ていると、若い世代のお酒離れが進んでいる……なんて話題を見かけませんか?
週末になると、よく駅前で大学生くらいの若者たちが大勢で集まって飲みに行くような姿も見られますが、それでもお酒離れは進んでいるのでしょうか。

そこでチェックしてみたいのが、経済産業省が公表している調査結果です。
経済産業省が公表している鉱工業指数(※)では、工場のロボットや車などの工業製品だけではなく、衣類・食料品などの身近な商品の国内生産や出荷の動きも記載されています。
そのなかの酒類の項目を紐解き、実際に若い世代のお酒離れが進んでいるのかどうかを見ていきましょう。

 
FINANCIAL FIELD編集部

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減少の一途をたどる酒類の出荷

同調査の種類出荷の推移を見ると、確かに酒類の出荷は右肩下がりという現実が。
 
たとえばビールについては、平成19年には346万キロリットルだった国産の課税移出量が、平成29年には259万リットルに落ち込んでいます。
 
ここ10年で約3/4にまで減ってしまったということですね。
 
ちなみに日本酒については、73万キロリットルから52万キロリットルと、10年でなんと30%近くも減少しています。やはりこれは、最近よく聞く若い世代のお酒離れが原因なのでしょうか?
 

お酒を買わなくなったのは、実は中年層?

そこで注目したいのが、世帯の世代別の酒類への支出について。
 
総務省が発表している家計調査を見てみると、ここ10年の世代別の酒類への支出(1カ月間)の推移は以下の通り。
 
・ 〜29歳 -386円
・30〜39歳 -609円
・40〜49歳 -494円
・50〜59歳 -133円
・60〜69歳 +112円
・70歳〜  +244円
 
確かに30歳未満の酒類への支出は減っていますね。しかしそれ以上に大幅に減っているのが、30代・40代という事実が明らかに!若い世代のお酒離れというのは本当だったのですね。また、それに加えて中年層のお酒離れも進んでいるということがわかりました。
 
いっぽうで60歳以上では酒類の支出が増えており、シニアライフの充実を伺わせる結果になりました。ほか、ボーリングやパチンコなどの娯楽分野でも、需要世代の年齢が上がるという現象が見られているそうです。
 

好調の清涼飲料に差をつけられた酒類

経済産業省では、鉱工業生産指数などのデータから飲食料品関連産業のデータを集めて指標化した「フード・ビジネス・インデックス(FBI)」を試算しています。(※※)
 
それによると、2012〜2013年時点では清涼飲料と酒類の生産指標は100前後でいい勝負でしたが、その後酒類は低落傾向。ついに2017年前期時点では、清涼飲料が110程度なのに対し、酒類は95程度と差がついてしまいました。
 
清涼飲料は2014年の消費税率引き上げ時にいったん低下したものの、その後はグンと上昇し、2017年に入ってさらに生産水準が上がって2期連続で過去最高値を記録しています。
 
総務省の家計調査によると、清涼飲料と酒類の支出金額の割合の推移は以下の通り。
 
・1996年 飲料44% 酒類56%
・2006年 飲料52% 酒類48%
・2016年 飲料56% 酒類44%
 
約20年前には酒類の方が上回っていたものの、約10年前に逆転し、2016年にはさらにその差が開くという結果になりました。
 
酒類については生産・出荷が減少しているだけでなく、やはり家計の支出も減少しているようですね。
 

特にビールが大打撃を受けている!?

同じく家計調査の1世帯あたりの年間の品目別支出金額を見てみると、ここ20年で以下の変化があることがわかります。
 
・ビール:1/3に低下
・清酒、ウィスキー:低下基調
・ワイン、焼酎:上昇を見せていた時期もあるがここ数年は横ばい
・チューハイ、カクテル:直近で上昇
・発泡酒、ビール風アルコール飲料:上昇基調
 
驚くほど減っているのが、ビールの支出です。20年前は1世帯あたり年間3万5000円弱の支出があったものの、2016年には1万2000円ほどに激減しています。いっぽうで発泡酒やビール風アルコール飲料は好調であり、価格の高いビールより気軽に飲めることから、家庭で支持されているのではないかと予想されます。
 
「若い世代(+中年)のお酒離れ」の原因のひとつには、20年前に比べて1/3ほどになってしまった「ビール離れ」があるのかもしれません。
 
こうして調査結果を紐解いてみると、「若者のお酒離れ」の傾向は確かなようですが、若者だけではなく「中年世代のお酒離れ」も進んでいるようです。居酒屋業態の活動指数も低下しているとのデータもあり、家でも外でもお酒離れの傾向が見られます。
 
逆に、支出が増えているシニア層をターゲットにした酒類や居酒屋のサービスが、今後増えてくる可能性もありますね。
 
経済産業省のサイトには、「孤独のグルメの影響か?」(お酒を飲まない主人公)といったジョークも書かれていますが、実際のところはどうなのでしょう?今後の酒類に対する出荷・支出の推移にも注目です。
 
出典
※経済産業省 大臣官房 調査統計グループ 経済解析室調査結果より
※※経済産業省 大臣官房 調査統計グループ 経済解析室調査結果より

Text:FINANCIAL FIELD編集部



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