最終更新日:2019.01.10 公開日:2018.12.18
老後

誰でも直面する『介護』というリスク 乗り切るコツはあるのかどうか

人生100年時代、介護は誰でも直面するリスクです。介護の主な担い手は同居の家族(58.7%)が最も多く、同居の家族の中では、配偶者(25.2%)が最も多く、次いで子(21.8%)、子の配偶者(9.7%)となっています。
 
また、同居の介護者の年齢は60歳以上が約70%を占め、高齢者が高齢者を介護する「老老介護」も生じています(厚生労働省「平成28年国民生活基礎調査」)。「老老介護」の問題点と解決策を考えてみたいと思います。
 

介護者の健康問題

介護者(介護をする人)が高齢だと、介護は肉体的にも精神的にもきつくなります。要介護者を移動したり、ベッドから起こしたりするときに介護者自身が腰を痛めたり骨折したりするリスクがあります。また、肉体的だけではなく、自分と同じように年を取って衰えていく要介護者を見ると精神的にもつらくなります。介護うつになる方も少なくありません。
 
介護は長期戦です。ひとりで頑張りすぎず、介護保険を上手く活用することが大切です。介護が始まる前に地域包括センターで、介護が始まった時に慌てないように、介護サービスを利用する場合の方法やサービスの内容などアドバイスを受けておくと良いでしょう。
 
要介護認定を受ければ、介護保険を使って、ベッドから起こしたり、体を拭いたりなどの身体介助をホームペルパーから受けることができます。また、介護ベッドや車いすなどの福祉用具をレンタルすることも可能です。
 
心と時間の余裕を取り戻すためには、ショートステイを利用すると良いでしょう。ショートステイは特別養護老人ホームなどに短期間入所してもらい、入浴、食事、排せつなどの介護や日常生活の世話などを受けてもらうサービスです。介護者の息抜きとして利用できます。
 
介護サービスは要介護者のためのサービスですが、デイサービスやショートステイなど介護者の負担を軽減するためにも利用できるサービスもあります。ケアマネジャーに相談してみましょう。
 

介護者も介護認定を受ける

介護保険のホームペルプサービスに生活援助があります。生活援助では、ホームペルパーに、洗濯や、部屋の掃除、調理、生活必需品の買い物などを行ってもらえます。
 
ただし、同居の家族がいる場合は、原則、生活援助は利用できません。しかし、家族と同居していても十分な援助が受けられない場合には利用できます。
 
二人暮らしの場合、介護者も要介護認定を受けることによって、介護者も要介護者も生活援助を受けることが可能になります。
 

リバースモーゲージで介護費用を捻出

公的年金や預貯金が十分にない場合、介護費用をどのように捻出するかの問題があります。持ち家のある方はリバースモーゲージの活用を検討してみてはいかがでしょうか。
 
リバースモーゲージは持ち家の自宅を担保に住み続けながら金融機関から融資を受け、死後、自宅を売却して一括返済する融資制度です。本人死亡後も配偶者が融資を引き継ぐことが可能です。
 
子どものいない夫婦や、子どもがいても自宅を遺す必要がなければ有効な方法です。一部の金融機関ではマンションも対象にしています。
 
リバースモーゲージには、「長生きリスク」「金利上昇リスク」「不動産価格下落リスク」があります。想定外に長生きすると生存中に融資枠を使い切ってしまうというリスクがあります。また、リバースモーゲージの適用金利は基本的に変動金利の場合が多く、将来金利が上昇すると返済額が膨らむリスクがあります。
 
さらに、担保不動産の評価額は定期的に見直されるので、評価額が下落して融資限度額を割り込むと、場合によっては一括返済を求められるリスクあります。
 
リバースモーゲージを利用する時は、慎重にシミュレーションし、十分納得してから利用しましょう。
 
Text:新美 昌也(にいみ まさや)
ファイナンシャル・プランナー。

新美昌也

執筆者:新美昌也(にいみ まさや)

ファイナンシャル・プランナー。

ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
http://fp-trc.com/



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