更新日: 2022.04.30 株・株式・FX投資
「MACD」の「買い時」、「売り時」って、どう判断するの?
※MACDの意味や基本的な使い方は、前回の記事『テクニカルツールとしてよく使われる「MACD」。その意味は?』と『テクニカル分析でよく聞く「MACD」って、どうやって使うの?』をご参照ください。
執筆者:重定賢治(しげさだ けんじ)
ファイナンシャル・プランナー(CFP)
明治大学法学部法律学科を卒業後、金融機関にて資産運用業務に従事。
ファイナンシャル・プランナー(FP)の上級資格である「CFP®資格」を取得後、2007年に開業。
子育て世帯や退職準備世帯を中心に「暮らしとお金」の相談業務を行う。
また、全国商工会連合会の「エキスパートバンク」にCFP®資格保持者として登録。
法人向け福利厚生制度「ワーク・ライフ・バランス相談室」を提案し、企業にお勤めの役員・従業員が抱えている「暮らしとお金」についてのお悩み相談も行う。
2017年、独立行政法人日本学生支援機構の「スカラシップ・アドバイザー」に認定され、高等学校やPTA向けに奨学金のセミナー・相談会を通じ、国の事業として教育の格差など社会問題の解決にも取り組む。
https://fpofficekaientai.wixsite.com/fp-office-kaientai
MACDにおける「買い時」、「売り時」
MACDを使う際は、まず相場が上昇トレンドなのか、下降トレンドなのかを確認しつつ、どの地点でゴールデンクロスやデッドクロスが発生しているかを見た上で、その次に「買い時」、「売り時」の判断をしていきます。
買い時、売り時のポイントとしては、次のようなタイミングとされています。
買い時:
(1)ゴールデンクロスのタイミング
(2)「MACD」が0.00を上回ったタイミング
売り時:
(1)デッドクロスのタイミング
(2)「MACD」が0.00を下回ったタイミング
以下のチャートで確認してみましょう。
〇日経平均株価指数(日足)とMACD
出典:TradingView Inc. 「TradingView」
※解説を目的に使用しています。
これは日経平均株価指数の日足チャートですが、下段にMACDが描かれています。青が「MACD」、オレンジが「MACDシグナル」です。
チャートでは、MACDにおいて2022年3月16日にゴールデンクロスが出現しました。まず、ここが買い場とされます。また、2022年3月23日に「MACD」が0.00に達し、ここが次の買い場とされます。
一方、売り場としては、2021年9月22日にデッドクロスが現れており、まずここが売り場とされますが、次に来る売り場としては、2021年10月5日に「MACD」が0.00に達したため、ここが売り場とされます。
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MACDにおける「買い時」、「売り時」の注意点
MACDを使うときは、基本的にこのように買い時、売り時を判断しましょうといわれますが、実際は一概にそうとはいえません。その点について、MACDを実際の相場状況と重ねると一目瞭然です。
以下のチャートを見ると、例えば、買い場とされている「MACD」が0.00に達して上回ろうとしているとき、日経平均株価指数は天井付近に位置しています。
また、売り場とされている「MACD」が0.00に達して下回ろうとしているときは、日経平均株価指数は底付近にあります。
〇日経平均株価指数(日足)とMACD
出典:TradingView Inc. 「TradingView」
※解説を目的に使用しています。
上記のように、「MACD」が0.00を超えようとしているときや、下回ろうとしているときに「買い」や「売り」を実行してしまうと、その後、間もなく相場が反転しているため、結果的に売買の判断としては誤りであったということになり、注意が必要です。
また、次のようなケースも注意が必要となります。以下のチャートでは、2022年2月3日にMACDにおいてゴールデンクロスが出現しています。
このため、MACDの基本的な考え方としては、ここを買い時と判断するわけですが、程なくして日経平均株価指数は天井を着け、下落しています。
〇日経平均株価指数(日足)とMAとMACD
出典:TradingView Inc. 「TradingView」
※解説を目的に使用しています。
確かにゴールデンクロスの後、日経平均株価指数は少し上がっているため、ゴールデンクロス出現後が買い時であると判断するのは間違いではありませんが、後が続いていないことを考えると、必ずしもここが買い時といえるような代物ではなくなっています。
ということは、つまりMACDだけで相場の買い時、売り時を判断するのは危険であるということができます。
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まとめ
MACDを活用する場合、基本的な活用法だけで相場の買い時、売り時を判断することは難しいというのが実情ですが、投資初心者としては、基本的な考え方を抑えることは最低限必要といえます。
実をいうと、MACDにおいては応用編として他の活用方法がありますが、MACDと実際の相場の複合利用(例えば波動など)を行ったり、また他のテクニカルツールと合わせて使っていくことで予測の精度が格段に上がるため、投資経験を積んでいくと、非常に有効なテクニカルツールであるという実感を持つことができるかと思います。
これまで3回にわたってMACDについてお伝えしてきましたが、次回は、MACDと比較的相性の良い「RSI」というテクニカルツールについて言及していきたいと思います。
出典
TradingView Inc. TradingView
執筆者:重定賢治
ファイナンシャル・プランナー(CFP)