更新日: 2022.02.22 セカンドライフ

65歳以上で失業した人がもらえる「高年齢求職者給付金」。失業手当と何が違うの?

執筆者 : 新井智美

65歳以上で失業した人がもらえる「高年齢求職者給付金」。失業手当と何が違うの?
なんらかの理由で会社を辞めたなどで失業の状態になった際には、要件を満たすことで失業手当を受けることができます。
 
その失業手当の1つとして「高年齢求職者給付金」制度が存在しますが、これは通常の失業手当とどのような違いがあるのでしょうか? 今回はこの「高年齢求職者給付金」について解説します。
新井智美

執筆者:新井智美(あらい ともみ)

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

聞くのは耳ではなく心です。
あなたの潜在意識を読み取り、問題解決へと導きます。
https://marron-financial.com

高年齢求職者給付金とは?

高年齢求職者給付金は、65歳以上の雇用保険加入者が受けられる失業手当です。この支給を受けるためには、以下の要件をすべて満たしていることが必要です。

要件1:離職をした日よりも前1年間に被保険者であった期間が通算して6ヶ月以上あること
要件2:失業の状態にあること

ここでいう「被保険者であった期間」とは、雇用保険の被保険者であった期間のうち、離職した日から1ヶ月ごとに区切った期間において、賃金の支払いの基礎となった日が11日以上ある月を1ヶ月として計算します。
 
なお、特例措置として、2020年8月1日以降に離職した人に関しては、賃金の支払いの基礎となった日が11日以上ある月が6ヶ月に満たなかったとしても、賃金の支払いの基礎となった時間数が80時間以上ある月を1ヶ月とみなして計算します。
 
また、「失業の状態」とは、就職したいという意思および就職可能な能力があり、求職活動を行っているにもかかわらず、就職先が見つからない状態をいいます。
 
したがって、家事や学業に専念する人や、自分で事業を行っている人、次の就職先が見つかっている人などは対象となりません。
 
なお、高年齢被保険者とは、65歳以上の被保険者であり、かつ短期雇用被保険者や日雇労働被保険者ではない人のことをいいます。
 
(参考:厚生労働省「高年齢求職者給付金のご案内」(※))
 

公式サイトで申し込み

【PR】アイフル

aiful

おすすめポイント

WEB完結(郵送物一切なし)
・アイフルならご融資可能か、1秒で診断!
最短1時間でご融資も可能!(審査時間込)

融資上限額 金利 審査時間
最大800万円 3.0%~18.0% 1秒診断(※)
WEB完結 無利息期間 融資スピード
※融資まで 30日間 最短20分
※お申し込みの時間帯により翌日以降になる場合があります。
※診断結果は、入力いただいた情報に基づく簡易なものとなります。
 実際の審査では、当社規定によりご希望にそえない場合もあります。

失業手当との違い

では、この高年齢求職者給付金と、以前からある失業手当との違いは、どのような点にあるのでしょうか。

■年金もあわせて受給できる

65歳以上であれば、繰り下げ受給を選択していない限り、年金の受給が始まっています。
 
高年齢求職者給付金の受給に関しては、年金を受給していることを理由とした給付制限は設けられていません。したがって、年金とあわせて給付金を受けることができるということは、休職期間の生活が不安な高齢者にとって非常に助かる制度といえます。
 

■支給額の違い

高齢者求職者給付金の支給額は、被保険者であった期間に応じて決まっています。
 
具体的には、被保険者であった期間が1年未満の場合30日分、1年以上ある場合は50日分となっています。また、手当の日額は原則として、離職の日の直前6ヶ月間の、毎月決まって支払われる賃金の1日当たりの額を、所定の基本手当の計算方法で計算します。
 

■失業認定は1度でよい

通常の失業手当を受ける際には、4週間ごとにハローワークに出向き、失業認定を受ける必要がありますが、高年齢求職者給付金の場合、失業認定は最初の1度だけです。失業認定を受けた後に、50日分の支給額が1度に振り込まれます。
 

高年齢求職者給付金の受給手続き

高年齢求職者給付金を受給する際には、ハローワークでの手続きが必要です。
 

■必要書類

ハローワークでの手続きの際には以下の書類をそろえて持参するようにしましょう。

●離職票1および2
●マイナンバーカード(マイナンバーカードを持っていない場合は、個人番号が確認できる書類に加え、運転免許証などの本人確認書類が必要)
●写真
●本人名義の預金通帳(キャッシュカードも可)

 

■受給の際の注意点

給付金を受けるまでには、ハローワークにて離職票を提出し、求職の申し込みを行ってから7日間の待機期間があります。
 
さらに自己都合で退職した場合は、7日間の待機期間に加え、2ヶ月間の給付制限がある点に注意しましょう。
 
また、受給できる期間は離職した日の翌日から1年間です。それを過ぎた日数分は受給できませんので、離職後早めに手続きを行うようにしましょう。
 

まとめ

2017年に雇用保険法が改正され、65歳以上の人も雇用保険へ加入できるようになりました。さらに、2020年の改正年金法では、70歳までの雇用機会確保が努力義務とされています。
 
このように高齢者の雇用の機会推進が図られている今だからこそ、この「高年齢求職者給付金」についてもしっかりと理解しておく必要があります。
 
年金とあわせて受給できる点や、給付金が一括で支給される点は非常にありがたい制度ではないでしょうか。
 
高年齢求職者給付金の被保険者期間の計算方法は失業手当と同じですが、受給額や認定日などに違いがあります。この違いをしっかりと理解し、離職後1年を超えた部分については支給されない点などを把握しながら、早めの手続きを心がけましょう。
 
(※)厚生労働省ハローワーク 「高年齢求職者給付金のご案内」
 
執筆者:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員