最終更新日:2019.01.11 公開日:2018.12.05
税金

師走の駆け込み? 「ふるさと納税」の人気は拡大中

年末が近づき、「ふるさと納税」サイトのCMを見る機会が増えました。今年の寄付金の控除対象となるのは12月寄付分までですので、「未だ寄付をしていない人は、今なら間に合いますよ」というメッセージが込められています。
 
最近の「ふるさと納税」事情について考えます。
 

リピーター続出の理由

「ふるさと納税」は平成20年にスタートした制度です。今は東京に住んでいるけれど、地元に帰省すると商店街はシャッター通りになってしまい、出会うのはお年寄りばかり。何か力になれないかな~という趣旨で始まったものです。
 
出身地以外でも、お世話になったり気になる地域は多々あります。全国どこへでも寄付できるこの制度は、地方に寄付による財源を増やしただけでなく、特産品や特性をPRする上でも、大きな成果があったと思います。
 
総務省の「ふるさと納税に関する現況調査結果」によると、平成21年度のふるさと納税の控除の適用者数が3.3万人であったのが、平成30年度は295.9万人に増えています(年度の計数は前年の控除の適用状況)。
 
利用者が増えたのは、主に3つの理由が考えられます。
 
(1)ふるさと納税のサイトが便利になり、簡単に利用できるようになった。
(2)自治体の返礼品が充実した。
(3)ワンストップ特例制度の導入で、手続きが簡単になった。
 
「自治体に寄付すると、お米やカニの返礼品が送られてきて、お得らしい」という噂を聞いても、面倒な手続きが必要なら躊躇してしまいます。(1)(2)に関しては、これからもサービスが充実すると思いますので、制度を利用するリピーターは増え続けると思います。
 

地元の特産品のPRにも一役

先日、新潟県中魚沼郡津南町のチラシ広告が新聞に折り込まれました。こうした各自治体のふるさと納税の広告を見かけることも増えました。
 
津南町の広告はというと、ふるさと納税により、返礼品の“魚沼産コシヒカリ”を定期配送してもらえるというものです。お米を定期配送してもらえるのは助かります。
 
それも“魚沼産コシヒカリ”は、ブランド力の高いお米です。広告しなくても…と思ったのですが、実は「ふるさと納税」の広告は裏面でした。表面は“魚沼産コシヒカリ”の広告。「日頃あまりお米を食べない人にもぜひ一度は食べてほしいお米です」とありました。
 
食文化の多様化で、お米の消費量は減っています。単身世帯が増え、「家ではお米はあまり食べない」という声も聞きます。“美味しいお米を味わう”機会は少なくなってしまいました。
 
この広告は、ふるさと納税をきっかけに、特産品“魚沼産コシヒカリ”をPRする好事例ではないでしょうか。「ふるさと納税」の人気が高まることで、こうしたPR方法も増えると思います。
 

やり過ぎると困ったことに

良い面がクローズアップされますが、問題も起きています。「ふるさと納税」の人気の裏で、財源が減少する自治体があることです。特に住民税が主な財源となっている特別区では、かなり深刻な問題が起きています。
 
「ふるさと納税」の寄付金は新たな資金を寄付するのではなく、住んでいる自治体の住民税を寄付した自治体に移すやり方です。
 
東京23区のふるさと納税による減収は312億円(18年度予算案での見込額の集計)で、最大の世田谷区では40億円になるそうです。
 
区立の施設やインフラ整備などにお金が回らなくなると、困ったことになります。自治体の歳入が減ることでサービスが低下する可能性があることも知って、ふるさと納税を利用する必要があります。“美味しいお米”との板挟みになりそうです。
 
Text:宮﨑 真紀子(みやざき まきこ)
相続診断士
 

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宮﨑真紀子

執筆者:宮﨑真紀子(みやざき まきこ)

ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士

大阪府出身。同志社大学経済学部卒業後、5年間繊維メーカーに勤務。その後、派遣社員として数社の金融機関を経てFPとして独立。大きな心配事はもちろん、ちょっとした不安でも「お金」に関することは相談しづらい…。そんな時気軽に相談できる存在でありたい~というポリシーのもと、個別相談・セミナー講師・執筆活動を展開中。新聞・テレビ等のメディアにもフィールドを広げている。ライフプランに応じた家計のスリム化・健全化を通じて、夢を形にするお手伝いを目指しています。



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