更新日: 2021.07.09 年金

遺族年金の受給額をあらかじめ知る方法って?

執筆者 : 堀江佳久

厚生労働省によると、2019年の日本人の平均寿命は女性87.45歳、男性81.41歳であると公表されています(※1)。
 
女性のほうが男性よりも6歳ほど長生きすることになりますので、同じ年齢の夫婦であった場合には、平均的には夫が先に亡くなって、妻が遺されることになります。
 
仮に生計を夫の給料や厚生年金に頼っていて、夫が先に亡くなり妻が1人になった場合、遺された妻の生活をどのようにしていくかを考えておく必要があります。
 
こういったときのために、遺された人が年金を受け取る遺族年金制度があります。遺族年金の制度を理解しておくことが大切です。
 
しかし、遺族年金の受給額は、夫の職業や収入、そして妻の年金収入などによって変わってきますので、どのような仕組みになっているのかを確認してみましょう。
 
なお、遺族年金には、「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」の2つがありますので、以下それぞれについて詳しく見ていきたいと思います。
 
堀江佳久

執筆者:

執筆者:堀江佳久(ほりえ よしひさ)

ファイナンシャル・プランナー

中小企業診断士
早稲田大学理工学部卒業。副業OKの会社に勤務する現役の理科系サラリーマン部長。趣味が貯金であり、株・FX・仮想通貨を運用し、毎年利益を上げている。サラリーマンの立場でお金に関することをアドバイスすることをライフワークにしている。

堀江佳久

執筆者:

執筆者:堀江佳久(ほりえ よしひさ)

ファイナンシャル・プランナー

中小企業診断士
早稲田大学理工学部卒業。副業OKの会社に勤務する現役の理科系サラリーマン部長。趣味が貯金であり、株・FX・仮想通貨を運用し、毎年利益を上げている。サラリーマンの立場でお金に関することをアドバイスすることをライフワークにしている。

遺族基礎年金

遺族基礎年金は、国民年金の被保険者等であった方が、受給要件を満たしている場合、亡くなられた方によって生計を維持されていた「子のある配偶者」または「子」が、受け取ることができる制度です。
 

1.受給要件

被保険者または老齢基礎年金の受給資格期間が25年以上ある者が死亡したとき。ただし、死亡した者について、死亡日の前日において保険料納付済期間(保険料免除期間を含む)が加入期間の3分の2以上あることが必要です。
 

2.対象者

死亡した者によって生計を維持されていた、子のある配偶者もしくは子。
 
ここで、子とは18歳になった年度の3月31日までの間にある子(受給要件を満たした国民年金または厚生年金保険の被保険者〈被保険者であった方〉が死亡した当時、胎児であった子も出生以降に対象)。
 
もしくは、20歳未満で、障害等級1級または2級の障害状態にある子。ただし、婚姻していないことが条件です。
 

3.年金額

78万900円+子の加算額です。ここでいう子の加算額は、第1子・第2子は各22万4700円、第3子以降は各7万4900円です。
 
なお、子が遺族基礎年金を受給する場合の加算は第2子以降について行い、子1人あたりの年金額は、上記による年金額を子供の数で除した額です。
 
(引用・抜粋:日本年金機構「遺族年金」(※2))
 

遺族厚生年金

厚生年金保険の被保険者等であった方が、受給要件を満たしている場合、亡くなられた方によって生計を維持されていた遺族が、遺族厚生年金を受け取ることができます。
 

1.受給要件

 
(1)被保険者が死亡したとき、または被保険者期間中の傷病がもとで初診の日から5年以内に死亡したとき。
 
ただし、遺族基礎年金と同様、死亡した者について、死亡日の前日において保険料納付済期間(保険料免除期間を含む)が国民年金加入期間の3分の2以上あることが必要です。
 
また、令和8年4月1日前の場合は死亡日に65歳未満であれば、死亡日の前日において、死亡日の属する月の前々月までの1年間の保険料を納付しなければならない期間のうちに、保険料の滞納がなければ受けられます。
 
(2)老齢厚生年金の受給資格期間が25年以上ある者が死亡したとき。
(3)1級・2級の障害厚生(共済)年金を受けられる者が死亡したとき。

 

2.対象者

死亡した者によって生計を維持されていた、下記者が対象です。
 
(1)妻
(2)子、孫(18歳到達年度の年度末を経過していない者または20歳未満で障害年金の障害等級1・2級の者。
(3)55歳以上の夫、父母、祖父母。

 
ただし、支給開始は60歳からです。また、夫は遺族基礎年金を受給中の場合に限り、遺族厚生年金も合わせて受給できます。
 
なお、子のない30歳未満の妻は、5年間の有期給付となります。また、子のある配偶者、子は、遺族基礎年金も併せて受けられます。
 

3.年金額

報酬比例部分の年金額は、下記1の式によって算出した額となります。
 
なお、1の式によって算出した額が下記2の式によって算出した額を下回る場合には、2の式によって算出した額が報酬比例部分の年金額になります。
 

■報酬比例部分の年金額(本来水準)

受給年額 =(平均標準報酬月額×7.125/1000×平成15年3月までの被保険者期間の月数+平均標準報酬額×5.481/1000×平成15年4月以降の被保険者期間の月数)×3/4

 

■報酬比例部分の年金額(従前額保障)

ここで、従前額保障とは、平成6年の水準で標準報酬を再評価し、年金額を計算したものです。
 
受給年額 =(平均標準報酬月額×7.5/1000×平成15年3月までの被保険者期間の月数)+ 平均標準報酬額×5.769/1000×平成15年4月以降の被保険者期間の月数)×1.001(注)×3/4
 
(注)昭和13年4月2以降に生まれた方は、0.999となります。
 
(引用・抜粋:日本年金機構「遺族厚生年金(受給条件・支給開始時期・計算方法)(※3)、日本年金機構「遺族年金」(※2))

 
これら受給年額に、条件が該当する場合には、中高齢寡婦加算や経過的寡婦加算があります。また、老齢厚生年金の受給権を有する場合の仕組みなど、さまざまなケースが考えられます。
 
したがって、具体的な金額が知りたい方は、お近くの年金事務所もしくは、年金相談センターでご相談されることをお勧めします。
 
引用・抜粋
(※1)厚生労働省「令和元年簡易生命表の概況」

(※2)日本年金機構「遺族年金」

(※3)日本年金機構「遺族厚生年金(受給条件・支給開始時期・計算方法)

 
執筆者:堀江佳久
ファイナンシャル・プランナー