2019.03.31 暮らし

大学も無償化? 検討されている「高等教育の無償化制度」とは

教育は最大の人的投資と言えます。
 
もし、2019年10月から、本当に消費税率が8%から10%に引き上げられるなら、予定されている政策のひとつとして、保育園・幼稚園などの無償化制度が動き出します。
 
そして、2020年4月、今回お話しする「高等教育の無償化」がスタートするかもしれません。
 

「高等教育の無償化制度」とは

高等教育の無償化は、高校の無償化のことではなく、大学などの無償化です。
ちなみに2019年の通常国会にて議論される内容ですので、実際にどうなるかは未定ですが、情報の先取りという意味で今回は取り上げていきたいと思います。
 
それでは概要を見ていきましょう。
 
〇支援の対象となる学校
 大学・短期大学・高等専門学校・専門学校
 
〇支援内容
 (1)授業料の減免制度
 (2)給付型奨学金の支給の拡充
 
〇支援の対象となる学生
 ◦住民税非課税世帯の学生
 ◦それに準ずる世帯の学生
 
〇実施時期
 2020年4月より
 
概要を見てみると、経済状況による教育の格差の是正が主な目的だということが分かります。つまり、所得の少ないご家庭のお子さんのために、大学などに進学するための費用を減免、もしくは、奨学金という形で支給することが謳われています。
 
対象になる学校には高等専門学校や専門学校も含まれているため、幅広く高等教育を受けさせたいということなんでしょう。
 

支援内容は「授業料の減免」と「給付型奨学金の支給の拡充」の2つ

開始時期は2020年4月。気になるのは支援内容ですが、「授業料の減免」と「給付型奨学金の支給の拡充」の2つがあります。
 
給付型奨学金については、私たちファイナンシャル・プランナー(FP)が文科省からスカラシップアドバイザーとして登録され、説明のために高校に派遣されるという仕組みがすでにあります。こちらはまた別の機会にお話しするとして、今回は「授業料の減免」について見ていきます。 
 
〇授業料減免の上限額(年額):住民税非課税世帯
 

 
ポイントは「減免」という点でしょう。
 
住民税非課税世帯といえども、完全な無償化ということではないようです。ただ、無償化にかなり近い程度の減免が図られると考えておいた方がいいかもしれません。
 

所得が少ないご家庭でも、子どもに進学意欲があれば大学進学の可能性が広がる

大学課程は義務教育ではありません。しかし、所得が少ないご家庭であっても、お子さんが大学などへの進学意欲があり、目的意識が高く、また在学中もしっかりと学業に取り組んでいく場合、条件に合致すれば授業料の減免を受けることで大学進学の可能性が広がります。
 
この制度が施行されるなら、これは国による最大の人的投資のような気がします。ただ、その制度利用も含め、高等教育の無償化の有効性が発揮されるには、ある程度の時間が必要なのかもしれません。
 
次回からは、日本学生支援機構の「奨学金」についてしばらくお伝えしていきます。
 
執筆者:重定賢治(しげさだ けんじ)
ファイナンシャル・プランナー(CFP)
 
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重定賢治

執筆者:重定賢治(しげさだ けんじ)

ファイナンシャル・プランナー(CFP)

明治大学法学部法律学科を卒業後、金融機関にて資産運用業務に従事。
ファイナンシャル・プランナー(FP)の上級資格である「CFP®資格」を取得後、2007年に開業。

子育て世帯や退職準備世帯を中心に「暮らしとお金」の相談業務を行う。
また、全国商工会連合会の「エキスパートバンク」にCFP®資格保持者として登録。
法人向け福利厚生制度「ワーク・ライフ・バランス相談室」を提案し、企業にお勤めの役員・従業員が抱えている「暮らしとお金」についてのお悩み相談も行う。

2017年、独立行政法人日本学生支援機構の「スカラシップ・アドバイザー」に認定され、高等学校やPTA向けに奨学金のセミナー・相談会を通じ、国の事業として教育の格差など社会問題の解決にも取り組む。
https://fpofficekaientai.wixsite.com/fp-office-kaientai

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