更新日: 2019.01.07 その他暮らし

これからの生活には欠かさなくなる?ちょいのりできる「超小型モビリティ」って何?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

これからの生活には欠かさなくなる?ちょいのりできる「超小型モビリティ」って何?
商用で電車の駅3つ分ぐらい向こうのお得意先に訪問したい、でも電車の便や乗り継ぎはあまりよくない。
 
そんなときは車での移動が楽ですよね。でも都市部は渋滞がひどいですし、駐車場代も高くついてしまいます。
 
そんなとき、「ちょいのり」できる交通手段があるととっても便利。実は近い将来、そんな「ちょいのり」できる乗り物が社会のあちこちで活用されるようになるかもしれません。国土交通省が「超小型モビリティ」の導入を検討しているのです。
 
FINANCIAL FIELD編集部

Text:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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超コンパクト&エコ、そしてコスト面でお得な“新しいカテゴリの乗り物”

「超小型モビリティ」とは、電気で動く1人から2人乗りのコンパクトな車両のこと。
 
普通自動車サイズの電気自動車の約1/2のエネルギー消費量で動き、地域交通の省エネルギーに貢献するとともに、高齢者を含むさまざまな世代に新しい移動手段を提供し、生活や移動の質の向上、自動車市場の新しい需要創出をもたらす“新しいカテゴリの乗り物”として注目を集めています。
 
用途は主に4つ。高齢者のお宅を訪問する公務員などが、道の狭い住宅地や駐車スペースが狭い訪問先に行くときに使う「公務利用」。観光スポットが点在している観光スポットなどで、少人数で回遊するための「観光利用」。
 
宅配サービスなどで駐車場が狭いエリアなどで活用する「業務利用」。そして、電車やバスなどの交通手段がないエリアに住む高齢者などが、気軽に買い物や通勤・通院などに使う「日常利用」が考えられています。
 
「超小型モビリティ」のもうひとつの大きな特長は、普通自動車(ガソリン車)に比べ導入費用や維持費が少なくてすむこと。
 
ガソリン代よりコストが低いことや、狭い場所も駐車スペースとして活用できることなどが理由です。こうした費用面でのメリットも大きいことから、全国の自治体や宅配業者などが積極的に導入を検討しはじめています。
 

全国各地で導入されはじめている「超小型モビリティ」

では実際にはどのような形で導入されているのでしょうか? 現在、全国各地の自治体で導入事例がありますが、その代表的なものをご紹介しましょう。
 
まずは宮城県美里町での事例。美里町健康福祉センターでは、高齢者世帯や子育て世代に対する福祉保健サービスの訪問業務を行っていましたが、道路が狭く駐車スペースが難しい訪問先を訪れる際の公用車の導入が課題でした。
 
戸別訪問業務が増える中、既存の公用車(ガソリン軽自動車)では対応できず困っていたところ、「超小型モビリティ」が良いのでは思い至り、2013年より導入したようです。
 
クリーンエネルギー(電気)の乗り物であることや狭い場所に停められることなども導入理由であったようですが、決め手のひとつはやはり費用面。同町では財政状況が厳しかったため、公用車(ガソリン車)の導入費や維持費の削減が求められていたそうです。そうしたニーズにぴたりと合致したのが「超小型モビリティ」の導入だったわけですね。
 
史跡が点在する奈良県明日香村では、観光客の周遊性を向上するために「超小型モビリティ」を導入しました。
 
明日香村を中心とした地域は、年間約80万人もの観光客が訪れる人気観光エリアですが、史跡があちこちに点在するため、隅々まで観光客が見て回れず、せっかくの観光資源を生かしきれていなかったそうです。そこで2014年より、道案内や観光スポットを紹介するタブレットを搭載した「超小型モビリティ」を導入。有償レンタルを始めました。
 
この導入により、明日香村での観光客の周遊性が高まり、観光資源を隅々まで活用できるようになったそう。利用料が1日8000円と決して安くない値段設定であるにも関わらず、利用客の満足度は高く、今後のさらなる観光客増加にも期待が持てるとか。
 
観光客の増加は、当然宿泊客やお土産購入の増加にもつながりますから、「超小型モビリティ」の導入は地域のお金事情にも大きく影響していきそうですね。
 
このほか全国各地で導入や実証実験が進められる「超小型モビリティ」ですが、最近では地域を巡る乗り物であることに目をつけ、車体にデジタルサイネージを装着し、交通安全喚起や古着回収の情報などのメッセージを表示するといった使い方も登場してきたようです。
 
今後さらに活用が進み、わたしたちが普段利用している自動車のあり方にも影響をおよぼしていくかもしれません。これからあちこちの街や観光地で見かけるようになるかもしれない「超小型モビリティ」。まだ試行段階ですが、今後の動向に要注目です。
 
出典
国土交通省自動車局資料

Text:FINANCIAL FIELD編集部

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