最終更新日:2019.06.28 公開日:2019.02.09
税金

マイホームを売ったら、所得税ってどうなるの?

前回は、自宅を売却したお金をどう使うかについて、簡単にポイントを整理しました。今回は、自宅の売却に際し、所得税がどのようになっているかについてお伝えしていきたいと思います。
 
重定賢治

執筆者:

執筆者:重定賢治(しげさだ けんじ)

ファイナンシャル・プランナー(CFP)

明治大学法学部法律学科を卒業後、金融機関にて資産運用業務に従事。
ファイナンシャル・プランナー(FP)の上級資格である「CFP®資格」を取得後、2007年に開業。

子育て世帯や退職準備世帯を中心に「暮らしとお金」の相談業務を行う。
また、全国商工会連合会の「エキスパートバンク」にCFP®資格保持者として登録。
法人向け福利厚生制度「ワーク・ライフ・バランス相談室」を提案し、企業にお勤めの役員・従業員が抱えている「暮らしとお金」についてのお悩み相談も行う。

2017年、独立行政法人日本学生支援機構の「スカラシップ・アドバイザー」に認定され、高等学校やPTA向けに奨学金のセミナー・相談会を通じ、国の事業として教育の格差など社会問題の解決にも取り組む。
https://fpofficekaientai.wixsite.com/fp-office-kaientai

詳細はこちら
重定賢治

執筆者:

執筆者:重定賢治(しげさだ けんじ)

ファイナンシャル・プランナー(CFP)

明治大学法学部法律学科を卒業後、金融機関にて資産運用業務に従事。
ファイナンシャル・プランナー(FP)の上級資格である「CFP®資格」を取得後、2007年に開業。

子育て世帯や退職準備世帯を中心に「暮らしとお金」の相談業務を行う。
また、全国商工会連合会の「エキスパートバンク」にCFP®資格保持者として登録。
法人向け福利厚生制度「ワーク・ライフ・バランス相談室」を提案し、企業にお勤めの役員・従業員が抱えている「暮らしとお金」についてのお悩み相談も行う。

2017年、独立行政法人日本学生支援機構の「スカラシップ・アドバイザー」に認定され、高等学校やPTA向けに奨学金のセミナー・相談会を通じ、国の事業として教育の格差など社会問題の解決にも取り組む。
https://fpofficekaientai.wixsite.com/fp-office-kaientai

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自宅を売却した所得とは?

以前の記事で、所得には10種類あるというお話をしました。ちょっと気になるという方は、「お金を貯めにくい人は、10ある所得でお金を増やす!」をご参照ください。
 
10の所得とは、(1)「利子所得」、(2)「配当所得」、(3)「不動産所得」、(4)「事業所得」、(5)「給与所得」、(6)「退職所得」、(7)「山林所得」、(8)「譲渡所得」、(9)「一時所得」、(10)「雑所得」です。
 
お勤め先からお給料をもらって働いている方の場合、一般的に所得というと(5)の「給与所得」のイメージがあるかと思います。しかし、それは10ある所得のひとつにすぎません。納税者として私たちは、所得税の計算が10ある所得に応じて異なっていることを、知っておく必要があります。
 
今回は「自宅を売る」、つまり、土地・建物を売却した場合の所得税です。この場合、該当する所得の種類は(8)の「譲渡所得」になります。譲渡所得とは、一般的に、「土地・建物・株式等・ゴルフ会員権・金地金などの資産を譲渡することによって生ずる所得」と定義されています。
 
一部、例外もありますが、「おおよそ資産性のあるものをだれかに売って、所得を得た場合」に所得税がかかると覚えておきましょう。
 

自宅を売却したら所得はどう計算する?

譲渡所得をわかりやすい言葉でまとめると、「おおよそ資産性のあるものを売って得た収入」から「それにかかった費用」を差し引いた金額が「譲渡益」になり、譲渡益から50万円の「特別控除」が引かれて「譲渡所得」が導き出されるといったところでしょうか。
 
ただし、これは、あくまでも原則で、土地や建物を売った場合や株式を売った場合は、少し計算の方法が異なります。
 

〔土地・建物を売った場合の譲渡所得の計算(分離課税)〕
○課税譲渡所得=収入金額-(取得費+譲渡費用)-特別控除額

 
自宅を売って得られた収入から、以前自宅を買ったときの取得費と自宅の売却にかかった諸経費などを差し引き、そこから一定の条件のもと特別控除が引かれ、その金額が土地・建物を売った場合の譲渡所得になります。
 
このとき、ポイントになるのが特別控除の種類です。土地・建物を売った場合の譲渡所得の計算で使用される特別控除は6種類あります。
 
(1)収用などにより土地・建物を譲渡した場合:5000万円
(2)マイホームを譲渡した場合:3000万円
(3)特定土地区画整理事業などのために土地を譲渡した場合:2000万円
(4)特定土地造成事業などのために土地を譲渡した場合:1500万円
(5)平成21年および平成22年に取得した土地などを譲渡した場合:1000万円
(6)農地保有の合理化などのために農地などを譲渡した場合:800万円

 
要するに、特別控除とは、収入から支出を差し引いた金額(利益)から、さらに差し引くことができるお金であるため、この金額が多ければ多いほど利益を圧縮できる、つまり、所得を少なくすることができるという意味になります。
 
今回は、一般的な自宅売却についての話なので、(2)の「マイホームを譲渡した場合」の特別控除が該当し、控除金額は「3000万円」です。
 

〔マイホームを売った場合の譲渡所得の計算〕
○課税譲渡所得=収入金額-(取得費+譲渡費用)-特別控除額(3000万円)

 
自宅を売って得られた利益が仮に3000万円だった場合、そこから特別控除である3000万円が差し引かれるため、結果として譲渡所得は0円という計算になります。つまり、「自宅を売って得られた利益」≦ 3000万円(特別控除)の場合は、所得税はかからないということです。
 

自宅の売却もライフプランの一部

マイホームをどのように処分していくかという「マイホームの出口戦略」では、序盤で自宅を「そのまま住み続ける」「取り壊す」「売る」「貸す」の4つの選択肢の中から選ぶことになります。
 
自宅を「売る」を選択した場合、コスト計算を行ったうえで売却プランを考えていきますが、このとき、税金がどうなるかも同時に考えていきます。
 
もし、自宅を売った後に利益が出るなら、その金額次第で3000万円の特別控除の存在が、プランに大きく響いてきます。退職後のライフプラン(リタイアメントプラン)で、マイホームにかかわるお金の話では「譲渡所得の3000万円の特別控除」が注目されるのは、このためです。
 
今回は、自宅を売却する場合の、譲渡所得についてお話しました。自宅の将来を考えるにあたって、何よりも大切なのは、ライフプランを作成してマイホームの出口戦略を描き、そのうえで資金計画を立てることです。
 
そして、自宅を売却するという方法を選んだ場合に、今回のような話になっていきます。局所的な損得で考えるのではなく、全体図を描いてから、何が得で、何が損かを見極めることが大事ということですね。
 
次回は、マイホームの「ダウンサイジング(減築)」についてお伝えしていきます。
 
執筆者:重定賢治(しげさだ けんじ)
ファイナンシャル・プランナー(CFP)
 

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