公開日:2019.09.09 老後

40代夫婦の悩み。退職金がでない場合、老後資金はどう準備する?

40代夫婦から、「就職氷河期に就職したため、定年まで勤めても退職金のない会社に勤務している。今後、老後資金はどう準備していけばよいのか」というご相談がありました。
 
退職金が公的年金の不足分をカバーする大きな原資になることを勘案すると、40代のご夫婦にとって退職金がないことは老後不安につながる悩ましい問題です。
 
青沼英明

執筆者:

執筆者:青沼英明(あおぬま ひであき)

ハッピーライフ・未来ラボ代表、CFP(R)、日本証券アナリスト協会検定会員、 宅地建物取引士、 トータル・ライフコンサルタント(生命保険協会認定FP)、第1種証券外務員

国内外の証券会社で証券アナリスト業務に従事。2012年3月より、資産運用・財産管理コンサルティング・サービスのほか、生命保険代理店、証券仲介業、不動産・老人ホーム紹介業等を兼業。

≫≫ http://www.happylife-labo.com/index.html

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青沼英明

執筆者:

執筆者:青沼英明(あおぬま ひであき)

ハッピーライフ・未来ラボ代表、CFP(R)、日本証券アナリスト協会検定会員、 宅地建物取引士、 トータル・ライフコンサルタント(生命保険協会認定FP)、第1種証券外務員

国内外の証券会社で証券アナリスト業務に従事。2012年3月より、資産運用・財産管理コンサルティング・サービスのほか、生命保険代理店、証券仲介業、不動産・老人ホーム紹介業等を兼業。

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老後資金準備の考え方

今年6月、「65歳の平均的な高齢夫婦が退職後30年暮らしていくには、年金以外に約2000万円が必要」とする金融庁の報告書が撤回される事態が起きました。
 
しかし、この報告書は老後資金準備の考え方を下記計算式で示し、「2000万円の不足額も65歳夫婦の平均金融資産2252万円でカバーできる」とするモデルケースを示したに過ぎません。
 
【準備が必要な総額】= (老後月額生活費-老後月額年金)×(必要年数×12ヶ月) 】
約 2000万円  = (   26.6万円 -  21万円   )×(  30年×12ヶ月 )

 
ここで重要なことは、いずれの金額も自分の置かれている状況に当てはめ直す必要があることです。不足額が生じれば資産形成などの対応をするよう促している妥当な提言であると思われます。
 

退職金制度のメリットとデメリット

上記モデルケースの平均金融資産には退職金が含まれており、厚生労働省の「平成30年就労条件総合調査」(※)によれば、定年退職金の平均は、大学・大学院卒で1983万円、高校卒で1159~1618万と、老後資金を支える大きな資金源であることは確かです。
 
しかし、一方で転職による労働力市場の流動化により、平成29年1年間の自己都合退職など定年以外の退職者割合が35.7%に及ぶ中では、「賃金の後払い」と「社員囲い込み」の意味合いが強い日本の退職金制度は、今の時代に合わなくなってきている感があります。
 

退職金の有無ではなく、生涯賃金をいかに稼ぐか

40代のご夫婦の残りの人生は40~50年程度見込まれる中、老後資金準備の具体策としては、(1)退職金の有無ではなく、生涯賃金をいかに稼ぐかに焦点を当て、(2)その稼いだお金を優先順位や費用対効果によって支出を抑制し、(3)最終的に貯蓄に向けるキャッシュは、リスク商品による複利効果で投資元本を増やす可能性を追求する、という手順となります。
 
まず、生涯賃金を多く稼ぐための有効策は、可能な限り長く働くことであり、政府も意欲と能力があれば働けるという雇用を切り口に、年金だけに頼る老後を変えようとしています。
 
その意味では、将来のニーズを捉えた能力や技術を磨くためには、会社に依存し過ぎず、転職や、インターネットスキルを生かして自営のクラウドワーカーに挑むなどの選択肢もあるでしょう。
 
この結果として、前述のモデルケースの65歳でリタイアせず、75歳まで月給17万円で働いたとすれば、2040万円の収入増につながり、不足額の解消も可能となります。
 

住居や保険は優先順位や費用対効果で支出抑制

40代のご夫婦世帯では、住居や保険、教育費が老後資金準備に先立つコスト負担ですが、住居や保険の優先順位や費用対効果によって支出を抑制することは可能です。
 
例えば、働き方改革や通信機器の進化に伴い、多くの企業でテレワークが進展していますが、住まい選びの価値基準も、「職住近接」優先の高額住宅購入から、環境やライフスタイルの変化に柔軟に対応できる郊外の賃貸が選択肢となるでしょう。そうなれば、住宅コストを抑制し、老後資金準備に振り向ける資金が生まれます。
 

低金利下でのリスク資産運用は必須

現在の低金利下では、労働収入と支出抑制によって最終的に貯蓄に向けるキャッシュを、リスク商品による複利効果で投資元本を増やす可能性を追求する、老後資金準備として必須と考えます。
 
例えば、40歳から60歳までの20年間、毎月3万円の積み立てを行う場合、20年間の元金720万円(3万円×12ヶ月×20年)に対し、金利0.01%の銀行預金の利息はわずか7175円に過ぎませんが、年3%で運用できれば利益は約265万円と、複利効果の大きさは顕著です(いずれも税額等は控除せず)。
 
年3%での運用は、ミドルリスク・ミドルリターンの投資信託で十分に到達可能であるため、投資初心者の方は、優遇税制が大きいつみたてNISAや、個人型確定拠出年金のiDeCoなどの積立投資を、老後資金準備として活用するとよいでしょう。
 

まとめ

日本の名目GDPは、平成の30年間で縮小し、国民の豊かさを示す指標である一人当たり名目GDPも、大幅に下がりました。こうした日本経済の長期低迷が私たちの家計にも影響を及ぼしています。
 
こうした中では、年金や医療などの社会保障制度に頼り切ることは困難であり、今回お話した、「一定のリスクに挑み、自分や家族の生活は自分で守る」という姿勢が必要かもしれません。
 
出典 (※)厚生労働省 平成30年就労条件総合調査 退職給付(一時金・年金)の支給実態
 
執筆者:青沼英明
ハッピーライフ・未来ラボ代表、CFP(R)、日本証券アナリスト協会検定会員、 宅地建物取引士、 トータル・ライフコンサルタント(生命保険協会認定FP)、第1種証券外務員

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