更新日: 2023.01.24 確定申告

年金受給者で「確定申告」する人は電子申告がおすすめ!

執筆者 : 二角貴博

年金受給者で「確定申告」する人は電子申告がおすすめ!
年金受給者が確定申告する際には、電子申告がおすすめです。
 
2022年まで税務署へ出向いて紙の用紙で申告していた人は、ぜひ電子申告を行いましょう。2023年から様式変更があり、年金受給者が使用する申告書と一般の事業者が使う申告書用紙が統合されました。
 
しかし、電子申告なら様式変更は問題ありません。本記事では、確定申告が必要な人とお得になる人についても解説します。今年から面倒な申告は自宅で済ませましょう。
二角貴博

執筆者:二角貴博(ふたかど たかひろ)

2級ファイナンシャルプランナー

年金受給者でも確定申告が必要になる人

厚生年金や国民年金などの年金受給者は、日本年金機構から源泉徴収票が送られてくるので原則として確定申告は不要です。しかし、次の人は確定申告が必要となります。

・公的年金等の収入金額が400万円以上の場合
・公的年金等以外の所得があり、所得金額が20万円を超える場合
・公的年金等の年末調整がされていない場合

20万円以下の所得でも不要なのは確定申告だけで、「住民税の申告は必要」ですので注意してください。分からない点があれば、お住まいの市区町村に問い合わせてみましょう。
 

年金受給者でもお得になる人

年金受給者で確定申告が必要でない場合でも、申告することで税金の「還付」を受けられる場合があります。確定申告した人がお得になるのは次のような場合です。

・年末調整時に、社会保険料控除や生命保険料控除の証明ができなかった場合
・ふるさと納税等で寄附金控除を受けようとする場合
・災害や盗難で損失を受けて雑損控除を受ける場合
・多額の医療費や介護費用がかかり医療費控除を受ける場合
・年末調整で扶養親族が増加したなどの場合

 

年金受給者の確定申告は電子申告がおすすめ

確定申告の提出方法には、次の3種類があります。

・紙の申告書を税務署へ直接提出する
・紙の申告書を税務署へ郵送する
・e-Taxを利用して電子申告する

「e-Tax」を利用すれば、確定申告書を自宅から提出できるので、わざわざ税務署に行く必要がなくおすすめです。
 
電子申告の流れは次のとおりです。
 

1.入力に必要な書類の準備

入力に必要な書類は次のようなものです。

・公的年金等の源泉徴収票
・マイナンバーカード(マイナンバーカード方式で入力する場合)
・医療費控除の明細やふるさと納税の証明書
・給与所得の源泉徴収票

 

2.作成方法の選択

初めて作成する人は「作成開始」を、過去に作成したことのある人は「保存データを利用して作成」をクリックします。
 

3.税務署への提出方法の選択

提出方法には、e-Taxによる送信と印刷して書面による提出があります。

・e-Taxによる送信(マイナンバーカード方式)
マイナンバーカード読み取りに対応したスマートフォンかICカードリーダライタが必要です。
・e-Taxによる送信(ID・パスワード方式)
・印刷して書面により提出

 

4.作成する申告書等の選択

年金受給者は、所得税のみの確定申告を選びます。
 

5.申告書等の作成や保存・再開

作成する申告書を選択後、画面の案内に従って申告書等の作成を行います。入力が終わらなくてもデータの保存と再開が可能です。
 

6.申告書等の提出

申告書等の提出は、e-Taxによる送信か、印刷して書面による提出(郵送または持参)のいずれかで行います。
 

今年こそ電子申告を

確定申告の電子申告は、自宅でいつでもできるので便利です。税務署への提出方法によっては、マイナンバーカードかID・パスワードが必要となるので、忘れずに事前登録などの準備をしておきましょう。
 
手続きの詳細は、国税庁ホームページの「確定申告書等作成コーナー」に記載があります。今まで電子申告をしたことのない人は、ぜひお試しください。
 

出典

国税庁 令和4年分の所得税等の確定申告書(案)
日本年金機構 「令和4年分公的年金等の源泉徴収票」の発送について
政府広報オンライン ご存じですか? 年金受給者の確定申告不要制度
国税庁 高齢者と税(年金と税)
国税庁 確定申告書等作成コーナー
 
執筆者:二角貴博
2級ファイナンシャルプランナー

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