暗号資産(仮想通貨)のトラブル、どんなものがある?

配信日: 2021.06.28

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暗号資産(仮想通貨)のトラブル、どんなものがある?
2021年5月下旬、ある暗号資産(仮想通貨/この報道の場合はビットコイン)の価値が大きく下落したことが報じられ(※)、改めて暗号資産が注目されました。その一方で、金融庁は暗号資産のトラブル防止を呼びかけています。
大泉稔

執筆者:大泉稔(おおいずみ みのる)

株式会社fpANSWER代表取締役

専門学校東京スクールオブビジネス非常勤講師
明星大学卒業、放送大学大学院在学。
刑務所職員、電鉄系タクシー会社事故係、社会保険庁ねんきん電話相談員、独立系FP会社役員、保険代理店役員を経て現在に至っています。講師や執筆者として広く情報発信する機会もありますが、最近では個別にご相談を頂く機会が増えてきました。ご相談を頂く属性と内容は、65歳以上のリタイアメント層と30〜50歳代の独身女性からは、生命保険や投資、それに不動産。また20〜30歳代の若年経営者からは、生命保険や損害保険、それにリーガル関連。趣味はスポーツジム、箱根の温泉巡り、そして株式投資。最近はアメリカ株にはまっています。

仮想通貨、その呼称は暗号資産へ

「暗号資産」と聞いてもピンと来る方は少ないかもしれません。しかし、仮想通貨と聞けば、「名前くらいは聞いたことがある」という方は、いらっしゃるのでないでしょうか?
 
仮想通貨というと、バーチャルリアリティー(仮想現実)などのことばとともに、先進的な響きを感じる方もいらっしゃるかもしれません。その一方で、暗号資産というと別の印象を持つ方もいるでしょう。
 
ともあれ、金融庁は2020年5月1日から、仮想通貨を暗号資産と呼称するようになりました。
 

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暗号資産は法定通貨ではない

法定通貨とは、わが国では円、アメリカではドル、ドイツやフランスなどではユーロです。読者の皆さまの多くは、円で給料を受け取り、円で買い物をなさっていることでしょう。
 
一方で、暗号資産で給料を受け取り、日常的な買い物も暗号資産で支払いをする、という方はいらっしゃるのでしょうか? おそらく、いらっしゃらないと思われます。
 
暗号資産には紙幣もなければ、コインもありません。インターネット上でやり取りされる電子データです。なお、 スマホ決済は暗号資産ではありません。
 
決済にスマートフォンを用いているだけで、法定通貨であることには変わりありません。
 

投資の対象としての暗号資産

法定通貨から暗号資産、つまり円から暗号資産に変換する時のレートの変動、すなわち暗号資産の価格変動を活かして、暗号資産を投資の対象として考えている方がいらっしゃるかもしれません。
 
円からドルに換える時の為替レートの変動を狙って、つまり円高の時にドルを買って、円安の時にドルを売る、その差額がもうけと同じことが暗号資産でも行われていると解釈できることもあります。
 
しかし、円やドルなどの法定通貨の場合ですと、日常生活はもちろん、国境を越えた貿易などの決済でも用いられます。しかし、暗号資産の場合はどうでしょうか?
 
先述のとおり、暗号資産だけで日々の暮らしが成り立っている方は、おそらくいらっしゃらないと思われます。また、暗号資産はインターネット上でやり取りする電子データですから、裏付けとなる資産はありません。
 
また、法定通貨ではないので、裏付けとなる政府や法律もありません。それだけに価格変動が激しいようで、冒頭に挙げた暗号資産の価値の下落はその一例といってよいでしょう。
 

詐欺もある。投資は慎重に

暗号資産そのものが悪いということではありません。しかし、暗号資産を悪用した詐欺事件が起こっているのも事実です。暗号資産に限った話ではありませんが、投資は慎重に行いましょう。
 
そして、投資資金を払い込む前に相談や問い合わせを行いましょう。先に投資資金を払い込んでしまい、後で「実は詐欺だった」と気が付いても、払い込んだお金が戻ってくる可能性は低いといえます。
 
投資はもうかっても、損を被っても、その結果はすべて自身の責任となります。
 
出典
(※)日本経済新聞「ビットコイン急落続く 3万1100ドル台、投げ売りが連鎖(2021年5月24日記事)」
日本銀行「暗号資産(仮想通貨)とは何ですか?」
金融庁「暗号資産ご利用の皆さまへ」
金融庁「暗号資産に関するトラブルにご注意ください!」
 
執筆者:大泉稔
株式会社fpANSWER代表取締役

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