更新日: 2021.12.21 NISA

孫のジュニアNISA口座を作りたい! どうすればいい?

孫のジュニアNISA口座を作りたい! どうすればいい?
未成年者が、年間80万円を5年間、非課税で運用できるジュニアNISA口座。
 
未成年者の将来へ向けた資産形成口座のため、3月31日において18歳である年(高校卒業の年の1月1日)の前年までに払い出すと、今まで非課税とされた利益に、さかのぼって課税されてしまいました。
 
しかし、ジュニアNISAが2023年をもって廃止決定に伴い、18歳前に払い出す場合も非課税のまま払い出しができるようになります。
 
孫に生前贈与をすれば、相続対策になると聞いたB子さん。孫にジュニアNISA口座を作りたいと思っています。
林智慮

執筆者:林智慮(はやし ちりよ)

CFP(R)認定者

確定拠出年金相談ねっと認定FP
大学(工学部)卒業後、橋梁設計の会社で設計業務に携わる。結婚で専業主婦となるが夫の独立を機に経理・総務に転身。事業と家庭のファイナンシャル・プランナーとなる。コーチング資格も習得し、金銭面だけでなく心の面からも「幸せに生きる」サポートをしている。4人の子の母。保険や金融商品を売らない独立系ファイナンシャル・プランナー。

ジュニアNISAは誰が管理する?

ジュニアNISA口座の名義は未成年者ですが、投資による資産形成をするため、名義人に代わって口座管理や運用をする運用管理者が必要です。
 
ジュニアNISAの運用管理は、口座開設者本人(未成年者)の親権者や祖父母(二親等以内の親族)が代理で行いますが、金融機関によって対応は異なります(出典:金融庁「あなたとNISA(ジュニアNISA)」(※1))。
 
親権者しか管理者になれない場合、親権者の同意があれば祖父母でも可能なケースがあります。また、ジュニアNISA口座開設の際に、運用管理者となる人の口座が必要とされるか・されないかも、金融機関により異なります。
 
ジュニアNISA口座開設の要件を、開設を希望する金融機関に問い合わせましょう。
 

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贈与時の注意

ジュニアNISAの口座は運用管理者が運用・管理をしますが、名義人は未成年者です。両親や祖父母等が勝手に未成年者の口座に入金はできません。いったん、口座名義人である未成年者に贈与し、未成年者本人名義の口座から、ジュニアNISA口座に資金を移します。
 
贈与される人が受け取る金額が、年に110万円以下なら贈与税非課税です(暦年贈与)。ジュニアNISAは年間80万円の買い付けまで運用益が非課税ですが、80万円の贈与を受けても、その年は受け取る側に贈与税はかかりません。
 
ここで注意が必要です。
 
例えば、もともと800万円の贈与をする予定で、80万円ずつ10年間に分けて贈与するという場合は、その約束をした年の贈与が80万円でも、合計金額を分割して受け取る権利を得た(定期給付金契約に基づく定期金に関する権利を贈与された)とされ、800万円に対し贈与税がかかる場合があります(出典:国税庁 タックスアンサー「No.4402 贈与税がかかる場合」(※2))
 
面倒でも、贈与の都度、贈与規約書を残しましょう。
 

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おすすめポイント

【NISA】
・投資できる商品が多い
・NISA口座での国内株式 売買手数料0円
【つみたてNISA】
・幅広い投資信託ラインナップ
・100円から積立がスタートできる

運用管理親権者の同意は必要

冒頭でご紹介したご相談例を詳しく見てみましょう。B子さんは、ある証券会社でつみたてNISAをしています。NISA口座で株式を保有していたこともありました。
 
そのため、同じ証券会社でなら手間も少なくジュニアNISA口座を開けると思ったのですが、B子さんの利用している証券会社は、運用管理者が親権者であることが条件にありました。しかし、B子さんのお子さん夫婦がお孫さんの親権者です。
 
それなら、親権者であるB子さんのお子さん夫婦がジュニアNISA口座を作り、B子さんが資金をお孫さんに贈与するのが良いのですが、B子さんのお子さん夫妻は投資経験がまったくなく、自分たちの証券口座も開設しないとのこと。
 
そのため、B子さんは、祖父母が運用管理者になれるという金融機関を利用することにしました(ただし、親権者の同意は必要です)。
 
ジュニアNISA口座は一口座しか持つことができません。NISAのように金融機関の変更もできません。いったん廃止しなければ、新たに口座はできません。さらに、金融機関によって取り扱う商品も違います。よって、預金口座を作ることと比べ、金融機関選びは慎重になります。
 
しかし、自分名義のジュニアNISA口座を持たせることは、預金口座持つこととは違い、投資・運用についての知識を得るきっかけになり、自然と金銭教育につながります。お孫さんの将来を楽しみに、B子さんは金融機関選びを始めました。
 
(※1)金融庁「あなたとNISA(ジュニアNISA)」
(※2)国税庁 タックスアンサー「No.4402 贈与税がかかる場合」
 
(出典)
財務省「令和2年度税制改正の大綱」
国税庁「ジュニアNISAの手続に関するQ&A」
 
執筆者:林智慮
CFP(R)認定者

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