更新日: 2021.05.27 確定申告

確定申告をし忘れた! 後から申請できるって聞いたんですがホントですか?

執筆者 : 柘植輝

確定申告をし忘れた! 後から申請できるって聞いたんですがホントですか?
個人の方の確定申告は所得税法上、毎年2月16日から3月15日までに行うとされています。
 
しかし、この時期は年度の切り替わりの時期でもあり、仕事の繁忙期と重なる方もいらっしゃいます。さまざまな理由から確定申告が期限までに間に合わなかったら、どうするのが正解なのでしょうか。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

確定申告の期限に間に合わなかったら期限後申告が可能

まず初めにタイトルの答えを発表しましょう。確定申告をし忘れた場合でも後から確定申告することは可能です。確定申告には期限後申告という仕組みがあり、本来の期限に間に合わなかったとしても確定申告ができるようになっているからです。
 

期限後申告に罰則はあるの?

確定申告は期限に間に合わせることができないと、青色申告特別控除をはじめとする税制上の優遇を受けられなくなることがあるなど、いくつかのデメリットが生じます。さらに、1ヶ月以上期限が過ぎてから期限後申告する場合は本来納める税額に無申告加算税や延滞税が加算され、本来よりも多くの税金を払うことになります。
 
とはいえ、実務では期限を1日でも過ぎたら即座に無申告加算税や延滞税の発生となるわけではなく、個別の要件や社会情勢などによっては無申告加算税が加算されないこともあります。特に税務署からの指摘が入る前に自ら相談・申告することでペナルティーを受けるリスクは大きく軽減されます。
 

期限後申告に必要なものは?

期限後申告も通常の確定申告のように書類を作成し添付書類とともに提出することで確定申告が可能です。
 
ただ、「災害による申告、納付等の期限延長申請書」など一定の書類を添付することでその確定申告の遅れが正当な理由によるものとして扱われ、ペナルティーを受けることがなくなることもあります。いずれにせよ、期限後申告をする際は確定申告書を提出する税務署に事情を話して相談しておくとよいです。
 

確定申告の期限は個別の事情によって延長されることがある

確定申告の期限は非常に短く、その間に病気やけが、社会情勢の変化などやむを得ない事由から期限に間に合わないこともあり得ます。そういった場合は確定申告書の提出先となる税務署に「災害による申告、納付等の期限延長申請書」を提出することで確定申告の期間を個別に延長してもらうことが可能になります。
 
2020年分の申告については新型コロナウイルスの影響もあり、2021年4月15日が申告期限となるなど本来よりも延長されているものの、社会の状況から期限内に申告を行うことが困難となる方もいらっしゃいます。
 
そういった場合は2021年6月30日までに「災害による申告、納付等の期限延長申請書」を提出することで個別に申告期限を税務署長が指定する日まで延長することができます。「災害による申告、納付等の期限延長申請書」は確定申告書と同時に出すこともできるため、まだ新型コロナウイルスなどの影響から確定申告を行えていない方は急いで対応を進めるべきです。
 

確定申告しないとどうなる?

では、確定申告を行わないとどうなってしまうのでしょうか。実は先に述べた延滞税などの加算以外にも恐ろしい結末が待ち受けています。
 
それは、逮捕や罰金刑といった刑事罰を受ける恐れがあるということです。確定申告を正当な理由なく故意に行わないことは犯罪行為となります。簡単にいえば払うべき税金を払っていない脱税のようなものです。
 
そこまでいってしまうと社会的信用を失ったり、自身の行っている事業に影響を及ぼすなど今後の人生にも大きな影響を与えることになりかねません。
 

確定申告は後からでも可能。期限後でも速やかな対応を

確定申告には期限後申告という仕組みがあり、期限後であっても確定申告をすることが可能です。また、2020年分の申告に限っては新型コロナウイルスの影響もあり、2021年6月30日までであれば期限後として扱われずに確定申告することができるようになっています。
 
確定申告がなされないままであると、最悪刑事罰を受けることにもなりかねません。確定申告の遅れに気づいたときは速やかに最寄りの税務署へ相談の上、速やかに手続きを進めるようにしてください。
 
出典
国税庁 2 申告・納付等の期限の個別延長関係
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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