最終更新日: 2019.01.10 公開日: 2018.11.19
暮らし

【自然災害大国 日本に住む】災害に強い住まいの選び方を知っておこう!

執筆者 : 橋本秋人

日本は自然災害大国といわれています。毎年のように地震、台風、集中豪雨などが、人的にも物的にも大きな被害をもたらしています。また、巨大地震の発生なども予測されています。

住宅の購入を検討する際にも、災害への対策を考慮することは重要です。災害に強い住まいを手に入れるには、建物要件(=どのような建物を建てるか)と立地要件(=どこに建てるか)を考える必要があります。

今回は立地要件の観点から、立地選びに際してどのような点に注意すればよいかについて解説します。
 
橋本秋人

Text:

Text:橋本秋人(はしもと あきと)

FP、不動産コンサルタント

早稲田大学商学部卒業後、大手住宅メーカーに入社。30年以上顧客の相続対策や不動産活用を担当。
 
現在はFP、不動産コンサルタントとして相談、実行支援、講師、執筆等を行っている。平成30年度日本FP協会広報センタースタッフ、メダリストクラブFP技能士受験講座講師、NPO法人ら・し・さ理事、埼玉県定期借地借家権推進機構理事

橋本秋人

執筆者:

Text:橋本秋人(はしもと あきと)

FP、不動産コンサルタント

早稲田大学商学部卒業後、大手住宅メーカーに入社。30年以上顧客の相続対策や不動産活用を担当。
 
現在はFP、不動産コンサルタントとして相談、実行支援、講師、執筆等を行っている。平成30年度日本FP協会広報センタースタッフ、メダリストクラブFP技能士受験講座講師、NPO法人ら・し・さ理事、埼玉県定期借地借家権推進機構理事

災害に強い土地、弱い土地がある

今年も台風や地震などにより、土砂災害や水害、地盤沈下、大規模停電など、各地で多くの被害が発生しました。
 
実は自然災害については、ひんぱんに被害を受けたり、被害が大きくなったりやすい地域と、ほとんど被害のない地域があります。
 
例えば、昨年の土砂災害発生件数は全国で1514件と、過去10年で最大の件数を記録しました。発生件数を都道府県別に見ると、1位の福岡県が244件、2位の新潟県が195件であったのに対し、青森、埼玉、佐賀の3県はわずか1件でした。(※1)
 
また、昔からよく「このあたりは大雨が降ると床下浸水する」「雨が降ると道路が冠水する」「地震が起こっても建物があまり揺れない」などといわれてきた地域があります。
 
これらの差は主に地勢、地形、地盤などの違いによるものです。つまり、土地には、さまざまな条件によって災害に強い土地とそうでない土地があるということがいえるでしょう。
 

災害のリスクを減らす住まい選び

住宅の購入に際しても、通勤や通学、買い物などの利便性や住環境のよさはもちろんですが、災害リスクの少ない地域・土地を選ぶことが大切です。
 
ここで、災害に弱い土地とは具体的にはどのような土地のことをいうのか、いくつかの例をご紹介します。
 

■軟弱な地盤の土地

地盤の軟弱な土地に住宅を建てると、不等沈下により建物が傾く可能性が高くなります。
 
建物の不等沈下を防止するためには、支持杭や摩擦杭、表層改良などの基礎補強工事や地盤改良工事が必要になりますが、そのためのコストも数十万円から数百万円の単位でかかります。
 
また、地震の際にも軟弱な土地上の建物は揺れやすく、場合によっては液状化現象が起こる可能性もあります。
 

■傾斜地

一般的に傾斜地の造成宅地においては、切土部分(山を削って造成した土地)は比較的強いですが、盛土部分(傾斜面に土を盛って造成した土地)は十分に土を固めていないと地盤が軟弱になる可能性があるので注意が必要です。
 

■土砂災害の可能性がある土地

大きな被害をもたらす土砂災害ですが、国土交通省では、全国の都道府県の「土砂災害危険箇所」を集計し、公表しています。それによると、土砂災害危険箇所は全国に52万箇所以上あります。(※2)
 
また、各都道府県は、土砂災害発生の恐れがある地域を「土砂災害警戒区域」「土砂災害特別警戒区域」として指定しています。(※3)これらの区域内で住宅を建築する場合、一定の構造基準を満たす必要があります。
 

ハザードマップを活用する

それでは、災害に強いエリア、弱いエリアはどうすれば分かるのでしょうか。
 
最も参考になるのがハザードマップです。(※4)特に東日本大震災以降注目されているので、ご存知の方も多いと思います。
 
ハザードマップとは、自然災害による被害の軽減や防災対策に使用する目的で、被害想定区域や避難場所などの防災関係施設の位置などを表示した地図のことです。自治体によっては「防災マップ」、「被害予測図」、「被害想定図」という呼び方をしています。
 
ハザードマップは各自治体が作成し、ホームページで公開しているので誰でも閲覧ができます。ハザードマップにはさまざまな種類があります。
 
・土砂災害
・地震による建物倒壊予測
・液状化
・洪水
・内水(都市部などで、降雨により下水道や排水路での雨水処理能力を超えたときに、市街地の土地や道路などが浸水すること)
・高潮
・津波
・火山
 
また、国土交通省が公開している「ハザードマップポータルサイト」では、全国の地方自治体が公開している災害情報を検索することができます。対象としている災害は「洪水」「内水」「高潮」「津波」「土砂災害」「火山」です。
 

その他にも押さえておくポイントは?

住宅や土地を見学する際には、近隣の人に土地の前歴や過去の自然災害の有無を聞いたり、周辺の建物の状況を観察したりすることもおすすめします。
 
また、前述の傾斜地の造成地を確認するためには、国土交通省の「大規模盛土造成地マップの公表状況等について」(※5)のデータも参考になります。
 
なお、敷地を親から受け継ぐなど土地の選択ができない人や、どうしても災害リスクがある場所で購入せざるを得ない人の場合は、建物要件により災害に強い住まいにする必要があります。耐震性の高い建物はもちろんですが、例えば、浸水しやすい低地の場合は、盛土により地盤面を高くしたり、建物の基礎を高くしたりするなど、状況に応じた対応を行いましょう。
 
近年の異常気象により、今後も多くの自然災害が発生することが懸念されます。ご自身やご家族の尊い命を失わないように、また、住宅の被害を少しでも避けられるように、正しい情報収集と判断を心がけることが大切です。
 
出典:
(※1)国土交通省「砂防NEWS」平成30年3月22日
(※2)国土交通省「都道府県別土砂災害危険箇所」
(※3)国土交通省「各都道府県が公開している土砂災害危険箇所と土砂災害警戒区域」
(※4)国土交通省「ハザードマップポータルサイト」
(※5)国土交通省「大規模盛土造成地マップの公表状況等について」
 
Text:橋本秋人(はしもと あきと)
FP、不動産コンサルタント



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