更新日: 2021.09.30 その他資産運用

開設しても運用されない「つみたてNISA」口座は3割以上?

開設しても運用されない「つみたてNISA」口座は3割以上?
コロナ禍の影響などで、将来に備えて投資を始める人が増えています。ところが、いざ投資を始めようと口座を開設しても、さまざまな理由で運用に進めない人も多いようです。
 
そこで今回は、投資初心者が投資をスタートさせる際のポイントについてお伝えしたいと思います。
藤丸史果

執筆者:藤丸史果(ふじまる あやか)

ファイナンシャルプランナー

相続、投資信託など、身近なファイナンスを中心に活動している。

運用されない「つみたてNISA口座」が3割以上

2021年6月に発表された金融庁の調査によると、2020年12月末時点までに開設された「つみたてNISA」口座は約302万口座ありましたが、そのうち2020年に一度も買い付けがなかった口座は約98.28万口座でした。
 
「つみたてNISA」を始める人は増えているものの、運用されない口座が全体の約32%もあったことが分かります。
 
実は、筆者も初めて口座を作ったときに、商品選びに迷ってしばらく運用できなかった記憶があります。口座開設の際に専門用語がよく分からず諦めてしまう、あるいは、口座開設はできても商品選びなどでつまずいて先に進めない、という人は意外と多いのではないでしょうか。
 

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ライフイベント表を作ってみる

中には、「投資」と聞くだけでハードルが高いと感じる人もいるかもしれませんが、投資を始める前に、まずはライフプランを見直すことから始めてはいかがでしょうか。
 
就職、結婚、住宅の購入やリフォーム、親の介護、相続、退職など、人生にはさまざまなライフイベントがあり、その都度、お金がかかります。また、結婚する人、独身で過ごす人、子どもを持つ、持たないなどの事情によっても、必要なお金や、お金のかかる時期は異なります。
 
ご自身のライフプランを確認し、人生のイベントやお金の動きを記載した「ライフイベント表」を作成してみると、いつ頃、どのくらいの資金が必要になるのかよく分かります。
 
投資で資産形成をするための目標が明確になってスムーズに始められますし、途中で目的を見失わずに投資を続けるためのモチベーションにもなるのではないでしょうか。
 
なお、「ライフイベント表」は、金融機関や金融庁、日本FP協会のホームページなどで入手でき、作成方法も詳しく解説されています。
 

口座開設をする販売会社を決める

最近では、口座開設から運用まで全てインターネットでできる、「ネット証券」が主流になっています。ネット証券は、手数料が安くて商品数も多く、いつでも手軽にパソコンやスマホで注文できるのが魅力です。商品の取扱本数や手数料、サービスの充実度など、自分に合った販売会社を選びましょう。
 
しかし、口座開設を自分で行うのが面倒であるとか、それがつまずきの原因になるのであれば、手数料は割高になりますが、証券会社や、銀行、郵便局などの窓口で開設するのもいいのではないかと思います。経験豊富な担当者に直接、相談ができることも、初心者には安心感がありますよね。
 

口座開設の流れ

ここからは、ネット証券で口座を開設する場合の流れを見てみます。
 
ネット証券は、本人確認書類やマイナンバーカードを撮影してアップロードし、パソコンやスマホから口座開設ができます。
 
「口座の種類」の選択で迷うことがあるかもしれませんが、初心者の場合、確定申告が不要になる「源泉徴収ありの特定口座」を選択すると便利です。
 

投資の種類と商品を決めよう

一口に「投資」といっても種類がありますが、投資初心者には、株やFXなどのリスクが高く、運用に手間がかかるものよりも、投資信託をお勧めします。
 
もちろん、投資信託も投資である以上、リスクがありますので、事前に情報を収集し、ある程度の知識を得た上で、どのくらいのお金を投資に回すことができるのかもしっかり検討してから始めていただきたいと思います。
 
次に商品の種類についてですが、投資信託の中でもやはり初心者に特にお勧めの、「つみたてNISA」と「iDeCo」を検討例に挙げさせてください。
 
先ほど述べたように、「ライフイベント表」を作成しておくと、投資によって準備したい資金の優先順位がはっきりしてきます。
 
例えば、20代から40代の子育て世代であれば、まずは「老後資金よりも子どもの教育資金や住宅購入資金を優先したい」と考える人が多いかもしれません。
 
この場合は、「つみたてNISA」がお勧めです。「iDeCo」は原則として60歳までお金を引き出すことができませんが、「つみたてNISA」口座で保有する資産はいつでも自由に売却できるからです。
 
反対に、「教育資金や住宅購入資金の準備はしっかりできている」、あるいは「老後資金の準備を優先させたい」という人には「iDeCo」がいいと思います。
 
また、「教育資金や住宅購入資金と、老後資金の準備を同時に進めたい」という人については「iDeCo」を優先し、年間の積立可能額が「iDeCo」の掛け金の上限を超えるようなら、「つみたてNISA」も活用してはいかがでしょうか。
 
さらに資金に余裕があるようなら、これらの非課税投資だけでなく、課税口座を活用することを検討してもいいでしょう。
 
ちなみに、「つみたてNISA」の非課税投資枠は年間40万円ですが、「iDeCo」は加入資格によって掛け金の上限が異なります。また、「つみたてNISA」は、金融機関によっては100円から積み立てができるところもあり、「iDeCo」については5000円から始められます。
 

まとめ

今回は、初めて口座を開設して投資の運用を始める際のポイントについて考えてみましたが、いかがだったでしょうか。投資で成果を得るためには、投資を始めるハードルと、投資を続けるハードルがあるといわれます。
 
特に投資信託では、何より時間によるメリットの享受は大きいものです。せっかく投資を始めようと思ったなら、ハードルを乗り越えて、一日でも早く運用を始められるといいですね。
 
出典
金融庁 「NISA 口座の利用状況調査(2020 年 12 月末時点)」
 
執筆者:藤丸史果
ファイナンシャルプランナー

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