最終更新日: 2021.04.26 公開日: 2021.04.27
年金

働きすぎると年金停止も。シニア世代が選択するべき働き方

執筆者 : 柘植輝

年金を受けながら働くとき、収入が一定額を超えると年金の一部ないし全部の支給が停止される在職老齢年金という仕組みがあります。
 
在職老齢年金はシニア世代が働き方を考えるにあたり、重要な要素になります。そこで、今回は在職老齢年金という観点からシニア世代の働き方を考えていきます。
 
柘植輝

執筆者:

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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https://www.secure-cloud.jp/sf/1611279407LKVRaLQD/

2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

柘植輝

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在職老齢年金とは

在職老齢年金とは、60歳以上の方が老齢厚生年金を受給しながら厚生年金の被保険者として働く場合、受け取る年金の額と月給・賞与の額が一定額を超えると、その収入に応じて受け取れる厚生年金の一部ないし全額の支給が停止される仕組みです。
 
在職老齢年金は60歳以上65歳未満の場合と、65歳以上とで内容が異なります。
 
60歳から65歳未満であれば、老齢厚生年金の月額と総報酬月額相当額(給与を基に算出された標準報酬月額に、直近1年間の賞与を12で割った額を足したもの)の合計額が28万円を超えると、年金の一部が支給停止されます。なお、高年齢雇用継続給付を受けている場合は、さらに年金が一部支給停止されます。
 
そして65歳以上の場合、老齢厚生年金の月額と総報酬月額相当額の合計が47万円を超えると年金の一部支給停止が始まります。
 
なお、現行においては60歳以上65歳未満の在職老齢年金は28万円が基準となりますが、令和4年4月からは65歳以上と同様に47万円へと引き上げられることを覚えておいてください。
 

シニア世代の働き方を在職老齢年金を軸に考える

それでは、実際にシニア世代の働き方について、在職老齢年金という仕組みを軸に効率の良い方法を考えていきましょう。主に次の2点のどちらかを選ぶことによって、年金を受けながら効率良く働くことができます。
 

働く時間を調整する

一番の方法は厚生年金に加入しなくてもいいように働く時間を抑えることです。基本的には、その事業所で働く一般的な社員の4分の3未満の就業時間にしておけば厚生年金に加入しなくて済みます。ただ、それ未満であっても次の全ての条件を満たすことで厚生年金に加入することとなるため、注意してください(令和3年4月現在)。
 

1.週の所定労働時間が20時間以上あること
2.雇用期間が1年以上見込まれること
3.賃金の月額が8万8000円以上であること
4.学生でないこと
5.厚生年金保険の被保険者数が常時501人以上の法人・個人の適用事業所、および国または地方公共団体に属する全ての適用事業所に勤めていること

 
なお、厚生年金保険の被保険者数が501人未満の法人・個人の適用事業所であっても、労使合意に基づき申し出をした場合は、任意特定適用事業所となり、適用事業所として扱われます。
 

雇用されない働き方を選ぶ

自営業や業務委託、フリーランスなど雇用契約が存在しない働き方を選べば、そもそも厚生年金に加入する必要はなくなるため、在職老齢年金を気にすることなく働くことができます。
 

年金の繰り下げに注意

在職老齢年金で減額されてしまうなら、いっそ年金の受給開始時期を65歳よりも後に繰り下げればいいと思っている方は注意が必要です。
 
本来、年金は繰り下げをすればその分、増額された金額を後から受け取ることができるのですが、在職老齢年金によって減額対象となり得る部分については、その割り増し分が適用されず、減額対象とならない部分のみ増額の対象になるからです。
 
例えば、在職老齢年金の仕組みで2万円ほど減額されてしまう場合、その2万円の部分については繰り下げによる増額対象にならないということです。そのため、働きながら年金の繰り下げをしても、思うほど年金が増額されないということもあるので注意してください。
 

シニア世代の働き方は年金の仕組みとともに考える

シニア世代の働き方は年金の受給問題にもつながるため、年金と切り離して考えることはできません。特に在職老齢年金の仕組みは年金額が大幅にカットされる原因にもなるため、十分に考えておきたいところです。
 
シニア世代の働き方については最寄りの年金事務所や街角の年金相談センター、ねんきんダイヤルなどで相談し、できる限り納得のいく働き方を選ぶようにしてください。
 
執筆者:柘植輝
行政書士