日本、米国、欧州の金融資産構成の違いを比べますと、日本人の資産運用に対するスタンスが見えてきます。
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執筆者:北川真大(きたがわ まさひろ)
2級ファイナンシャルプランニング技能士・証券外務員一種
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証券外務員一種
お金は生活するうえでなくてはならないものですが、単なる道具にすぎません。
「資産を貯める・増やす」の先を一緒に考えていきましょう。
●個人投資家として実体験に基づくアドバイスを行う
●お金との適切な「距離感」を保つ
●独立支援にも強い
●独身、一人暮らしの家計管理が得意
家計の金融資産構成
日本、米国、欧州の金融資産構成は、日本銀行調査統計局が毎年統計を出しています。2021年8月20日に公表された最新の資料によりますと、各地域の2021年3月末時点の資産構成は表1〜3の通りです。
日本
日本銀行調査統計局 資金循環の日米欧比較 より筆者作成
現金・預金の割合が過半数を占めます。株式や投資信託への投資割合は15%未満にとどまっており、資産運用に保守的な姿勢がうかがえます。
米国
日本銀行調査統計局 資金循環の日米欧比較 より筆者作成
米国は日本と正反対で、株式と投資信託の割合が過半数を占めます。現金・預金の割合は15%未満と、資産運用に積極的です。
欧州(ユーロエリア)
日本銀行調査統計局 資金循環の日米欧比較 より筆者作成
欧州(ユーロエリア)は米国よりは保守的ですが、株式と投資信託の割合は25%以上です。日本と比較しバランスよく投資と現金・預金に分散しています。
2001年末との差
日本は「貯蓄から投資へ」というスローガンを掲げてiDeCoやNISAなどの制度を整備してきましたが、どれくらいの効果があったのでしょうか。
同じ統計資料で2001年末時点のものと比べると表4の通りになります。
日本銀行調査統計局 資金循環の日米欧比較 より筆者作成
株式や投資信託への資金シフトは進んでいますが、ごくわずかです。まだまだ家計の金融資産のメインは現金・預金に滞留しています。
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金融市場が不安定な今こそ「貯蓄から投資」を考えましょう
2021年3月末時点の状況を見れば「貯蓄から投資へ」というスローガンの達成は険しい道のりといわざるを得ません。2022年に入って金融市場が不安定になり、投資に消極的になっている人もいるかもしれませんが、株価が下がっているタイミングこそ投資の機会と考えることもできます。
日ごろから投資について真剣に向き合い、現預金中心の資産構成を見直してみてはいかがでしょうか。
出典
日本銀行調査統計局 資金循環の日米欧比較(2021年8月20日)
日本銀行調査統計局 家計の金融資産構成(2001年末)
執筆者:北川真大
2級ファイナンシャルプランニング技能士・証券外務員一種