病院薬剤師が転職するには?転職の理由やメリットも解説 |ファイナンシャルフィールド

病院薬剤師が転職するには?転職の理由やメリットも解説

終更新日: 2021.03.26 公開日: 2020.12.24

星野宏

執筆者: 星野宏

・キャリアサポートオフィス process代表 キャリアコンサルタント ・キャリアコンサルティング技能士1級 ・公認心理師
若年者を中心としながら、幅広い年齢層に対しその方が求めるより良いライフスタイルを達成するためにキャリアコンサルティングやワークショップを実施しています。   サイト|http://c-s-process.com/
病院内で活躍する薬剤師が、転職したいと思うタイミングはどのような時でしょうか?病院薬剤師が抱える不満や転職理由を解説し、転職のメリット、転職する時に確認したいポイントなどをまとめていきます。転職を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

病院薬剤師と薬局薬剤師の違い

まずは、病院薬剤師と薬局薬剤師の違いや、それぞれの業務内容について説明します。大きく2つに分けていますが、それぞれの中でも働き先によって業務内容は変わるため、一般的なものとしてチェックしてみてください。


さまざまな規模の病院で働く薬剤師がいる

一口に病院薬剤師と言っても、大学病院や総合病院、さまざまな科が複合している中規模病院、個人のクリニックなど幅広い働き口があります。そのため、業務内容もそれぞれの病院規模によって違うのが一般的です。


病院の規模によって業務内容はさまざま

病院の規模によって内容はまちまちですが、おおまかな業務内容を挙げるなら、医師が処方した薬を調剤する業務や注射用の調剤、院内製剤の調製、抗がん剤の調製、救命救急業務、治験業務、病棟業務など幅広い業務を担当します。


薬局薬剤師は処方箋の調剤業務などを行う

一方で、薬局薬剤師も病院と同じく幅広い形態があります。病院に隣接しているものから病院近隣に備えられた門前薬局、複合型医療施設など複数の専門医クリニックに対応する薬局、病院との立地は関係なくショッピングモールや住宅街に作られたドラッグストアなどさまざまです。

業務内容は、処方箋調剤、在宅業務、在庫管理や卸業者との営業業務、一般用医薬品の販売、かかりつけ薬剤師業務など幅広くあります。

特に、高齢化社会で住宅医療を推進する動きの中で、薬剤師が重要な役割を担っています。病院薬剤師がチームでの医療活動をしているのに対し、薬局薬剤師は地域医療で活躍することが期待されるということです。



病院薬剤師が転職を考える理由は?

それでは、病院薬剤師が転職したいと考える原因はどこにあるのでしょうか。3点紹介していきます。


病院内で下に見られるケースがある

薬局で働くと、基本的には薬剤師と事務スタッフくらいしかいませんが、病院の中で働くということは医師や看護師とチームになって働くということです。

また、薬剤師が病院のチームの一員として働くようになったのは、まだまだ歴史が浅いこともあり立場が弱いという病院もあるのが現実です。医師の処方を受けて調剤する立場なので、医師の決定権は強いものかもしれませんが、時に看護師からぞんざいな対応をされることもあります。

薬を催促されたり、薬を持ってくるようにこき使われたり、チームのメンバーとうまく連携が取れないと転職したいと考える方も多いようです。


体力面が追いつかない

薬局が夜間も開いていることはあまりありませんが、入院設備のある病院で病棟勤務になると、点滴の管理などで薬剤師も夜勤や当直があることがあります。

夜勤は人数が減る上に、研修医が担当することも多いため薬の相談をされたり、さまざまな対応を1人でしたりプレッシャーが大きいのも敬遠される理由です。体力面や精神面からの疲れで、体調をくずし転職を意識する方もいます。


調剤薬局と比べて給料が低い

それぞれの病院や薬局によって差はありますが、一般的に薬局薬剤師に比べて病院薬剤師は年収が低いと言われているのも転職を考える理由の1つです。

夜勤があったり、チームで連携して働かなくてはいけなかったり、大変な面も多いのに給料が低いとなると辞めたいと考える人が増えるのもうなずけますね。



病院から病院に転職する場合

それでは、ここからは薬剤師の転職について気をつけてチェックしたいところを紹介していきます。まずは、病院薬剤師が他の病院に移る場合に確認するポイントを解説します。


急性期病院か慢性期病院かを確認する

病院には大きく分けて「急性期病院」と「慢性期病院」があり、それぞれで働き方が変わります。どちらがいいということではなく、自分はどのように働きたいかで選ぶようにしましょう。

急性期病院は、緊急性の高い手術が行われたり、検査や入院をして治療を進めていったり、専門的な医療を提供する必要がある病院です。さまざまな病気を患った患者が訪れるため、さまざまな症例に触れることができ、スキルアップすることが可能です。

反対に慢性期病棟は、急性期病棟で治療を終え安定した状態が続いている患者が、退院するまで入る病院です。回復に向けて継続的に治療していく必要があり、長期入院する患者が多いのが特徴です。

急性期病院のように新たに治療を進めることはないため、専門知識は比較すると少なくなりますが、急性期病院ほど仕事に追われないのがメリットです。プライベートと両立を図りたいなら慢性期病院を選ぶといいでしょう。


残業の有無や職場の雰囲気をチェック

働く上で気になるポイントとなる、残業の有無や職場のスタッフの雰囲気をチェックするのも大切です。残業については、たくさん稼ぎたくて体力も持つなら残業があるところの方が給料面では安定します。プライベートもしっかり時間を取りたいなら、残業は少ない方がいいでしょう。

また、人間関係については病院薬剤師の多くの方がうまくいかずに悩みのタネになりやすいものです。医師や看護師と薬剤師がしっかりと連携を取れているのに越したことはないので、どのような雰囲気の病院なのかというのは知っておきたいところ。

自分で調べるのはとても大変なので、転職エージェントなどのプロの力を借りてチェックするのがおすすめです。



病院から薬局に転職する場合

続いて、病院薬剤師が薬局に転職する場合にチェックしておきたいことをまとめていきます。これまでと業務内容も変わりますし雰囲気も変わるので、イメージを湧かせて転職するのが大切です。


人数が少ないので雰囲気をしっかり確認

病院と違って、薬局は少ない人数で働く職場になります。その狭い環境の中がギスギスした雰囲気だと、逃げ場がなくつらい思いをすることもあります。この場合も自分で調べるのは難しいので、転職エージェントなどにどのような職場かを相談してみる方がいいです。

また、もし子育てをしながら働きたいなら、少しでも人数が多い薬局を選ぶ方がいいかもしれません。人員が多い方が、急な子供の体調不良などで休みを取る時に代わりが見つかりやすいからです。産休・育休など子育て世代に優しい福利厚生があるかもチェックするといいでしょう。


体力面が気になるなら休日などをチェック

もし、病院薬剤師として体力面がつらく転職を考えたのなら、次に働く転職でもどのような働き方になるかを事前に確認する方がいいです。例えば、残業状況や開局時間、有給の取得率、休日の確認などです。

他にも、処方箋枚数に対して薬剤師がどれだけ配置されているかを知ることで、その薬局の忙しさがわかる目安になるので確認してみるといいですね。

薬局薬剤師の特徴的な働き方の1つとして、在宅業務があります。土日は必ず休みたかったり、夜間に呼び出されるのはつらかったり、条件がある方は在宅業務の働き方についてもしっかりと確認しておく必要があります。



自分の希望に合う働き先を探そう

病院薬剤師と薬局薬剤師の違いや、病院薬剤師が転職したいと考える理由、転職の際にチェックしたい内容などをまとめてきました。大切なのは自分が思い描く働き方に近い働き先を見つけることです。

忙しくても未来のためにスキルアップがしたい方、とにかく高いお給料をもらいたい方、プライベートと両立して体調にも考慮しながら働きたい方、さまざまなのでそれぞれに合わせた働き先はどのタイプになるのか、しっかりと考えて転職活動を進めていきましょう。


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