最終更新日: 2019.06.19 公開日: 2019.04.28
暮らし

アルバイトとして雇った外国人留学生。卒業後、留学ビザの有効期間中はバイトを続けてもらっても大丈夫?

執筆者 : 柘植輝

外国人留学生は、留学のための在留資格(以下留学ビザとします)が与えられ、その範囲内において活動が認められています。ただ、留学ビザの有効期間と、留学先となる学校の在籍期間が必ずしも一致するとは限りません。
 
留学ビザの期間さえ残っていれば、学校を卒業したあとも留学ビザのまま滞在し、アルバイトとして就労を続けても問題はないのでしょうか。
 
 
柘植輝

執筆者:

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士

2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。
広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

詳細はこちら
柘植輝

執筆者:

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士

2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。
広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

詳細はこちら

外国人留学生を雇用していたAさん

Aさんは、大学へ通う外国人留学生(アルバイトを目的とした資格外活動の許可を取得済み)をアルバイトとして雇用していました。
 
留学生はその年の4月で卒業を迎えるものの、6月までは留学ビザの有効期限が残るため、Aさんの下でしばらくアルバイトを続けることになりました。
 
ただ、卒業をしたあとはもう学生ではありません。大学へ通っていた留学生は、期限さえ残っていれば学生でなくなったあとも引き続き留学ビザのまま日本に在留し、今までのように生活を続けても問題ないのでしょうか。
 

卒業後は留学ビザで滞在することはできない

基本的に留学生は、学校を卒業後、留学ビザのまま日本に滞在することはできません。当然、日本において就業することもできません(アルバイトに限りません)。
 
なぜなら、外国人は許可された範囲内での活動および滞在を許可されています。留学生は学生としての活動を許可されているにすぎません。学校を卒業したあとの留学生はもう学生でなく、学生としての活動は終了しています。
 
仮に、許可されている在留期間が残っていたとしても、留学生でなくなってしまえば、それは学生という前提条件を欠いており、完全に適法な在留資格であるとは言えないのです。
 
今回の事例において問題となっている留学ビザは、大学など学校において教育を受けるための資格です。
 
学校を卒業してしまえば、留学生は学校において教育を受けることがなくなります。そのため、学校を卒業して学生でなくなった留学生が留学ビザで滞在し、そのまま就労を続けることは、資格外活動の許可を得ていても許されないということになるのです。
 
また、資格外活動の許可は、本来の在留目的に支障のない範囲で与えられる許可です。本来の在留資格が有効でなければ、それは完全に有効な資格外活動の許可とは言えないのです。
 
もし、本事例における留学生が、卒業後もそのままアルバイトを続けながら日本での滞在を希望するのであれば、ビザの変更をすることが必要です。
 
具体的には、入国管理局に申請し、就労ビザ(技術・人文知識・国際業務など)や就職活動のための特定活動ビザ(卒業前から就職活動していることが必要)などへ切り替えることとなるでしょう。
 

そのまま放っておくと…

仮に、本件留学生が、留学ビザから就労ビザなどへの切り替え申請をしないまま学校を卒業し、就業を続けてしまうと、Aさんと留学生の双方とも罰せられる可能性があります。
 
Aさんについては、不法就労助長罪により3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、またはこれらを併科されるおそれがあります。
 
留学生については、出国命令が出されたり、最悪の場合は強制的に日本から退去させられることがあります。また、Aさんと留学生の双方とも、今後行うビザ関連の申請に影響を及ぼす可能性もあります。
 
なお、出国命令や退去強制によって出国した者には、上陸拒否期間が設定されており、一定の期間日本に再入国することができません(最長で10年)。
 

ビザについては専門の行政書士まで

ビザの問題は、外国人やその外国人を雇用する者にとって重要な問題です。個別の事情によっては、逮捕を含む重大な問題へ発展することもありえます。留学生に限らず、外国籍の方が日本で就労する際は注意が必要です。
 
少しでも不安に感じることがあれば、専門の行政書士などへ速やかに相談するようにしてください。
 
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
 



▲PAGETOP