更新日: 2024.04.10 定年・退職

今年定年退職します。再就職先が決まらない場合、しなくてはいけない手続きは何かありますか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

今年定年退職します。再就職先が決まらない場合、しなくてはいけない手続きは何かありますか?
定年退職をしたら、今まで会社が行っていた年金・健康保険・税金を自分で支払うために手続きが必要です。また、再就職を考えている場合は雇用保険の手続きが必要になります。会社から書類を受け取って役所等で手続きが必要な場合もあるので、やるべきことをピックアップして必要な書類と共に把握しておくことが重要です。
 
本記事では、定年退職する際に必要な年金や保険、税金に関する手続きについて解説します。
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定年退職後無職になる場合に必要な手続き

再就職先が決まらずに定年退職をした場合、年金と健康保険に関する手続きが必要です。
 
65歳で定年退職をして年金を受給したい場合、年金支給開始年齢到達月の3ヶ月前に届く年金請求書を確認のうえ請求手続きを行います。分からないことがある場合は、最寄りの年金事務所に問い合わせてください。なお、年金手帳を会社に預けている場合は、退職の際に必ず返却してもらいましょう。
 
年金の繰下げ受給をする方は特別な手続きは必要ありません。ただし、年金請求書の確認はしておきましょう。
 
健康保険は退職後、現在加入している健康保険組合への任意継続・国民健康保険への切り替え、配偶者の扶養に入るといった選択肢があります。それぞれ、手続きの期限が決まっていますので、退職するまでにどの方法を取るのか決めておきます。
 
このほか、「退職所得の源泉徴収票」「給与所得の源泉徴収票」を忘れずに受け取っておきましょう。
 

定年退職後に失業保険を受給したい場合の注意点

定年退職後に再就職を希望する場合、失業保険の受給を検討している方もいるでしょう。しかし、失業保険は「退職日が65歳の誕生日前々日(2日前)」まででなければ、受給資格がありません。
 
例えば3月31日づけで退職した場合、誕生日が4月2日ならば退職金の給付対象です。しかし、4月1日生まれの方は給付対象外になります。したがって、失業保険を受給しながら再就職活動をしたい場合は、退職日に注意してください。また、65歳の誕生日前々日までに退職しても「特別支給の老齢厚生年金」を受給している方は、失業保険と同時受給はできないので注意しましょう。
 
65歳以上で退職して再就職活動をする場合、失業保険の代わりに「高年齢求職者給付金」が申請できます。概要は以下のとおりです。

・雇用保険の加入期間が1年以上の場合:基本手当の日額に相当する額の50日分
 
・雇用保険の加入期間が1年未満の場合:基本手当の日額に相当する額の30日分

高年齢求職者給付金は一括受給できるほか、受給回数に制限がないといったメリットがある反面、失業保険と比べて給付日数が少ない、期間延長がないといったデメリットもあるので、よく考えて受給を検討してください。
 

健康保険は加入できるものの特徴を把握しておく

定年退職後に加入する健康保険は、加入できるものの特徴を把握しておきましょう。おおよその特徴は以下のとおりです。

・会社の健康保険を任意継続する:退職時の標準報酬月額に基づいて保険料が決定される(原則として2年間変わらない)。扶養家族の保険料はかからない。ただし、保険料は全額自己負担になる。
 
・国民健康保険に入る:前年度の所得などに応じて保険料が決定する。扶養家族も加入が必要。保険料の減免制度などがある。
 
・配偶者や子どもの扶養に入る:保険料はかからないが、収入が一定額を超えると扶養から抜けなければならない。

保険料や家族の雇用形態、勤務状況などを考えたうえで検討してください。
 

退職金は原則として確定申告する必要はない

退職金が支給される会社に勤めていた場合、勤務先に「退職所得の受給に関する申告書」を提出しておけば、退職金にかかる税金は源泉徴収で課税が終了します。したがって、確定申告をする必要はありません。
 
しかし、寄付金控除や医療費控除などを受ける場合は確定申告が必要です。また、「退職所得の受給に関する申告書」を提出していない場合には、退職金の収入金額から一律20.42%の所得税と復興特別所得税が源泉徴収されます。したがって、確定申告による精算が必要です。
 

定年退職後は必要な手続きを忘れずに行おう

定年退職をしたら、年金を受給する方は年金請求に関する手続きが必要です。また、どのような形で健康保険に加入するのか決めておき、各種手続きを行ってください。
 
定年退職後、改めて就職活動をする場合、退職日と年齢によって失業保険の受給資格がある場合と、ない場合があるので注意が必要です。定年退職が近づいてきたら、退職後のライフプランを組み立てて必要な手続きのやり方を確認しておきましょう。
 

出典

国税庁 退職金と税
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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