更新日: 2019.06.21 不動産投資
知らない人ばっかり?【現物不動産投資】ってどんなもの?
それぞれの不動産から得られた賃貸収入や売却収入を、配当として投資家に還元します。J-REITは現在60本程度が上場しています。上場しているので高い流動性があり、投資家の裾野は広がりました。
執筆者:手塚英雄(てづか ひでお)
有限会社テヅカプラニング 代表
CFP(R)認定者 1級ファイナンシャルプランニング技能士 証券外務員
CFP(R)認定者 1級ファイナンシャルプランニング技能士
お金に振り回されない生活設計を目指している
可処分所得の最大化に拘れば人生に満足がない
人生を明るく豊かに過ごすためにお金を用いたい
他のFPとは一味異なる論点を持つ
http://www.fp-tezuka.com/
投資の尺度は元本と利息
預金や債券の場合、元本に対してあらかじめ定められている利率によって、利息を受け取ることができます。平成時代の初期には定期預金金利が5%を超えていましたが、現在では0.05%以下です。100万円預けたとしたら、当時は年間の利息が5万円、現在では500円にもなりません。
利息金額が少なくなっても元本は確保され、利息は確実に受け取れるだけよいと言えるでしょう。株式や投資信託では配当や分配金が受け取れますが、投資した金額は市場の需給状況によって変動します。
株式は株数に応じておよそ決まった金額が配当されますが、企業の決算状況次第で無配当の場合もあります。投資信託の分配金は、集められた資金の中から分配されるので、必ずしも投資元本に対する利益分が分配されるとは限りません。
株式の場合は株価、投資信託では基準価格が常に変動するので、投資時期より値上がりしていれば売買益が発生し、値下がりしていれば売買損が発生します。
預金や債券など、受け取る利益があらかじめ確定しているものを「利息」と言います。株式や投資信託など、確定していないものを「配当」や「分配金」と言います。銀行預金の利息は国税+復興特別所得税15.315%、地方税5%で合計20.315%が源泉徴収されます。
一方、株式などで譲渡損が生じた場合、特定口座(源泉徴収あり)を選択していれば、株式の配当や投資信託の普通分配金、特定公社債などの利子などと損益通算されます。そして、利益が生ずれば20.315%が源泉徴収され、課税は終了します。
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現物不動産投資はアパート経営
J-REITは株式と同様の課税が行われますが、現物不動産投資は不動産所得として課税されます。不動産所得とは、アパート経営と考えれば分かりやすいでしょう。
アパート経営には土地と建物が必要になります。これらの取得のために銀行からお金を借りれば、利息分は経費になりますが、元本返済分は経費になりません。
アパートを維持するために発生する水道光熱費や通信費、修繕費、固定資産税などは、必要支出として経費になります。さらに建物には、最初に生じた建築費を、構造により決められた年数に分けて経費とする、減価償却費が認められています。
収入である入居者からの家賃や礼金などから、支出である諸経費を差し引くと、利益が出ます。経費項目の中に、実際にはお金が出ていかない減価償却費が含まれています。これにより、不動産所得が赤字になることがありますが、他の所得と通算する仕組みがあります。
アパート経営者がサラリーマンの場合、給与所得があり、所得税を毎月源泉徴収されています。確定申告により、給与所得と不動産所得の合算された所得税を計算すれば、払い過ぎた所得税は還付されます。所得税が減額されれば、住民税も減額されます。
現物不動産投資は投下資本に対する増減だけでなく、税金を含んだ投資利回りを計算します。さらに副次効果として、税の仕組みを理解することにより、老後の備えを経費化したり、退職金や老齢年金の受け取り方を工夫する知恵が備わるでしょう。
現在、国に払う社会保険料や税金の額は、累進課税による税率や家族構成などで大きく変わりますが、収入の30%くらいになるでしょう。不確かな利回りを高めるより、合法的に節税を考えることは、人生の自己防衛に役立つと思われます。
執筆者:手塚英雄(てづか ひでお)
有限会社テヅカプラニング 代表
CFP(R)認定者 1級ファイナンシャルプランニング技能士 証券外務員