最終更新日:2019.01.10 公開日:2018.07.26
老後

退職を決意した年収400万円の夫。退職後の保険は『国保』と『任意継続』どちらに?

日本では皆保険制度が採用されており、基本的に国民全員が何かしらの保険制度へ加入する必要があります。

そのため、就業先の社会保険へ加入している方が、就業先を退職した場合、その保険を脱退して「国民健康保険」(以下国保とします)へ加入するか、引き続き従前の保険に加入し続ける「任意継続」のどちらかを選択する必要があります。

しかし、国保と任意継続のどちらを選択するべきか迷っている。そんな人も少なくないでしょう。

そこで、今回は国保と任意継続について「毎月の保険料」という観点から比較してみました。国保と任意継続のいずれかを選択する際の参考にしてください。
柘植輝

執筆者:

Text:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士

2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。
広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

詳細はこちら
柘植輝

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今回のモデルケース

国保や任意継続の保険料は収入額だけでなく、住所地や家族構成、在職時における社会保険の加入先などによっても変化します。
 
そのため、今回の比較においては次のように設定して計算することとします。
 
・東京都世田谷区在住の世帯
・夫(38歳・会社員)の前年の年収…400万円(源泉徴収票に記載された所得金額は266万円)
・妻(38歳・専業主婦)の年収…0円
・子(5歳と7歳)の年収…0円
・夫は退職前、全国健康保険協会(協会けんぽ)に加入
・退職時の標準報酬月額は26万円
・家族は全員夫の扶養と認定されている
 

国保の保険料額

国保の保険料は所得割(世帯全体の所得に応じて計算される)と均等割り(加入者数に応じて計算される)を足して計算されます。
 
そして、所得割と均等割りは医療分と支援金分から成り立っています。では、まず所得割を計算するための基準額を計算します。
 
基準額は家族各個人の所得(個人事業主であれば確定申告書の「所得金額の合計」、会社員などであれば源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」欄に記載)から基礎控除(33万円)を引いた数値の合計となります。
 
基準額=各個人の基準額(所得(266万)-33万円)の合計=233万円
 
今回の事例では夫以外収入がないため、夫の所得から基礎控除を引いたもの(233万円)が基準額となります。
 
次に所得割を計算します。

所得割は医療分(基準額×7.32%)と支援金分(基準額×2.22%)から構成されています。
 
所得割=医療分(233万×7.32%=17万556円)+支援金分(233万×2.22%=5万1726円)=22万2282円
 
次いで均等割りを計算していきます。
 
均等割りはその名の通り所得金額に関係なく、加入者の人数に応じて均等に計算される医療分(加入者数×3万9000円)と支援金分(加入者数×1万2000円)から構成されています。
 
均等割=医療分(4×3万9000円)+支援金分(4×1万2000円)=20万4000円
 
最後に、所得割と均等割りを合計すると、年間の保険料額が算出されます。
 
年間の保険料=所得割+均等割=42万6282円
 
モデルケースにおける、国民健康保険の年間の保険額は42万6282円となりました。
 
ただし、40歳以上の加入者が存在している場合、ここに介護保険料が加わることに注意してください。
 

任意継続の保険料

協会けんぽの任意継続における年間の保険料は国保に比べて簡単に算出することができます。
 
退職時の標準報酬月額に9.90%をかけて月額の保険料を計算し、それを年額に換算するため、12倍するだけで算出することができます。なお、退職前は会社と折半していた保険料も、退職後においては全額自己負担となる点に注意してください。
 
任意継続の年間の保険料=退職時の標準報酬月額(26万円×9.90%)×12(年間の月数)=30万8880円
 
また、今回のケースでは家族全員が夫の扶養と認定されているため、家族分の保険料は発生しないこととなります。
 

任意継続の方が安いという結果に

今回のモデルケースにおける計算では次のような結果となりました
 
・国保…年額42万6282円
・任意継続…年額30万8880円
 
国保と任意継続の間にはおよそ12万円近くの差があります。国保では家族の保険料が発生するのに対し、任意継続では扶養認定される家族の分は保険料がかからないという点が、この差につながったと言えます。
 
国保であっても任意継続であっても、保険料は居住地や家族状況など、諸状況によって大きく変化します。
 
今回のモデルケースはあくまで参考としての一例です。
 
実際に検討する際には、自身とご家族の状況に合わせて計算することはもちろん、場合によっては役所などに問い合わせて確認するといった対応が必要となるでしょう。
 
Text:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士・2級ファイナンシャルプランナー

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