更新日: 2020.08.04 その他暮らし
定期代を受け取りながら、自転車で通勤。会社にばれたら解雇理由になる?
ニュースで取り上げられるような水増しは、私たちにとって現実的ではないように感じるかもしれません。しかし、こんな人なら身近で見たことはありませんか?
「自宅から会社まで電車を使っていると会社に申請しているけど、本当は自転車で通っている。」節約したいがために、交通費の申請を偽ってしまう人です。これも立派な経費の水増し。
もし、虚偽の申請がばれたらどうなるのでしょうか。会社はこのような社員を解雇することができるのでしょうか?
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
弁護士/東京桜橋法律事務所
第二東京弁護士会所属。
中央大学法学部卒。弁護士登録後、東京桜橋法律事務所に勤務。平成25年以降は同所パートナー弁護士に昇格し、主にIT関連、エンタメ関連の企業法務を中心として、相続・不動産・債権回収・破産など幅広い法律事務に対応している。
座右の銘は「強くなければ生きられない。優しくなれなければ生きていく資格はない。」時には、クライアント自身の姿勢を問うようなアドバイスができるよう心掛けている。
目次
8割以上の会社が通勤手当を採用。上限額で最も多いのは平均10万円
自宅から会社までの交通費は、大抵の場合会社が支払ってくれます。全額支給される会社もあれば、月に上限が決まっている会社などさまざまです。
厚生労働省の「通勤手当」の資料によると、通勤手当を採用している企業の割合は2009年の時点で86.3%。1970年から一定して、8割以上の会社が従業員・職員に交通費を支給していることが分かります。
続いて、「通勤手当の支給の有無及び支給限度」を見ると、「金額の上限はない」が57.4%、「金額の上限がある」が40.1%、その他が2.5%という結果でした。半分以上の会社が、金額の上限を設けずに交通費を支給しています。
また、「通勤手当の限度額の分布」では、平均10万円を上限としている会社が49.4%と最も多く、次に平均5万円で31.2%という結果でした。平均5万円以上の通勤手当を支給する会社が8割以上です。
参考URL:厚生労働省「通勤手当について」
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000020thx-att/2r98520000020tm6.pdf
交通費の申請を偽った社員を、会社は解雇することはできるのでしょうか。東京桜橋法律事務所弁護士の池田理明先生にお伺いしました。
結論から言うと、解雇できる場合が多いと思います。
このようなケースでは、虚偽の報告をした額や、その回数によるところがあるかと思います。
1回目見つかった際は注意で終わっても、2回目が見つかれば解雇になることもあります。また、その内容が悪質か、確信的なものであるかも重要です。
例えば、カラ出張を申請して、交通費や宿泊代、場合によっては飲食代まで、まとまった経費を水増ししていたとしたら、会社としても見逃せない案件として1回目でも解雇されるかもしれません。会社によっては、代表者や上司の判断で解雇権を行使しない場合もありますので、「友達はばれたけど見逃してもらっていた」などという情報をうのみにして、「これぐらいなら解雇されないだろう」と思ってはいけません。
軽い気持ちから虚偽の申請をし、職を失っては元も子もありません。たとえ罰を受けなくても、そのことを知った人から信用を失うことは確かです。
「ずる」はいずればれるもの。軽い気持ちで、大事なものを失わないように気をつけましょう。
著:ファイナンシャル フィールド編集部
監修:池田 理明 (いけだ みちあき)弁護士
東京桜橋法律事務所、第二東京弁護士会所属 http://tksb.jp/
IT関連・エンタメ関連の企業法務を中心に、相続・不動産・債権回収・破産など幅広い法律事務に対応。