最終更新日: 2020.12.28 公開日: 2020.12.29
資産運用

持っている株がコロナで暴落……確定申告でどうにかなる?

執筆者 : 中村将士

新型コロナウイルス感染症の影響により、保有している株式の価格が下がった方もいらっしゃることでしょう。価格が下がって損失が出た場合、確定申告により「損益通算」「損失の繰り越し」ができます。
 
今回は、株式で損失が出た場合の特例と手続きについて解説します。
 
中村将士

執筆者:

執筆者:中村将士(なかむら まさし)

新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー

私がFP相談を行うとき、一番優先していることは「あなたが前向きになれるかどうか」です。セミナーを行うときに、大事にしていることは「楽しいかどうか」です。
 
ファイナンシャル・プランニングは、数字遊びであってはなりません。そこに「幸せ」や「前向きな気持ち」があって初めて価値があるものです。私は、そういった気持ちを何よりも大切に思っています。

中村将士

執筆者:

執筆者:中村将士(なかむら まさし)

新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー

私がFP相談を行うとき、一番優先していることは「あなたが前向きになれるかどうか」です。セミナーを行うときに、大事にしていることは「楽しいかどうか」です。
 
ファイナンシャル・プランニングは、数字遊びであってはなりません。そこに「幸せ」や「前向きな気持ち」があって初めて価値があるものです。私は、そういった気持ちを何よりも大切に思っています。

特例の概要

特例の名称を「上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」といいます。これは「租税特別措置法」という法律の第37条の12の2に記載されているものです。
 
株式(以下、断りがない限り「上場株式」のことを指します)を売って損失が出た場合、その年の株式の利子や配当などの所得(利益分)から損失分を差し引くことができるというものです。利益分から損失分を差し引くことを「損益通算」といいます。
 
損益通算をするためには条件があります。

条件

・配当所得の課税方式を「申告分離課税」にしていること
・確定申告をすること

 
例えば、令和2年に配当10万円(利益)を受け取ったとします。通常、この配当には所得税が課税されます。同じ令和2年に株式を譲渡して110万円の譲渡損失が出ていたとしても取り扱いは別ですので、結果としては利益の10万円と損失の110万円とが個別で存在します。
 
損益通算というのは、利益部分の10万円と損失部分の110万円を相殺して損失を100万円としますというものです。この場合、利益部分の10万円には課税されません。
 
この例ですと、令和2年は損失が100万円ということになります。
 
この点についても特例に記載があります。「損失の繰越控除」というものです。先の例でいえば、令和2年で控除しきれなかった100万円についても翌年以後3年間にわたって株式の譲渡所得(利益)や株式の利子所得・配当所得(利益)の金額から控除することができるというものです。
 
繰越控除をする場合も確定申告を行う必要があります。3年間損失を繰り越すためには、3年間連続して確定申告を行う必要があります。その間に株式の譲渡(売却)を行わなかったとしても、連続して確定申告をしなければなりません。
 

適用手続

損益通算を行うための手続きは以下のとおりです。
(1)損益通算をする年分の確定申告書に損益通算をする旨を記載する
(2)以下の書類を添付すること

・所得税及び復興特別所得税の確定申告書付表(上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除用)
・株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書
 
損失の繰越控除を行うための手続きは以下のとおりです。
(1)損失が生じた年分の所得税について、以下の書類を添付すること
・所得税及び復興特別所得税の確定申告書付表(上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除用)
・株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書
 
(2)その後において連続して繰越控除を行った場合には、以下の書類を添付すること
・所得税及び復興特別所得税の確定申告書付表(上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除用)
 
(3)繰越控除を受けようとする年分の所得税につき、以下の書類を添付すること
・所得税及び復興特別所得税の確定申告書付表(上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除用)
・一般株式等に係る譲渡所得等の金額または上場株式等に係る譲渡所得等の金額がある場合には「株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書」
 
なお、確定申告の時期は、原則としてその年の翌年(令和2年分であれば令和3年)の2月16日から3月15日です。
 

まとめ

株式で損失が出た場合には、「上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」があります。この特例では損益通算と損失の繰越控除を認めています。損益通算をするにしても損失の繰越控除をするにしても、確定申告をする必要があります。
 
また、配当所得の課税方式が「申告分離課税」である必要があります。
 
確定申告の時期は、原則としてその年の翌年(令和2年分であれば令和3年)の2月16日から3月15日です。しかし、令和2年分の確定申告の期間はまだ公開されていません。国税庁のホームページによると、「令和2年分の確定申告書等作成コーナーは、令和2年1月上旬公開予定」となっています。
 
とはいえ、早めに準備しておくのが良いと思います。同庁のホームページに「令和2年分 確定申告特集(準備編)」があります。こちらを先にチェックしておくのも良いかもしれません。
 
出典
国税庁 「No.1474 上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除」
国税庁 「所得税の確定申告」
国税庁 「令和2年分 確定申告特集(準備編)」
 
執筆者:中村将士
新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー
 

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