更新日: 2021.07.08 暮らし

家計が急変した場合のJASSO奨学金の特例措置って?

執筆者 : 林智慮

日本学生支援機構の奨学金の種類には、給付奨学金と貸与奨学金(第一種、第二種)、入学時特別増額貸与奨学金があります。
 
また、進学前に申し込む予約採用だけでなく、大学等に進学後に申し込む在学採用のほか、家計が急変したときの対応もあります。特例措置も設けられています。どのようなものがあるのか見てみましょう。
 
林智慮

執筆者:

執筆者:林智慮(はやし ちりよ)

CFP(R)認定者

確定拠出年金相談ねっと認定FP
大学(工学部)卒業後、橋梁設計の会社で設計業務に携わる。結婚で専業主婦となるが夫の独立を機に経理・総務に転身。事業と家庭のファイナンシャル・プランナーとなる。コーチング資格も習得し、金銭面だけでなく心の面からも「幸せに生きる」サポートをしている。4人の子の母。保険や金融商品を売らない独立系ファイナンシャル・プランナー。

林智慮

執筆者:

執筆者:林智慮(はやし ちりよ)

CFP(R)認定者

確定拠出年金相談ねっと認定FP
大学(工学部)卒業後、橋梁設計の会社で設計業務に携わる。結婚で専業主婦となるが夫の独立を機に経理・総務に転身。事業と家庭のファイナンシャル・プランナーとなる。コーチング資格も習得し、金銭面だけでなく心の面からも「幸せに生きる」サポートをしている。4人の子の母。保険や金融商品を売らない独立系ファイナンシャル・プランナー。

進学前離職の特例措置(給付奨学金)

給付奨学金は、本人と生計維持者の前年度の住民税の情報で審査されます。例えば、2022年度に入学する場合は、2021年度の住民税情報(2020年の収入)で審査されます。
 
給付型奨学金を利用する本人が家計を支えている場合に、進学のために進学前1年以内に離職すると2021年分の収入が減少してしまいますが、奨学金は2020年の収入により決定された住民税情報により判定されるため、給付奨学金の対象にならなくなる場合もあります。
 
よって、進学のために収入の減少が見込まれる場合は、進学する本人の収入を加算しない特例措置が適用されます。
 

学力基準の緩和(第一種奨学金)

給付奨学金と第一種貸与奨学金を併用すると、第一種の貸与月額が調整されます。ところで、給付奨学金の学力基準は、2022年の「給付奨学金案内(予約採用)」(※1)によると、


・高等学校等での全履修の評定平均値が、5段階評価で3.5以上
・進学する大学に学修意欲を有する(高校において、面談やレポートで確認)

のいずれかに該当する必要があります。
 
その一方で、2022年の「貸与奨学金案内(予約採用)」(※2)によれば


第一種 高等学校等での全履修の評定平均値が5段階評価で3.5以上
第二種 高等学校等での全履修の評定平均値が平均水準以上

となっています。
 
ただし、次のように経済的修学が困難な場合、第一種貸与奨学金の学力基準が緩和されます。
 
以下のいずれかの場合、大学へ進学後も優れた成績を収める見込みがあると学校から推薦されれば、第一種奨学金の学力基準を満たすとされます。


(1)生計維持者の住民税所得割が非課税である
(2)生活維持者が生活保護を受給している
(3)社会的養護を必要とする人である

 

家計基準の特例(第一種奨学金)

貸与奨学金の家計基準は、「生計維持者の年収や所得金額額などから特別控除額等を差し引いた金額(認定所得金額)が、世帯人数ごとに設定された収入基準以下であること」となっています(2022年「貸与奨学金案内(予約採用)」(※2)より引用)。
 
さらに、第一種、第二種、第一種・第二種併用それぞれ、世帯人数によって上限が異なります。一種と二種の併用<第一種<第二種の順に上限があります。
 
ここで、以下いずれかの条件に該当する場合、家計基準を満たす者とされます(2022年「貸与奨学金案内(予約採用)」(※2)より引用)


(1)生計維持者の住民税所得割が非課税である
(2)生活維持者が生活保護を受給している
(3)社会的養護を必要とする人である

 

猶予年限特例の特例(第一種奨学金・返還時)

貸与奨学金の返済が厳しいとき、救済制度して減額返還(毎月の返済額を2分の1(または3分の1)に減らす・1年以内・最長15年)や返還期限猶予(返還を先送りする・1年以内・通算10年まで)があります。
 
ただし、第一種奨学金の返済において、生計維持者の年収・所得の合計が次の金額以下になる場合に、返還期限猶予に10年の制限がなく申請できます。


・給与収入のみの世帯・・年間収入≦300万円
・給与以外の所得の世帯・・収入―必要経費≦200万円

 
(出典:日本学生支援機構「猶予年限特例(平成29年度以降採用者)又は所得連動返還型無利子奨学金(平成24~28年度採用者)」(※3))

貸与奨学金は、返還しなければならない借金です。社会人としてのスタートを、マイナスから始めることになります。借り入れは必要最小限で。返済が厳しい場合は救済措置・特例を利用しましょう。
 
出典
(※1)日本学生支援機構「給付奨学金案内」
(※2)日本学生支援機構「貸与奨学金案内」
(※3)日本学生支援機構「猶予年限特例(平成29年度以降採用者)又は所得連動返還型無利子奨学金(平成24~28年度採用者)」
 
(参考・引用)
日本学生支援機構「給付奨学金案内(在学採用)」
日本学生支援機構「給付奨学金案内 — 家計急変採用 —」
日本学生支援機構「大学・短期大学・専修学校専門課程在学中に奨学金を希望する皆さんへ(貸与奨学金)」
日本学生支援機構ホームページ
 
執筆者:林智慮
CFP(R)認定者