執筆者: 横田恵
そこで今回は、男女別、年代別、企業規模別で薬剤師の平均月収をまとめました。また、職場ごとの平均月収も調査しましたので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
月収とは?ボーナスなどを含めた【年収の月平均】を指します
年収を12分割したものが月収です。年収は1年間の収入の合計で、基本給や残業手当、ボーナスなども含まれます。また、年収は各種保険料などを引いていないものを指し、その年収を12分割した月の平均額を月収と言います。
薬剤師の月収はいくら?パターン別の調査結果
まずは、これから出てくる項目の簡単な説明をします。
【所定内給与額とは…】超過労働給与額(残業手当、休日手当、深夜手当など)を含めない月給
【きまって支給する現金給与額とは…】所定内給与額に超過労働給与額を含めた月給
【年間賞与その他特別給与額とは…】ボーナス
と、ざっくりとした説明ですが、このように考えて調査結果を見ていきましょう。
※月収=(年間賞与その他特別給与額÷12)+きまって支給する現金給与額
薬剤師の平均月収
【きまって支給する現金給与額】39万8600円【年間賞与その他特別給与額】83万3300円
【月収】46万8042円
厚生労働省:職種別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(2019年)職種/薬剤師
【男女別】薬剤師の平均月収
●男性【きまって支給する現金給与額】42万6000円
【年間賞与その他特別給与額】88万6800円
【月収】50万500円
●女性
【きまって支給する現金給与額】37万9900円
【年間賞与その他特別給与額】79万7800円
【月収】44万6383円
厚生労働省:職種別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(2019年)職種/薬剤師
男女で月収を比較すると、男性の方が約5万円高いことが分かります。薬剤師は特に、年数でキャリアを積むほど収入が高くなる傾向があるので、産休や育休で職を離れる人が女性の方が多いことなどが理由として予想できます。
【男女・年代別】薬剤師の平均月収
年代\項目 | 【きまって支給する現金給与額】 男性 女性 | 【年間賞与その他特別給与額】 男性 女性 | 【月収】 男性 女性 |
---|---|---|---|
20~24歳 | 278,300 325,100 | 22,800 9 | 280,200 325,101 |
25~29歳 | 348,500 330,300 | 781,900 677,700 | 413,658 386,775 |
30~34歳 | 406,200 348,300 | 936,400 897,200 | 484,233 423,067 |
35~39歳 | 463,000 389,400 | 980,100 750,400 | 544,675 451,933 |
40~44歳 | 461,700 408,200 | 980,400 888,300 | 543,400 482,225 |
45~49歳 | 498,400 411,600 | 1,061,000 1,075,600 | 586,817 501,233 |
50~54歳 | 518,900 492,000 | 965,400 805,400 | 599,350 559,117 |
55~59歳 | 518,800 415,900 | 1,073,800 1,200,600 | 608,283 515,950 |
60~64歳 | 456,800 394,400 | 590,400 508,400 | 506,000 436,767 |
65~69歳 | 375,000 444,100 | 946,100 675,200 | 453,842 500,367 |
70歳~ | 365,600 406,200 | 464,100 294,700 | 404,275 430,758 |
厚生労働省:職種・性、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(2019)職種/薬剤師
年代別の月収平均を見てみると、男女で動きに少し変化がありました。全体的に見てみると、男女共に年齢と共に月収もアップしています。しかしよく見てみると、男性は30代後半から40代前半にかけて若干ですが月収が下がっています。
一方、女性はと言うと50代後半から60代前半にかけて、月収が約8万円ダウンしています。さらに定年時期を比べると、男性は60代前半から60代後半にかけて、女性は60代後半から70代前半にかけてダウンする動きとなっています。
とはいえ、基本的には薬剤師の年代別の月収は、年々アップしていくと考えて良いでしょう。
【企業規模別】薬剤師の平均月収
企業規模\項目 | 【きまって支給する現金給与額】 | 【年間賞与その他特別給与額】 | 【月収】 |
---|---|---|---|
10~99人 | 440,400 | 895,000 | 514,983 |
100~999人 | 396,900 | 722,500 | 457,108 |
1000人以上 | 372,800 | 882,300 | 446,325 |
厚生労働省:職種別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(2019年)薬剤師/規模別
企業規模別で薬剤師の月収を比べると、規模が小さい企業の方が月給が良いことが分かります。しかし、ボーナスなどを比べると大きな企業が伸びを見せるも、やはり小さな企業には及ばず。月収で比べると100人~999人の企業が最も低い結果となり、最も高いのは10人~99人の企業、次に月収が良いのは1000人以上の企業となっています。
月収が良いのはどこ?薬剤師の求人を調査
求人情報で薬剤師の月収を、職場ごとにまとめました。
ドラッグストア
●月収:42~58万円薬剤師の求人をドラッグストアで絞って検索すると、年収は500~700万円程でした。この年収を月収にすると約42~58万円。医療用医薬品ではなく自分で選んで購入できる、OTC医薬品のみを扱うドラッグストアは調剤ありの調剤薬局よりも月収が良い場合もあります。
調剤薬局
●月収:35~58万円薬剤師の求人を調剤薬局で絞って検索すると、年収は420~700万円程でした。この年収を月収にすると約35~58万円となります。調剤薬局はその名の通り調剤も行うため、ドラッグストアよりも月収が良いイメージを持っている方も多いです。
しかし実際は、調剤なしのOTC医薬品を販売するドラッグストアの方が、月収が良い場合が多いです。ただし、役職が付いたものの求人は、75万円など月収がぐっと上がるものもあります。
病院
●月収:30~50万円薬剤師の求人を病院で絞って検索すると、年収は360~600万円程でした。この年収を月収にすると約30~50万円となります。病院の薬剤師となるととても忙しいイメージがある方が多いでしょう。
その割には最も月収が低い結果となっています。ただし、病院には託児所ありなど規模が大きいからこそのメリットも。共働きで子育てをする薬剤師は、月収だけで決めるのではなく子どもを預けられるところを選ぶのも良いかもしれません。
薬剤師の月収の調査報告!あなたに合った働き方を選択するのがベスト
今回は薬剤師の月収を、男女別、年代別、企業規模別に分けて平均月収をご紹介しました。年代が増すごとに月収も増え、企業規模別では10~99人の小さな企業の方が月収が良い結果でした。
また、ドラッグストア、調剤薬局、病院と、職場ごとで月収を比較した場合、ドラッグストアが最も高い月収で、次に調剤薬局、病院という並びになりました。この結果を「意外」と感じる方は多いかもしれません。
薬剤師は職場によって仕事内容が大きく変化する職業ですので、月収も含め自分に合った職場選びができると良いですね。