更新日: 2021.11.09 株・株式・FX投資

よく聞く「バリュー投資」と「グロース投資」はどう違うの?

よく聞く「バリュー投資」と「グロース投資」はどう違うの?
株式の投資方法として、バリュー投資とグロース投資があります。
 
バリュー投資とは、ひとことで説明すると割安な株や投資信託に投資することです。バリューとは、価値、値打ちのことをいいます。現在の株価がその企業の利益水準や資産価値などから判断して割安にあると考えられる銘柄を買う方法です。株式の個別銘柄の代表的な投資尺度であるPER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)などを用いて判断し、これらの数値の低い銘柄を買い付けます。
 
それに対して、成長性に着目して銘柄を選択する方法をグロース投資といいます。グロース投資は、バリュー投資の指標としているPER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)などは活用しません。
 
では、それぞれどのような投資になるのか具体的に述べてみたいと思います。
高畑智子

執筆者:高畑智子(たかばたけ ともこ)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者

バリュー投資

バリュー投資は、先に記載したようにPER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)などを用いて判断し、これらの数値の低い銘柄を買い付けます。
 
PERとはPrice Earnings Ratioの略称で和訳は株価収益率です。時価総額÷純利益、または株価÷一株当たり利益(EPS)で算出されます。例えば、株価が500円で、1株あたり利益が50円ならば、PERは10倍と計算されます。
 
1株あたり利益(EPS)は、純利益(単独決算は税引き利益)÷発行済株式数で求めます。企業は株主還元策として自社株を買い、償却する動きが拡大しているため、実態に近い投資指標にするために自社株保有分を除いた株式数で計算することが多いようです。
 
一般的には、PER20倍を下回ると割安という表現をされますが、20倍が適正かどうかは業種によって異なります。
 
PBRとはPrice Book-value Ratioの略で、株価が1株あたり純資産(BPS:Book-value Per Share)の何倍まで買われているかをみる指標です。現在の株価が企業の資産価値(解散価値)に対して割高か割安かを判断する目安として利用されます。PBRの数値は、低いほうが割安と判断されます。
 
PBR=1倍が株価の底値のひとつの目安(株価と資産価値が同じ)とされてきましたが、最近は長い間1倍を下回ったままの銘柄も多くなり、必ずしもPBRの1倍割れだけを底値の判断基準とすることはできなくなっています。
 
このように、PERやPBRなどを使用して投資する方法をバリュー投資といいます。投資信託の中でこのような手法で銘柄を選定しているタイプをバリューファンドといいます。
 

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グロース投資

グロース投資は、企業の成長性が市場平均よりも高いと期待される銘柄に投資する方法です。バリュー株投資の指標となるPERやPBRの数値はあまり参考とされず、どちらの指標も高くなります。今後の成長性を評価して投資するため、現在の株価や解散価値を指標とするPERやPBRを判断材料にする投資手法はグロース株には向いていません。
 
グロース投資において、企業の成長性を判断する際には、相対的な競争力評価や将来の業績予想とともに、現在のROE(株主資本利益率)の高さなどを基準にすることもあります。
 
グロース投資は、最終的に成功した場合、非常に大きなリターンを得られますが、一方で成長する可能性のある銘柄(グロース株)を見極めることは非常に難しいです。さらに、長期間にわたって辛抱強く、確固たる信念を持って、売らずに保有するというのは最も難しいといえます。
 
グロース投資は、今後大きく成長し続けるだろうと予想される銘柄を選んで投資をする方法です。グロース株は、業績や株価が市場平均よりも高いと評価される銘柄のことです。 既存の業界の常識を塗り替えるほどの勢いのある小型株や、独自のセールスポイントで注目されている新興企業の株式などがグロース株に該当するといわれています。
 
また、グロース株を組み込んで運用している投資信託や ETF(上場投資信託) をグロースファンドといいます。
 

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投資スタンスの確認

以上のように、投資の方法は大きく分けてバリュー投資とグロース投資があるわけですが、どちらの投資スタンスをとるのかは投資する者により異なります。
 
上場していて、設立から何十年も存在する企業に投資することはバリュー投資に該当することが多いかもしれません。それに反して、ここ数年で初めて名前を聞くような企業に投資することはグロース投資に該当する場合もあるでしょう。
 
なんとなく株を購入している人で思ったような成果がでていない方は、今までの投資方法を振り返って、投資に対する自分の立ち位置を検討していただいてもよいのではないでしょうか。
 
執筆者:高畑智子
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者

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