更新日: 2024.04.02 その他暮らし

隣に住む50代男性が「生活保護」を受けながらパチンコに通っています。問題にならないのでしょうか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

隣に住む50代男性が「生活保護」を受けながらパチンコに通っています。問題にならないのでしょうか?
生活保護は、経済的な理由で生活に困っている方が利用できる制度です。
 
しかし、生活保護を受け取っている方のなかには、支給されたお金をパチンコや競馬などに使う方もいます。実は、生活保護費を使用してパチンコや競馬に行くこと自体に問題はないとされるケースもゼロではありません。
 
しかし、パチンコや競馬で得た収入は、勝ち負けにかかわらず報告する必要があります。もし報告をしないと、不正受給とみなされる可能性もあるためです。
 
今回は、パチンコや競馬などに生活保護費を使用する場合の注意点や、申告しなかった場合などについてご紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

生活保護費を使ってパチンコや競馬をするのは問題ない?

生活保護費を使用して、パチンコや競馬をすること自体に問題はないとされています。生活保護の目的として、健康で文化的な最低限度の生活の保障があるためです。
 
ただし、パチンコや競馬に使用する分は生活保護費の計算には含まれていません。生活保護費からパチンコや競馬の費用を捻出すると、その分生活費を削ることになります。さらに、パチンコや競馬で勝った金額は収入認定されるため、申告が必要です。
 

パチンコで最終的に負けても収入扱いとなる

パチンコの収入申告で特に注意したい点が、一度は勝ったものの最終的に負けた場合です。一見すると金額は減っているため収入はないように見えますが、一度でも得た収入は申告をします。これは、生活保護を受けている方で収入があった場合は、速やかな申告が必要とされているためです。
 
例えば、パチンコで1万円勝ったあとに2万円負けると1万円の赤字ですが、収入としては勝った1万円を申告する必要があります。
 
生活保護費は、最低限度の生活に必要な最低生活費から収入を差し引いて求められる金額です。そのため、最終的にパチンコで負けたとしても、収入認定をされた分は次回から受給額が少なくなる可能性もあります。
 
また、生活保護を受給している方の借金は認められていないようです。借金も収入として判断される可能性があるため、生活保護を受けていてもお金に困っている場合はケースワーカーに相談しましょう。
 

収入を申告しないとどうなる?

負けても収入認定されるとなると、黙ってやり過ごそうとする方もいます。しかし、収入を申告しない行為は不正受給とみなされ、生活保護費の返還や追加徴収が求められるケースがあるため注意が必要です。
 
生活保護法第78条では「不実の申請その他不正な手段により保護を受け、又は他人をして受けさせた者があるときは、保護費を支弁した都道府県又は市町村の長は、その費用の額の全部又は一部を、その者から徴収するほか、その徴収する額に百分の四十を乗じて得た額以下の金額を徴収することができる」とされています。
 
実際に、ボートレースや競馬にかけたお金の払戻金が収入認定されるにもかかわらず、申告をしなかった結果、払戻金の分を徴収された例もあるようです。この際、追加徴収を求められた方は競馬やボートレースで負けており、費用がそのまま返還されたのは実質的に収入にはなっていないため不服として裁判を行っていますが、結果は徴収のままでした。
 

パチンコのお金は最終的に負けても収入扱いとなる

生活保護費は、パチンコや競馬に使用すること自体は問題ないとされる可能性があります。しかし、勝っても負けても収支報告が必要です。
 
たとえ最終的に負けていたとしても、払い戻しされたり勝ったりした金額は収入とみなされます。もし収入があるにもかかわらず申告しないと、不正受給とみなされ返還や追加徴収の対象となる可能性もあるので、必ず申告しましょう。
 

出典

デジタル庁 e-Gov法令検索 生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)第七十八条
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

ライターさん募集