更新日: 2021.08.27 NISA
NISAにデメリットはある? 利用の注意点やメリットを生かした活用法を解説
NISAは、運用益が非課税になるのが大きなメリットです。一方で、損失が出たときのリスクは状況によって大きなものになるかもしれません。
この記事では、NISAの基礎知識とデメリット、注意点を解説します。NISAを始めるか迷っている人は、ぜひ判断の参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
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目次
資金運用がお得にできるNISAとは
NISA(一般)とは、毎年120万円を上限に配当金や譲渡益が最長5年間非課税になる制度です。お得に投資を始めることができるので、投資初心者におすすめと言えるでしょう。
NISAにはつみたてNISAもありますが、つみたてNISAは上限額が40万円、非課税期間が20年あるのが大きな違いです。また、つみたてNISAで購入できるのは長期投資に向いた投資信託のみです。
なお、NISA(一般)とつみたてNISAは、どちらか1つしか選ぶことができません。
NISAで資金運用するメリット
NISA(一般)には毎年120万円もの非課税枠があるのに加え、以下のようなメリットもあります。
●投資対象商品が豊富
●非課税期間終了後ロールオーバーができる
NISA(一般)では、投資できる商品の幅が広く自分の買いたい株式・投資信託などを購入できます。さらに、ロールオーバーをして利益の出る銘柄の長期保有も可能です。
ロールオーバーとは、5年の非課税期間が終了した銘柄について、翌年の非課税投資枠を使うことで非課税期間を延ばせる制度です。ロールオーバーをすることで最長10年の保有ができるので、資産が増えた場合は非常にお得です。
以上のメリットから、NISA(一般)は非課税枠を生かしながら自分のスタイルで投資したい人に向いているでしょう。
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NISAのデメリット・注意点
NISAには大きな魅力があるものの、事前に意識しておきたいデメリット・注意点もあります。ここからは、以下のとおりNISAのデメリットを解説します。
●非課税期間が決まっている
●非課税枠の繰り越しができない
●一般・特定口座との損益通算ができない
●これまでに一般・特定口座で保有している株式・投資信託などを引き継げない
●金融機関によってサービス内容が違う
NISAをうまく自分の投資に生かせるよう、しっかり確認しておきましょう。
非課税期間が決まっている
NISA(一般)は2023年までの制度であり、それ以降は制度を生かせません。しかし、2024年から新たに始まる新NISAには引き継ぐことが可能です。NISA(一般)をこれから始める人は、今後詳しく発表される新NISAの情報についても気を配りましょう。
非課税枠の繰り越しができない
NISAでは、その年に使い切っていない非課税枠があっても翌年以降に繰り越しできません。非課税枠を最大限使うには、毎年新規投資をする必要があります。
一般・特定口座との損益通算ができない
NISA口座は、他の口座と損益通算ができない独自のものです。NISA口座で出た損失は税務上ないものとみなされるため、損失を利益と相殺して支払う税金を抑えることはできません。
一方、NISAではない特定・一般口座の場合、損失を翌年に繰り越して節税できます。リスクの高い投資をする場合、NISAは向かないでしょう。
これまでに買った株式・投資信託などを引き継げない
NISAでは他の口座との損益通算ができないため、これまでに一般・特定口座で買った株式・投資信託などを引き継げません。NISAの非課税枠を使いたい場合は、NISA口座で新しく株式・投資信託などを買う必要があります。
金融機関によってサービス内容が違う
NISAのサービスを提供している金融機関は多いため、時間をかけて比較・検討する必要があります。非課税枠はどの金融機関も同じですが、選べる商品、手数料は異なります。自分の希望に沿った金融機関を選びましょう。
また、NISAでは引っ越しを理由に口座を移すことができません。そのため、引っ越しの可能性がある人は全国に支店のあるメガバンクか、ネット銀行がおすすめです。
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投資初心者はNISAをやらないほうがいい?
非課税枠があるため、デメリットはあるものの基本的にNISAはおすすめです。しかし、NISA口座で購入している株式・投資信託などが多いほど、損失が出たときのリスクは大きいと言えます。
投資初心者でデメリットが気になるなら、非課税枠は使い切らず少額の投資にとどめるか、損失が出る可能性が低いと思われる株式・投資信託などだけ購入しましょう。
自分で投資先を決められない人は、長期積立・分散投資に適した投資信託にだけ投資できる「つみたてNISA」を利用するのがおすすめです。つみたてNISAの非課税枠は毎年40万円と少なめですが、非課税期間が20年と長いためリスクを抑えた投資には向いています。
NISAのメリットを最大限生かすには
NISAのメリットを生かすには、損失が出るリスクをなるべく減らすことが大切です。NISA口座で株式・投資信託などを購入するときは、大きな損失が出ないよう低リスクの投資を心がけましょう。
低リスクの投資方法は、以下のとおりです。
●資金を分散させ投資する
●毎月定額で投資する
投資を行うときは、株式、債権、不動産投資信託など多様なジャンルに資金を入れ、分散させる「分散投資」がリスクを減らすのに有効です。
また、毎月定額で投資をすることで、同じ商品を値下がりした時期は多く、値上がりした時期は少なく購入できます。
投資タイミングや期間を分散させることで価格変動リスクが減るので、自分で値動きの予想をするのが難しい投資初心者には定額の投資が向いています。
さらに、長期的に付き合える金融機関を選ぶことも重要です。NISA口座を開設できる金融機関は多数あるため、手数料、取扱銘柄、サイトのわかりやすさなどを比較して検討しましょう。
NISAはデメリットも意識して使おう
NISAにはデメリットもあるため、非課税枠にひかれすぐに始めてしまうのは危険です。NISAでは損益通算ができないため、大きな損失が出た場合は税制面で損をすることもあります。
逆に、NISA口座で投資をしておけば、利益が出たときのメリットは大きいです。
NISAで投資をすべきかどうかは、個人の投資スタイルによって変わります。NISAでどんな株式・投資信託を購入するのか事前に考え、将来損失が出るかもしれないリスクを考慮したうえで判断しましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員