最終更新日:2019.01.10 公開日:2018.11.19
老後

【相談実例】「47歳で妻が39歳、2歳の娘がいます。4年前にマイホームを購入したけれど、ローン返済は退職後まで続きますか?」

近年、住宅ローンの返済に異変が生じています。
 
「6年前に結婚し、今、2歳の娘がいます。現在、夫が47歳、妻が39歳、4年前にマイホームを購入しました。住宅ローンの返済が重く、今後が不安です」
 
これは、極端な例に思われるかもしれませんが、実際にあったご相談です。
 
おそらくFP事務所の方なら、この状況をうかがい、次のように、ピンとくると思います。
 
「この家庭は退職後も住宅ローンの返済が続く……」
 
このような事例に対し、ライフプランに照らし合わせた資金シミュレーションを行いますが、その際に重要となる点をご紹介します。
 
重定賢治

執筆者:

Text:重定賢治(しげさだ けんじ)

ファイナンシャル・プランナー(CFP)

明治大学法学部法律学科を卒業後、金融機関にて資産運用業務に従事。
ファイナンシャル・プランナー(FP)の上級資格である「CFP®資格」を取得後、2007年に開業。

子育て世帯や退職準備世帯を中心に「暮らしとお金」の相談業務を行う。
また、全国商工会連合会の「エキスパートバンク」にCFP®資格保持者として登録。
法人向け福利厚生制度「ワーク・ライフ・バランス相談室」を提案し、企業にお勤めの役員・従業員が抱えている「暮らしとお金」についてのお悩み相談も行う。

2017年、独立行政法人日本学生支援機構の「スカラシップ・アドバイザー」に認定され、高等学校やPTA向けに奨学金のセミナー・相談会を通じ、国の事業として教育の格差など社会問題の解決にも取り組む。
https://fpofficekaientai.wixsite.com/fp-office-kaientai

詳細はこちら
重定賢治

執筆者:

Text:重定賢治(しげさだ けんじ)

ファイナンシャル・プランナー(CFP)

明治大学法学部法律学科を卒業後、金融機関にて資産運用業務に従事。
ファイナンシャル・プランナー(FP)の上級資格である「CFP®資格」を取得後、2007年に開業。

子育て世帯や退職準備世帯を中心に「暮らしとお金」の相談業務を行う。
また、全国商工会連合会の「エキスパートバンク」にCFP®資格保持者として登録。
法人向け福利厚生制度「ワーク・ライフ・バランス相談室」を提案し、企業にお勤めの役員・従業員が抱えている「暮らしとお金」についてのお悩み相談も行う。

2017年、独立行政法人日本学生支援機構の「スカラシップ・アドバイザー」に認定され、高等学校やPTA向けに奨学金のセミナー・相談会を通じ、国の事業として教育の格差など社会問題の解決にも取り組む。
https://fpofficekaientai.wixsite.com/fp-office-kaientai

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晩婚世帯ほど、退職金の重要性が高い

冒頭でご紹介したケースの特徴は、次のような点です。
 

(1)結婚した時期が比較的遅い

(2)マイホームを購入した時期が比較的遅い

(3)第1子の出産時期が比較的遅い

 
いわゆる「晩婚世帯」ですが、このようなご家庭ではライフステージがどうしても後ずれしていきます。
 
ライフステージの区切りを考える際は、子どもが独立するまでを「子育て期」、子どもが独立してから定年を迎えるまでを「退職準備期」、定年後75歳までを「アクティブシニア期」、75歳以降を「終活期」としていきます。
 
まずは、ご家族がどのステージにいるかを確認することになりますが、このような晩婚世帯の場合、前述の(1)~(3)の特徴から、「子育て期と退職準備期が重なりやすく」、このため「住宅ローンの完済を早めることが難しくなり」、「老後の生活のために長く就労する」可能性が高まります。
 
このようなご家庭では「退職金」の多い、少ないが、その後の暮らしを考えるうえで重要な要素になります。
 
なぜならば、定年退職の年齢である60歳以降も、住宅ローンを払い続ける必要があるからです。
 
冒頭のご相談者の場合、夫が43歳のときに35年の住宅ローンを組みました。住宅ローンを払い終えるときには78歳です。
 
つまり、定年である60歳以降、18年間も住宅ローンの返済が続くことになります。
 
そして、問題の解決をより困難にしているのが、退職金が十分でないことです。
 
すべての晩婚世帯がそうではありませんが、このご家庭の場合、夫が数回転職しているため、退職金が少ない可能性がありました。
 
1500~2000万円というのが一般的な退職金のイメージです。退職金は、退職時のお給料に勤続年数や一定の率をかけ合わせて算出されるため、勤続年数が短いと必然的に金額が少なくなります。
 
単純な例として、借入時に住宅ローンの残債が4000万円だったとします。43歳で住宅ローンの返済が始まり、78歳で完済されるとすると、60歳という年齢は、ほぼ折り返し地点です。
 
仮に60歳の時点で残債が2000万円まで減ったとします。しかし、それでも、まだ2000万円残っています。
 
この時点で退職金が2000万円あれば、これで無事完済となりますが、もし、退職金の額が少ないと、老後も長い期間にわたって住宅ローンと向き合っていかなければなりません。
 
老後は、一般的に年金が生活収入の基盤になります。60歳で退職し、65歳まで再雇用。その後は完全リタイアというのが、現在における一般的なライフデザインと言えます。
 
しかし、このようなケースの場合、完全リタイアの時期が大きくずれ込み、より長く働かなければならなくなる可能性があります。
 

ローン返済計画はライフプラン全体で考える

ファイナンシャル・プラニングの原理原則からいえば、住宅ローンを組む際は退職金規定にもとづき、ご自身の退職金がいくらぐらいになりそうかを想定しておく必要があります。
 
特に、晩婚化が進んでいる現代では、その重要性が増しています。
 
もちろん、ローン返済計画で大切なのは退職金だけではありません。
 
マイホームの購入にあたっては、家計全体を見渡し、資金的なシミュレーションを施したうえで無理のない返済を心がけるようにしましょう。
 
Text:重定 賢治(しげさだ けんじ)
ファイナンシャル・プランナー(CFP)
 

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