更新日: 2022.08.02 その他年金

「年金生活者支援給付金」とは? 年金受給者は支給漏れがないか確認しよう

執筆者 : 西岡秀泰

「年金生活者支援給付金」とは? 年金受給者は支給漏れがないか確認しよう
日本年金機構から送付される「年金生活者支援給付金請求書」を見たことはあるでしょうか。
 
給付金の内容が分からないままに請求手続をしないでいると、本来受け取れる給付金がもらえません。
 
本記事では、年金生活者支援給付金について解説します。支給要件や給付金額、手続き方法についても紹介しますので、支給漏れがないか確認しましょう。

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西岡秀泰

執筆者:西岡秀泰(にしおか ひでやす)

社会保険労務士・FP2級

年金生活者支援給付金とは

年金生活者支援給付金(以下、支援給付金)とは、2019年10月1日の消費税率10%への引き上げと同時にスタートした、年金受給者を支援するための制度です。消費税の引き上げ分を利用して、所得水準が一定以下の公的年金受給者に対して給付金が支給されます。
 
「年金生活者支援給付金の支給に関する法律施行令」という政令に基づく制度ですが、請求書の案内や受理は日本年金機構が行います。
 

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年金生活者支援給付金の支給要件と給付金額

支援給付金の対象となるのは、老齢基礎年金または遺族基礎年金、障害基礎年金のいずれかの受給者です。受給する年金の種類によって、支給要件や給付金額が異なります。
 

老齢基礎年金の受給者

老齢基礎年金を受給している人で支援給付金を受給できるのは、次の要件を満たす人です。

・65歳以上の老齢基礎年金の受給者であること。繰り上げ受給している65歳未満の人は含まれません。
・同一世帯の全員が市町村民税が非課税である
・前年の公的年金等の収入金額とその他の所得との合計額が、88万1200円以下である

給付金額(月額)は、次の(1)と(2)の合計金額です。なお、給付金額は毎年4月に改定されます。本記事では2022年4月から2023年3月までの給付金額を紹介します。

(1)保険料納付済期間に基づく額=5020円×保険料納付済期間/480月
(2)保険料免除期間に基づく額=1万802円×保険料免除期間/480月

20歳から60歳までの国民年金被保険者期間(480月)の保険料をすべて納付した人は、月額5020円(=5020円×480月/480月)の支援給付金が受け取れます。
 
ただし、次に該当する人は給付金額の計算方法が異なるため、厚生労働省のホームページ(出典欄に掲載)などで確認しましょう。

・前年の公的年金等の収入とその他所得との合計額が78万1200円を超える人
・1941年4月1日以前生まれの人
・全額免除以外の保険料免除期間のある人

 

障害基礎年金の受給者

障害基礎年金を受給している人で支援給付金を受給できるのは、「前年の所得が472万1000円以下」の人です。障害年金は非課税所得であるため、前年の所得には含まれません。また、扶養家族がいる場合、前年の所得金額は増額されます。
 
給付金額(月額)は、障害等級に応じて次の通りです。

・障害等級1級: 6275円
・障害等級2級: 5020円

 

遺族基礎年金の受給者

遺族基礎年金を受給している人で支援給付金を受給できるのは、障害年金と同じ「前年の所得が472万1000円以下」の人です。遺族基礎年金も非課税所得で扶養家族がいる場合は、前年の所得が増額されます。
 
給付金額(月額)は、一律5020円です。ただし、2人以上の子が受給している場合は、5020円を子の人数で割った金額がそれぞれに支払われます。
 

年金生活者支援給付金の請求手続き

基礎年金などを受給している人のうち、支援給付金を受給できる可能性がある人には、毎年9月頃に日本年金機構からはがき形式の請求書が送付されます。
 
2021年に送付された郵送封筒と請求書は、図表1の通りです。請求書の裏面には、支援給付金の見込額が記載されているので確認しましょう。
 
【図表1.年金生活者支援給付金請求書】

図表1

 
出典:日本年金機構「令和3年度の年金生活者支援給付金の簡易な請求書(はがき型)の送付について」
 
請求書の記載事項は、「記入日」と「請求者の氏名」、「電話番号」です。支援給付金が支給されるのは、原則請求書を提出した月の翌月からとなるため、請求の案内が届いたらすぐに請求しましょう。
 
新たに老齢基礎年金などを受給する場合、年金事務所で年金請求手続きすれば支援給付金も同時に案内してもらえます。郵送で年金請求する場合は、支援給付金の請求も忘れずに行いましょう。請求書は日本年金機構のホームページからダウンロードできます。
 
なお、既に支援給付金を受給している人は、再度手続きする必要はありません。所得などの支給要件の確認は毎年行われますが、要件を満たしていれば支援給付金は継続して支給されます。
 

年金生活者支援給付金の案内が届いたら、すぐに手続きしよう

支援給付金は、月額5000円前後(受給している年金の種類などによって異なる)と高額ではありませんが、支給要件を満たせば継続的に受給できます。
 
支援給付金は原則、請求した月の翌月からしか支給されないため、請求案内が届いたらすぐに手続きしましょう。
 

出典

厚生労働省 年金生活者支援給付金制度について
日本年金機構 令和3年度の年金生活者支援給付金の簡易な請求書(はがき型)の送付について
 
執筆者:西岡秀泰
社会保険労務士・FP2級