更新日: 2021.05.21 その他年金

年金手帳、色別で何がちがう?

年金手帳、色別で何がちがう?
家族や親戚の年金手帳を目にしたとき、自分の年金手帳とは色が違って驚いたという経験はありませんか?
 
年金手帳は、なぜ色ごとに分かれているのでしょうか。あまり知られていない年金手帳の色の秘密に迫ります。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

年金手帳とは

年金手帳とは自身の基礎年金番号や加入記録など大切な情報が記載されていると同時に、自身の年金加入記録とひもづいている手帳です。年金手帳は2022年4月に交付が廃止され代わりに基礎年金番号通知書が交付されることになっています。交付が廃止になるとはいえ、既に交付されている年金手帳については引き続き有効なままとなります。
 

年金手帳の色は全部で3種類

現在、年金手帳には次の3種類の色があります。
 

出典:日本年金機構 「基礎年金番号・年金手帳について」
 

●茶色
●オレンジ色
●青色

 
これらの色分けは、年金の被保険者としての資格取得手続きをいつ行ったかによって異なっています。それでは、具体的にどういう区分けがされているか確認していきます。
 

茶色の年金手帳を持っているのはどんな方?

茶色の年金手帳は、昭和35年10月から昭和49年10月の間に国民年金の加入手続きを行った方に発行されたものになります。この当時、厚生年金加入者の方には年金手帳が発行されておらず、後述の厚生年金保険被保険者証が発行されていました。
 

オレンジ色の年金手帳を持っているのはどんな方?

オレンジ色の年金手帳は、昭和49年11月から平成8年12月までの間に年金加入の手続きを行った方に発行されたものになります。国民年金と厚生年金が1つの年金手帳に統合されたのはここからです。
 

青色の年金手帳を持っているのはどんな方?

青色の年金手帳は、平成9年1月以降に年金加入の手続きをされた方に発行されるものになります。現在交付されている年金手帳は、この青い手帳です。
 

年金手帳以外にも年金加入者としての資格を証明するものがある

過去には、厚生年金被保険者証や基礎年金番号通知書なるものが発行されていました。具体的には次のようなものです。
 

厚生年金保険被保険者証

出典:日本年金機構 「基礎年金番号・年金手帳について」
 
厚生年金保険被保険者証とは、昭和29年5月から昭和49年10月の間に厚生年金の加入手続きを行った方に発行されたものです。この被保険者証は生涯所持し続けるもので、年金の請求の際などに必要となります。
 
年金の請求手続きに使っていない厚生年金保険被保険者証が見つかった場合、年金加入記録の統合が正しく行われておらず、正しい年金額を受け取っていない恐れがあります。
 
その場合、年金を既に受け取っているケースも含めて受け取れる年金額が増える可能性がありますので、至急、年金事務所に確認するようにしてください。仮に本人が亡くなっていたとしても、未支給分の年金として受け取れる可能性があります。
 
なお、厚生年金保険被保険者証をお持ちの場合、申請することで年金手帳の発行を請求することもできます。
 

基礎年金番号通知書

出典:日本年金機構 「基礎年金番号・年金手帳について」
 
基礎年金番号通知書とは、公務員など共済組合の加入期間しかない方に発行されているものです。これは年金手帳ではありませんが、年金手帳と同様の役割を果たすものです。年金の受給や年金情報の照会に必要となりますので、年金手帳同様、大切に保管するようにしてください。
 

年金手帳の色は主に交付時期の違いによるもの

年金手帳は発行された時期によって色が違っており、現行で交付されているのは青い年金手帳になります。ただ、どの年金手帳も再発行などがされていない限り、有効なままです。
 
年金手帳は年金に関する手続きに利用するものなので、紛失したり、忘れていた古い年金手帳や厚生年金保険被保険者証などが出てきた場合、速やかに年金事務所などへ連絡し、今後の取り扱いについて相談するとよいでしょう。
 
出典
日本年金機構 基礎年金番号・年金手帳について
日本年金機構 年金手帳に切り替わる以前の『被保険者証』をお持ちではありませんか?
厚生労働省 年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律の概要
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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