更新日: 2022.07.17 その他資産運用

米国株式急落の際に勉強しよう。米国の株式市場と株価指数の仕組みはどうなっているか?

米国株式急落の際に勉強しよう。米国の株式市場と株価指数の仕組みはどうなっているか?
今年に入って、2月のウクライナ戦争勃発、5月・6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)による政策金利の利上げにより、コロナ後、上昇していた米国株式市場は下げに転じています。
 
株価が今後どうなるかは、神のみぞ知るですが、この機会に米国の株式市場と株価インデックス指数の仕組みについて解説したいと思います。
浦上登

執筆者:浦上登(うらかみ のぼる)

サマーアロー・コンサルティング代表 CFP ファイナンシャルプランナー

東京の築地生まれ。魚市場や築地本願寺のある下町で育つ。

現在、サマーアロー・コンサルティングの代表。

ファイナンシャル・プランナーの上位資格であるCFP(日本FP協会認定)を最速で取得。証券外務員第一種(日本証券業協会認定)。

FPとしてのアドバイスの範囲は、住宅購入、子供の教育費などのライフプラン全般、定年後の働き方や年金・資産運用・相続などの老後対策等、幅広い分野をカバーし、これから人生の礎を築いていく若い人とともに、同年代の高齢者層から絶大な信頼を集めている。

2023年7月PHP研究所より「70歳の現役FPが教える60歳からの「働き方」と「お金」の正解」を出版し、好評販売中。

現在、出版を記念して、サマーアロー・コンサルティングHPで無料FP相談を受け付け中。

早稲田大学卒業後、大手重工業メーカーに勤務、海外向けプラント輸出ビジネスに携わる。今までに訪れた国は35か国を超え、海外の話題にも明るい。

サマーアロー・コンサルティングHPアドレス:https://briansummer.wixsite.com/summerarrow

米国株式市場について

米国株全体の時価総額は50.7兆ドルで、全世界の株式に占めるシェアは約43%です(2021年11月末ベース)。米国以外では、中国が約12%、欧州が約6%、日本が約5%ですから、世界における圧倒的な一強といっていいでしょう。
 
コロナ後、金融緩和の波に乗って上昇を続けていた米国の株価が、2022年に入って下降を続けていますが、まずは米国の株式市場について説明していきます。
 
米国の主な証券取引所には次の2つがあります。
 

1. ニューヨーク証券取引所(NYSE)

世界最大の証券取引所であり、個別企業株を中心に3200超のグローバル企業が上場しています。米国株シェア約43%のうち、約22.5%をニューヨーク証券取引所が占めています。
 

2. ナスダック証券取引所(NASDAQ)

世界最大の新興企業向け証券取引所で、Google、Apple、Meta(旧名Facebook)、 Amazon、 Alphabetなどハイテク企業の多くが上場し、電子取引の拡大とともに2000年以降に急成長を遂げた取引所です。
米国株シェア約43%のうち、約20.5%をナスダック証券取引所が占めています。
 

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米国の株価インデックス指数について

米国株価市場の動向を知るためには、市場全体または市場の大きな部分の平均株価を示すインデックス(指数)を参照することになります。
 
日本でいうと、日経平均株価225種や東証株価指数(TOPIX)という指数がありますが、米国にもそれらと同様の指数があります。米国株式市場全体を見渡せる主要な株価指数としては、次の3種が挙げられます。
 

1. ダウ・ジョーンズ工業株平均株価(NYダウ)

ニューヨーク証券取引所やナスダックに上場している米国企業の普通株式など、30銘柄から構成される株価指数です。
 
30銘柄は時代の流れに合わせて不定期に入れ替えが行われ、その時代に米国をけん引する企業で構成されています。企業の成長性、投資家の関心度などを基準に、業種のバランスに配慮して選定されています。
 
株価指数は30銘柄の単純平均で求められるため、株価が高い値嵩株(値がさ株)の値動きに影響を受けやすい傾向があります。また、構成銘柄が30しかないので、米国経済の全体の動向を反映しているとは必ずしも言い難い面があります。
 

2. S&P500

S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスが公表している米国の代表的な株価指数で、ニューヨーク証券取引所、ナスダックなどに上場している企業のうち、代表的な500銘柄から構成されています。
S&P500の構成銘柄への採用条件には以下の4つがあります。

●米国企業であること
●時価総額が53億ドル以上であること
●四半期連続で黒字利益を維持していること
●株に流動性があり、浮動株が発行済株式総数の50%以上あること

S&P500は四半期ごとに銘柄入れ替えを検討しています。先述の採用条件をクリアしているのはもちろんのこと、時代の流れや各企業の業績、今後の見通しなどを総合的に判断し、米国の主要業種の主要企業をカバーできているか見極めるため、四半期ごとに銘柄の入れ替えを検討しています。
 
株価指数は500銘柄の時価総額を加重平均したものなので、時価総額で見た銘柄の変動が分かります。また、構成比率の上位にはGAFAM(※)やテスラなどの巨大ハイテク企業が入っています。
 
(※)GAFAMとは米国の主要巨大ハイテク企業である、Google、Apple、Meta(旧名Facebook)、 Amazon、 Microsoftを指します。
 
S&P500は、時価総額の大きい銘柄に影響を受けやすい傾向がありますが、米国株式市場全体の時価総額の80%以上を占めているため、S&P500は3つの指標のうち、最も米国株価市場の動向を反映した指数であるということができます。
 

3. ナスダック総合指数

ナスダックに上場するすべての銘柄(3000以上)を構成銘柄とした株価指数で、構成銘柄の時価総額の加重平均を指数化したものになります。
 
ナスダック市場にはシリコンバレーのハイテク株やインターネット関連株の多くが属しているため、米国株式全体に対してハイテク株の占める割合が高いことが特徴で、米国株式時価総額全体の50%超を占めています。
 
また、ナスダックに上場する銘柄のうち、時価総額のトップ100銘柄を指数化したナスダック100という指数があり、前述したGAFAMの比率が増えるため、これまでの株価上昇率はナスダック総合指数を超えています。
 

まとめ

今回は、米国株式市場と株価インデックスについて説明しました。米国株式は2022年には転機を迎えそうですが、そんな時期にもう一度、基本事項を整理して投資方針を見直すことも必要かもしれません。
 
米国株式全体への投資としては、主要インデックスを商品化したETF(上場投資信託)や投資信託に投資する方法があります。2022年初頭までの上昇率を比較すると、
 
ナスダック100>ナスダック総合指数>S&P500>NYダウ
 
という順序になりますが、2022年における下落率の順位は、ほぼその逆になっています。
 
上昇率の高いハイテク企業に特化したインデックスは、下落率も大きいようです。投資方針を決めるのは簡単ではありませんが、今までのデータを見直した上で、今後の参考にすることをお勧めします。
 
執筆者:浦上登
サマーアロー・コンサルティング代表 CFP ファイナンシャルプランナー

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